洲之内徹『絵のなかの散歩』
以前読んだ『気まぐれ美術館』と同じ、洲之内徹の美術エッセイ。
相変わらず優しい語り口で、しがない画廊をやっているお爺さんですよみたいな感じで語っている。しかし、彼の経歴を見ていくと、プロレタリア運動で逮捕されて藝大を退学となり、収監され、その後中国で工作員のような活動をしたりと、かなり波乱ばかりの人生を歩んでいる。絵を通じての主張に対する意見など、ところどころに過去の情熱が見え隠れするような話が出てくる。
画家や友人、家族まで、多くの人との出会いと別れも多く描かれる。人生の