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ロゴ作成は究極の言語化!?「佐藤可士和展」に行ってきました。

新国立美術館で行われている「佐藤可士和展」に行ってきました。
とてもよかったので、感想を綴りたいと思います。

展覧会紹介
国立新美術館は、「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提起する美術館」を活動方針とし、デザインや建築の展覧会を定期的に開催してきました。この理念に基づく企画として、日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和(1965年生)の過去最大規模となる個展を開催いたします。
1990年代、株式会社博報堂でアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけた佐藤は、 2000年の独立以来、企業から、幼稚園、病院、ミュージアム、エンターテインメント界、ファッション界、地域産業まで、多種多様な分野で革新的なVI・CI計画やブランド戦略を手がけ、内外から注目を集めてきました。
本展では、佐藤自身がキュレーションする会場構成のなかで、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介します。
出典:佐藤可士和展/新国立美術館https://kashiwasato2020.com/introduction/(2021年2月28日利用)

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ユニクロの紙袋が展示されていた。

入り口から小学生の頃に描いた作品が展示され、次の大きな部屋に佐藤可士和氏が手掛けた広告が展示されていました。

ステップワゴン、SMAP、LOFTなどなど、、、どれも見たことがある広告ばかりです。その中に、とても印象に残っている作品があります。

ユニクロの紙袋です。


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(この区画は写真OKでした!)

上の写真の左下側にある「説明書き」には次のように書かれていました。

ユニクロ
ショッピングバック 2006-2014年
UNIQLO
Shopping bags, 2006-2014年
クライアント ファーストリテイリング株式会社

私の中では、かなり感動しました。
ただの紙袋が置かれていることに対してです。

だって、普通、紙袋は芸術作品ではないからです。
紙袋は実用品です。商品を買って家に持ち帰るときに使うものです。その袋に企業のロゴがあったり、どこの会社の商品を買ったのかわかるようなデザインがされいることは「普通」です。

でも、この展示会では、展示されていました。
この紙袋をデザインしたのが、佐藤可士和氏だったからです。

紙袋自体ではなく、「誰がデザインしたか」に注目され、大きな文脈の中(ここでは、あるクリエイティブディレクターの作品を集めた展示会)においては、美術館で展示する価値が見出されているのです。

日常を別視点から切り取り、集めると、特別な価値を見出されるということです。普通の生活では気づけない「価値」がありました。これに気づけたので、私はとても感動しました。

(多くのは紙袋の後ろに展示されているユニクロのロゴの広告に目が行くかと思いますが、私は紙袋に見入ってしました。)

画像2

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展示会で一番大きな部屋には大きなロゴが展示されていました。

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この部屋の中に、ロゴの設計図も展示されていました。
専門ではないので、見方?はわからなかったのですが、細かくデザインされていたことはわかりました。

ロゴの設計図を見て、大きなロゴを見渡すと、
「緻密な設計でできたシンプルな見た目のロゴ」というような感想を持ちました。そして、考えました。

緻密な設計の中に「引き算の思考」が入っているって。

ロゴのすべてに意味があるように思います。
色、形、文字、字体などなど、、、
その掛け算で完成形のロゴが出来上がっていると思うのですが、
因数は引き算の結果だと思いました。

例えば、因数の1つである「文字」を考えてみましょう。Tカードは蔦屋が発行していたのですが、「TSUTAYA」という文字全ては入っていません。「楽天」のロゴは頭文字の「R」だけです。

「TSUTAYA」ではなく、「T」
「RAKUTEN」ではなく、「R」
というようにロゴに「ない」部分があります。全てを盛り込むのではなく、一部がロゴになっています。だから、引き算の考え方が入っていると思いました。


そう考えると、ロゴをデザインすることは、「究極の言語化」だと思いました。色、形、文字、字体などを意図のある組み合わせを行い、「新しい文字をつくる」からです。

ロゴや広告は感性でできていると思われがちです。
ですが、この展示会に行って、理論の圧倒的な下支えがあることがわかりました。ふわふわとした考えが一度、理論化され、理論を消費者に意識させないくらい単純化されて、世の中のどこかに置かれます。

クリエイティブディレクターという全く知らない職業の方の展示会で、日常では感じられない発見や思考に触れることができました。
(考えながらあるいたので、めちゃ疲れました、、、)

5月10日まで展示されるようなので、行ってみるのはどうでしょうか。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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