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町田とecobike

 本日2月10日をもって、2019年4月より実施されてきた町田市シェアサイクル社会実験が終了します。3月からは新たなシェアサイクル事業がスタートするようですが、実はここにはちょっと複雑な歴史が存在しています。

町田市シェアサイクル社会実験の始まり

 町田市シェアサイクル社会実験がスタートしたのは2019年4月24日。ちょうど周辺の自治体でもシェアサイクルの導入が進む時期でした。検討段階ではドコモ・バイクシェアやCOGICOGIも候補に挙がったものの、自治体の費用負担が少ないことからecobikeが採用されたそうです。

 ecobikeはアパマングループが運営するシェアサイクルで、当時HELLO CYCLINGに加盟していました。「ecobike」の名で展開されますが、実態としてはHELLO CYCLINGで、同じくHELLO CYCLINGを導入する周辺自治体と相互に利用できました。

※HELLO CYCLINGの加盟ブランドについては以下の記事もご覧ください※

突然のシステム変更、その理由は

 実験開始から1年ほど経った2020年3月初頭、市は突如として、シェアサイクルのシステムをHELLO CYCLINGからINTERSTREETに切り替えること、システム変更のため3月17日から3月31日までサービスを休止することを発表しました。
 市によると、町田市では市内で完結する利用がおよそ70%を占める一方、市外→市内の利用が約10%に対し市内→市外が約20%と自転車が流出していることが判明。ecobikeと協議を重ねた結果、市内の利便性向上のため、システムを切り替えて市内限定のサービスにすることを決定したそうです。

 新たに採用されたINTERSTREETはペダルという会社が開発したシステムで、アプリから自転車のQRコードを読み取ることで借りられるものでした。
 ecobikeはHELLO CYCLINGから離脱し、他のエリアも順次INTERSTREETに切り替えました。2020年8月1日にはecobike株式会社と株式会社ペダルが合併し、システム名もINTERSTREETからecobikeに変更されています。

再びHELLO CYCLINGに

 ところが、2021年11月2日、町田市は翌年4月より町田市シェアサイクル共同運営事業を開始すると発表。共同運営事業者を募集する要求水準書には、最低でも1つ以上の隣接自治体と相互乗り入れできることが盛り込まれました。
 審査の結果HELLO CYCLINGを運営するOpenStreetが採用され、再びHELLO CYCLINGが導入されることになったのです。

 町田市が再び相互乗り入れを容認した理由は定かではありません。しかしながら、もしまた市外に自転車が流出する状況が続けば再度の方針転換も考えられるはず。今後の動向に注目したいところです。


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