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完全初心者を引き連れて小倉から佐賀までサイクリングしてみた話

先日、シェアサイクル“HELLO CYCLING”を利用して福岡県北九州市から佐賀県佐賀市まで120キロほどサイクリングしてきました。一度60キロ程度走ったことがあるだけの初心者と、街乗りしかしたことのない超初心者を引き連れてのことでしたが、特にトラブルもなく走りきることができ、またやりたいと思えるほどの良い旅になりました。

本記事では詳細なルートと選定の経緯、そして実際に走ってみての反省などを完結にまとめます。

3つのルート案

小倉→佐賀を自転車で走る場合、大きく3つのルートが考えられます。

青いラインの福岡経由は大回りに見えますが、天神から大善寺or柳川まで西鉄のサイクルトレインを利用できます。ただ、それでも実走距離はおよそ90キロで20キロほどの短縮にしかならないこと、小倉~天神は細かなアップダウンが続いてしんどいことから早々に不採用となりました。

緑のラインの田川ルートは、冷水峠に加えて金辺峠という比較的大きな峠を越えなければなりません。バッテリーが持つか不安なうえに、金辺峠は旧道が封鎖されていて新道の超大トンネルを通らなければならないことが判明し、こちらも検討から外しました。

自動的に残る形となった赤いラインの直方ルートは、直方までは細かなアップダウンが続くものの、以降は遠賀川に沿ってじわじわと峠に迫ることができます。また、概ねかつての長崎街道を辿るルートで、旧街道の風情も味わえそうです。

直方ルートの詳細と実際

そんなわけで当日は直方ルートで佐賀を目指しました。以下、区間ごとに詳細な経路と簡単なレビューを記します。

小倉~黒崎

宿の最寄が平和通駅だったので、そこを起点に小文字通りを西へ進み、西小倉小学校下で南に折れて大蔵を抜けていきます。おおよそ砂津~黒崎のバス路線と同じルートです。ただし、八幡付近で再びアップダウンがあるのでそこは国道3号線に迂回しました。

私が以前一度漕いだことのある区間なので難なく進めました。勾配も緩やかでアシストなしでもじゅうぶん走れます。結果として所定1時間半のところ1時間強で着けたのは嬉しい誤算でした(目当ての店が開店前でスルーして先へ進むハメにもなりましたが…)。

黒崎~木屋瀬

国道200号線をひたすら南下していきます。馬場山交差点からは旧道に入り、筑豊電鉄と交差して木屋瀬宿に至りました。(そのまま国道200号線を進んでも直方に行き着くのですが、せっかく長崎街道を辿っていくなら旧宿場は押さえておきたいですし、後述のサイクリングロードに早く入れるのもメリットです。)

結果論から言えばここは電動アシストを使ってよかったです。というか使うべきでした。黒崎駅を出た直後から延々と激しいアップダウンが続き、序盤なのにすっかり足腰をやられてしまいました。
また、幸の神交差点が歩道橋スタイルで迂回を強いられたので、すぐに国道200号に入るのではなく、しばらくは駅前通りをまっすぐ南下するのがよさそうです。

木屋瀬~飯塚

木屋瀬を過ぎたところで遠賀川河岸のサイクリングロードに入ります。彦山川が合流してくる直方河川敷公園から先は飯塚直方自転車道線として県道に指定されており、整備状況も良好。終点まで駆け抜ければそこが飯塚の市街です。

信号のない河川敷サイクリングロードはやはり快適だったのですが、誤って直方河川敷公園から彦山川を遡上してしまい、3キロほど引き返すハメになりました。停まる機会がないためなかなかミスに気付かないのは盲点でした。要注意です。

飯塚~筑紫

いよいよ九州の箱根と称される冷水峠に差し掛かります。天道駅付近までは旧道(県道473号線)を進み、以降はひたすら国道220号線を辿ります。峠を越えてしまえば、あとは重力に任せてひたすら下るだけです。

ここまで地道に標高を稼いできたこともあり、急な上りは冷水道路と分かれてから、それも意外にあっさりサミットに到達できました。ただ、車通りは多くないもののゼロではなく、トラックも何台か見かけたので、特に下りは細心の注意が必要です。

筑紫~鳥栖

原田の住宅街を抜け、シュロアモール筑紫野を通り抜けて国道3号線に出ると、いよいよ佐賀県に突入します。基山駅の手前で線路の西側へ移り、以降おおむね線路沿いを辿って鳥栖駅に至りました。

懸案の冷水峠を越えたので全区間で電動アシストを解禁。この区間は県境部を筆頭に細かなアップダウンが続くのですが、電動アシストの力で難なく乗り越えていけました。

鳥栖~佐賀

基本的に県道34号線をひたすら西へ向かうだけです。佐賀市に入ると県道34号線は北へ折れますが、そのまま直進すれば佐賀市街にたどり着きます。

早く着きたいの一心で、電動アシストを惜しげもなく使って飛ばしていきました。途中、吉野ヶ里のホテルにチェックインして大きい荷物を預けるとさらにスピードアップ。交通量が多いわりに狭い道で神経を使いました。


ここまでひと通り眺めて、あっさりとした印象を持たれたかもしれません。事実、私はもちろん長距離サイクリング未経験の同行者2名も終始「意外に行けるもんだね」と言いながら易々と走りきってしまいました。相応の準備は必要ですが、冷水峠越えを筆頭にさまざまな景色を楽しめますし、是非ともオススメしたいコースです。


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