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フィルム写真

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フィルムカメラLeicaM4で撮影したモノクロ&カラー写真及び私のカメラ考。
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LeicaM4で撮るモノクロの花

長きにわたり花の仕事をして、散々花の写真を撮ってきました。 花は、たとえ切り花となったとしても生き物なので、段々枯れて行きます。 開花前の蕾の初々しさ、誇らしげに咲く満開、花弁が落ちてゆく物悲しさ、その瞬間、瞬間の美しさを写真で留めておきたいと私は思っています。 今では、デジタルカメラもレンズも、写真アプリも進化して、誰でも素敵な写真に仕上げられるようになっています。 4年ほど前から、私は『その日その時その瞬間』という写真のノンフィクションが何となく薄れてしまうような気がし

『草花展』参加中です!

緑が眩い季節となりました。 本日は、現在参加中のグループ展をご案内致します。 草花展(グループ展) 場所 Zushi art gallery 日時 4/14(金)〜5/7(日)11:00〜17:00位 火曜定休日 内容 水彩画、植物画、絵画、布、写真、陶芸、植物装飾作家による、 『草花』をモチーフとした作品の展示販売 エントランスの野薔薇も咲き始め、緑に染まるギャラリーのサイン。 先週の搬入時にはドタバタで、展示も完成ままならないまま始まってしまい、それから追加展示など

今年のサクラ

ユーミンがポッドキャストの『うそラジオ』にて、『身近にある桜を自分の桜と決めて、毎年見つめ続け、自分とリンクさせるとまたいいですね』と語っていた。 確かに、『花見』と称して晴れやかにお出かけするのもいいけれど、日々の定点観測の方がより『去年の自分はこうだった、とかあの年は。。』と思いが深まるもの。 今年は、もう4月半ばかと勘違いするほど暖かく、関東でも北国の春のように一斉に春の花が咲き始め、やや戸惑いがち気分、気持ちが少し遅れてついていっている。 という訳でライカを持ち出す

モノクロフィルムで綴る冬の記録

フィルム価格高騰と忙しさとモチベーション低下で、36枚モノクロフィルムを撮るのに11月末から1月初旬まで要してしまった。 そして久々に現像に出し、フィルムスキャン。 久しぶりのフィルムスキャンで、『えーっと、手順はどうだったかな』と。 本日は、SNS投稿にはあまりにもタイムラグがありすぎるので、折角だからnoteにまとめておくことにする。 この半年くらいで仕事や家の中もリセットしたい気持ちが強まり、断捨離していった。 そして、レンズも尽く手放し、コンデジ以外のレンズ交換式

KITTEのクリスマスツリー

段々と色々な物事を片付けて行き、ようやく今年の終わりも見えてきた。 気持ちも段々と軽くなってゆく。 でも、何か忘れていたような。 KITTEのクリスマスツリー。 Tokyoには、綺麗なイルミネーションやキラキラのクリスマスツリーが街中に溢れ、勿論全部の比較はできないけれど、私の好きなクリスマスツリーは丸の内KITTEのクリスマスツリー。 どうしてかというと、素材に生のモミの木だったり、和紙などの自然素材を使っているから。 大きな装飾を自然素材で長い期間キープするのは難しい

遅れて届いた夏からの手紙

9月から別荘の改装が始まり週末忙しく、また12月までの仕事やイベントのスケジュール組みで気持ちも急ぐ今日この頃。 noteに書きたい事も溜まってきているので、夏休みの宿題のようにややプレッシャーを感じつつも、『いやいやnoteはそんなつもりで頑張らないから』と言い聞かせて、ボチボチ順に言葉にして行くことにする。 さて、夏に撮ったフイルム写真の現像が戻ってきた。 夏からの手紙が遅れて届いたようで、セーターを着ている今になって写真を見返すと、やや痛々しく、胸がキュンとする。

フイルムで果物を撮る

夏から秋、冬と果物のバリエーションが目白押しで、花と共に果物の形や色、質感に惹かれて、写真を撮っている。 いわゆる 『果物版 still-life-photography』 無論、デジタルカメラは色や質感を忠実に細部まで再現すると思うが、フィルムで撮ってみたらどうなるだろうかと色々試している。 洋梨。 50年以上前のオールドレンズ、Leica DR-summicron とモノクロフィルムで撮ると洋梨と膝掛けの質感が『鉛筆画』のような荒いタッチで表現された。 分割してみると

秋風に身を任せて 秋明菊

昨日は、記事を書こうとPCへ向かったが、流石に台風による低気圧降下に押し潰されて無理だった。 ようやく和らいだところで、いよいよ秋の花の話をしようと思う。 秋の庭の草花で一番好きな花、といえば秋明菊。 ピンクもあるが、白がいい。 マットな白い花弁が秋風に揺れる様子は、眺めているだけで『ああ、やっと秋が来たな』と。 こちらは、横浜の『港の見える丘公園』にて、昨年モノクロフィルム撮影したもの。この公園の植栽は、いつもセンスがよく四季折々目を楽しませてくれる。 秋明菊について詳

儚い夏の花 芙蓉、木槿、葵

連日の猛暑の後、ついにお盆に台風。 夏が嫌いで辛い毎日だったが、クリスマスの頃の冬の空気を想像しながら、きっといつかは終わると信じて2週間過ごしてきた。 こんな夏の中にも元気な花はある。 英名でハイビスカスに属する芙蓉、木槿、葵だ。 花型と花芯の形がそっくりなので、葉を見ないとわかりにくい。 また、朝咲いて夕方には閉じる一日花。露草も一日花。 過酷な日差しにも負けずに咲いた分、夏の命は儚いもかもしれない。 まずは、酔芙蓉。 葉が木槿に比べて大きく、手を広げたよう。 この

ホテルニューグランド the cafe 回想録

港の丘公園、外人墓地、元町、山下公園は、横浜で一番好きな場所で、上京してまず初めに尋ねた場所である。 開発の進む『みなとみらい』地区もいいけれど少し疲れる。 やはりここが原点なのか、一番落ち着く。あれからもう随分経った。 今でも時折、港の見える丘公園を訪ね、少しづつ変わりゆく横浜を見ながら、街も自分も定点観測している。 クラシックホテルの代表格、ホテルニューグランドへは、それから少し大人になってから伺うようになった。 旧館の照明や壁、床のディテール、歴史を感じる重厚でオリ

夏の百合 その場所で咲くこと

先週のお稽古で使った向日葵は、やはりこの猛暑であっという間に枯れてしまった。いけられた花は、夏は特に長持ちしない。 これまで季節がなんであれ、花をいけることを当たり前に続けてきた。 しかしこの数年、植物の自然環境下での生き生きとした姿、在り方を注意して見つめるようになり、その面白さに惹かれるようになった。 最近は、生産された花をデザインしていけることが少し辛くなることがある。 ただ、美しいという花よりも、それぞれの環境下での『姿や在り方』を見つめる方が愉しい。 山百合。

モノクロの時計草

7月は、梅雨末期から夏に変化する微妙な月。 梅雨明けが長引いて太陽が待ちきれなかった年もあれば、今年のように早くに梅雨明けしたものの、また逆戻りのような不安定な年もある。 この時期、人間も気候に合わせて体の調子を整えるのが難しい。 しかし、植物は柔軟だ。 年によって、遅かったり早かったり、沢山花を付けたり、または寂しい年もあるが、時間にになると咲いてくる。 時計草。 鎌倉の光則寺さんの手前にある幼稚園の壁一面の時計草。 毎年、楽しみにしている。 先週、様子を見に行ったが、今

モノクロの紫陽花

梅雨も半ば。 しっとりとした紫陽花を眺めながら散歩するのを少し楽しみにしていたのに、今日は急に気温上昇。湿った南風が海から吹いてくる。 週末から1週間は、晴れて暑い夏の日が続くようだ。 やはり、紫陽花は雨がよく似合う。 紫陽花は、蕾から開花、花が終わるまでの間に花弁が色変わりをする。 大抵は、ブルーのグラデーション。白やピンク、最近は赤っぽものもある。 モノクロの紫陽花を見て、『さてどんな色?』と人々に問えば、自然の変化と人の記憶色が相まって、色の幅はさらに広くなだろう。

今朝の閃き。

朝、夢と目覚めの間で、バラバラに体験したことがつながりあって、『そうか』と自分の中で腑に落ちるというか、大袈裟に言えば『神のお告げ』のように閃くことがある。 私は、長い間、花の仕事に携わりながら、一時は当時盛んだった花のコンテストなるものに参加していた。植物を使って、デザインすることに最初は面白さを感じてのめり込んでいたが、繰り返していくうちに段々苦しくなった。 他と違う手法をどれだけみせるかが過激になりすぎて『自然のものをこんなにまでデザインという名のもとに痛めつけてい