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ムダ遣いしよう

ある、外資系製薬会社の新人研修を受け持った。

とびきり優秀な人がいた。今後の活躍へ期待を込め、新刊ほやほやの日経ビジネス人文庫にサイン入れてプレゼントした。

それから幾星霜。

くだんの文庫本、絶版になり、書庫にもない(ぼくは自分の本もどんどん捨てるから)。そういう時に限って必要になる。

仕方なくアマゾンの中古本を取り寄せた。開封した。表紙開いた。

サイン入りの本だった。あいつ、売りやがったな。

ぼくには運がある。そう思った(笑)

ドラッカーはこの本で

「成果を上げられない理由は運の無さや努力の足り無さではない。
フォーカスとツールの使い方が無いのだ」

と言っている。同感である。

フォーカス(集中)はヨコに置くとして、今日は「ツールの使い方」について。

ツールといっても幅広い。

たとえば、いま使える資金調達源として、クラウドファンディングとNFTがある。ただ、これらも「使い方」が大事。

クラファンでいえば、「到達したい地点と現在地との落差」がはっきりフォーカスされているか(あ。フォーカス出てきた)。

「落差」にみんなは応援したくなる。

バカボンのパパとバカボンを応援したくなるのは、天才児ハジメちゃんがいて、落差がわかりやすいから・・・いや、やはりバカボンのパパのパワーが強烈過ぎるか(笑)

うまくいくクラファンはこのあたりのフォーカスがとてもうまい。

昨年やったネコリパのクラファン


1stゴール 1,500万円

2nd ゴール 2,000万円

そして最終ゴール 2,560万円

最終的には27,902,032円を集め、達成。

それぞれのゴールで、「達成したら◯◯をします」と、わかりやすい「落差」を伝えていた。

こんな感じ ↓

(2ndゴールの)2000万円達成したら、ホスピスで過ごす猫達が、日向ぼっこをしたり、お外の空気を感じながら穏やかに過ごせる場所として、「キャティオ」を作りたいと思います。

クラファンにせよ、イベントにせよ、「うまい使い方」がある。

イベントはいつ告知するか、というタイミングが大事。

これも散々失敗して手に入れるしかないのだけど。

たとえば、毎年秋にやってる「むすび合宿」は一年前からみんなの予定を押さえている。会場となる体育館やホテルも早めに予約する。

むすび合宿は、参加者の中で共有するミーム(何を面白いと感じるかの感性)が大事なので、「同じメンバーでやる」。そのためには「忙しいみんなの予定を早めに確保する」が大事。

発信戦略で、SNSは欠かせないけれど、SNSにも年齢がある。

フェイスブック、YouTube、インスタ、みんな高齢化してる。熟年と言ってもいい。だから発信したいブランドのフォーカスする相手によって適切に選択する必要がある。これもツールの使い方だね。Xはどうかな。汚れてるからねえ。

あと、最強最終のツールとしては、お金がある。

「円」に話を絞ると(ドルは別の話)、円はもはや右肩下がり。

みんなビジネスの目的を「円を稼ぐ」としているかもしれないけれど、「下がる価値あるものをたくさん集めてどうすんの?」。

プレイで使うコインが、時間経つほど価値を下げていく、そんなゲームをやってると思ってください。コイン、集めるのが得策? いや、ダレトク?

むしろ、いまは、ウッフィー(誰かの役に立って、相手からもらう『ありがとう』の気持ち)を集めるほうがいい。

実はこれ、2010年に出した『共感企業』(日経刊)の中で言ってるんだけど、「何言ってんだこいつ」だった。

ウッフィーを集めればあつめるほど、結局仕事の依頼につながる。

たとえば、ウェブやIT周りやってる人に多いのが「うかつに関わると、無料でいろいろ相談されちゃう」という心のガードね。これ、違うんだよ。

無料で相談に乗る
 ↓
ウッフィーが集まる
 ↓
やがてもっと大きな仕事の依頼を受ける

これが正解。

最初から課金しちゃうと、そこで縁が切れる。

ぼくが無料でnote書いたりブログ書いたりメルマガ発行しているのは、これ。ウッフィー集め。いつになるかわからないけれど、でも、仕事につながる。

仕事の報酬は、仕事でいいじゃん。円稼いでも、価値減るばかりなんだから。

そして、ムダ遣いしよう。

現代日本で、お金を減らす方法は、貯金。
増やす方法は、ムダ遣い。

体験しよう。新しいものに触れよう。知らない人と出会おう。

ムダ遣いのおかげで自分に投資できる。
自分への投資ほど、リターンの大きなものはない。

お金というツールの良い使い方は、ムダ遣い、なのでした(笑)

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