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自分の専門分野を題材にした作品は楽しめない

社会人になって、映画やドラマの見方が変わったと気づいた時がありました。学生の時にはなかった(気づいていなかった)視点でした。
「自分の専門分野を題材にした作品は楽しめない」ということです。
思ったことを書いてみます。

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悲劇は時々、自分だけに起こる。

社会人になると、何かしらの分野を仕事にします。
自然と自分が関わっている分野の知識がつき、一般的な人よりも詳しくなります。プロになるわけですから、当然です。

一方、映画やドラマ、マンガなどは様々な職業や環境、人間関係を扱います。ドラマでよく取りあげられる職業は、刑事、医者、弁護士などでしょうか。最近では、教師や秘書を取り上げたドラマもあるようですね。
登場人物は何かしらの職業に就いています。

そして、時々、自分がよく知っている職業を取り上げられることもあります。ここで、悲劇が起こります。「自分の専門分野を題材にした作品は楽しめない」ということです。自分は頻繁に起きていますが、読者さんはどうでしょうか?

楽しめないとは何か?

次に、「楽しめない」とは何か書いていきます。
自分がよく知っている分野や、自分の職業が登場するシーンをみると、気になってしまうところがあります。例えば↓
①仕事道具やオフィス環境、服装に目が行く
②セリフや設定に無理、矛盾がないか判定してしまう
③自分の経験とどれくらい乖離があるか気になってしまう

「実際は〇〇は起きないな」「細かいけど、□□と△△は矛盾してる気がする」など、ドラマがどれだけリアルにできているかを判定しているのです。
これって、専門外のドラマや映画を見ているときの視点と同じでしょうか?

要するに、専門分野の作品を見るとき、細かい部分がリアルかどうか判定しながら見ているので、普段よりも楽しめていないということです。

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私はシステムエンジニアを仕事にしています。SNSではエンジニアの方をフォローすることが多く、エンジニアさんのつぶやきが流れてきます。
そんな私が気になってしまったドラマは、「逃げ恥」です。新垣結衣さんと星野源さんが出演されていたTBS系のドラマで、「恋ダンス」など話題になりましたね。

星野源さん演じる「ひらまささん」がエンジニアで、仕事のシーンもありました。Twitterで「逃げ恥」を見たエンジニアさんがよくつぶやいていたのは、「プログラミングコードが初歩的」とか「応用情報持っているのに、こんなコードか」のようなコメントでした。

細かいことに目が行って、リアルか判定しています!
これって、ドラマ自体を楽しめているのかなって疑問に思ってしまいました。

別の見方をしてみると

今まで、自分の専門分野の知識が邪魔をして、作品を楽しめていないのではと書いてきました。が、別の見方もあるように思えます。

作品の見方を変えるほど、持っている知識によって、解像度が違うんだな ってことです。

上記で↓の①~③を書きました。

①仕事道具やオフィス環境、服装に目が行く
②セリフや設定に無理、矛盾がないか判定してしまう
③自分の経験とどれくらい乖離があるか気になってしまう

知識量で解像度が違うという文脈では↓のようになりますね。

①仕事道具やオフィス環境、服装に目が行く
 →①’細かいところに気が付ける。
②セリフや設定に無理、矛盾がないか判定してしまう
 →②’セリフや設定を理解し、話の流れの整合性をチェックできる。
③自分の経験とどれくらい乖離があるか気になってしまう
 →③’自分の経験と比較し、過不足を言語化できる。

知識があると、普通の人では拾えない情報もキャッチでき、思考の対象になります。人によって専門分野は違うし、解像度を表現したり、比較したりできないので、気づきづらいですね。でも、隣の人と見え方が違うことに通ずるものです。

*

おわりに

時に、知識は邪魔をするようです。
ですが、時に、知識は世界をより詳しく魅せてくれるようです。

自分のいる場所によって、使い分けたいですね。
作品を楽しむ観点からすると、自分の専門分野の作品を見るときは、
「これはフィクション」とつぶやいてから、見るとよさそうです笑。

純粋無垢な状態の方が感動が大きいような気がします。
せっかく楽しむのだから、見る側のマインドも整えて鑑賞できるとよいですね!

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

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