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「あざとい人」は銀行員に向いてる人

私たちの周りには、日々「あざとい」と称される行動を見かけます。

最近では、この「あざとい」という言葉は、単なるネガティブなイメージに留まらない深い意味があるように感じます

先日、職場の女性陣が「あの人ってあざといですよね」という会話をしていました。

「あざとい」を悪い意味ではなく、むしろ「すごい」という意味で使っていることに少し驚きました。

たしかに、特別な環境では、この「あざとさ」が戦略的な行動として利用されることも少なくありません。

例えば、銀行員は、その典型的な例として挙げられるのではないでしょうか。銀行員は、信頼関係の構築や支持を集めるために、計算された行動を組織から期待されています。

今回は、銀行員の「あざとい」行動がどのように行われているのか、また、そのテクニックを私たちの日常生活にどう活かせるかを探ってみます。

「あざとい」とは?

「あざとい」という行動は、時に計算された無邪気さや、かわいらしさを演出することにより、相手の好意や関心を引き出すために用いられます。

日本の若い女性たちの間では、このような振る舞いはコミュニケーションスキルとして、一定の評価がされていると思います。

たとえば、意見をはっきりと言えない環境にあっても、柔らかく、かつ効果的に自己の意見を表現する方法として「あざとさ」を使うことがあります。

一般的には、自分の意図を隠して相手に好意を持たせたり、何かを達成するために巧みに行動することを「あざとい」といいます

この行動は、時として相手にとって望ましい反応を引き出すための、わざとらしい振る舞いとして批判されることもあります。

しかし、この「あざとさ」には、否定的な側面だけでなく、人間関係を円滑にし、スムーズなやり取りをサポートする肯定的な側面もあると考えます。

「あざとい」行動がどのように受け取られるかは、その背景や状況によっても大きく異なると思います。

営業職やサービス業などで働く人々は、顧客の好感を得て商談を成功に導くために、この技術を自然と使いこなしているケースが多い印象です。

具体的な「あざとい」の例としては、微笑や、タイミングのよい褒め言葉、相手の意見にとにかく同調する姿勢などが挙げられます

これらはすべて、相手に安心感を与え、警戒心を解いて、こちらからの提案や意見に耳を傾けやすくするための戦術といえます。

銀行員のあざといテクニック

銀行員が顧客との信頼関係を築くために使用する「あざとい」テクニックは様々ありますが、基本的には顧客に気づかれることなく効果的に機能することを目指しています。

銀行員が、よく用いる2つの典型的な手法を掘り下げてみます。

笑顔で名前を呼ぶ

銀行員は、定期的に訪れる顧客を迎える際、銀行に足を踏み入れた瞬間から笑顔で名前を呼んで歓迎します。

この行動は顧客にとって非常に心地よく、安心感を与えます。

例えば、顧客が「●●さん、いつもありがとうございます!」と明るく迎えられると、自分が価値ある存在だと感じます。銀行に対しても良い印象を持ちます。

他の顧客もいる中で、特定の顧客と親密になるのは好ましい行為ではありませんが、定期的に来店する高額所得者や高齢者には、このような振る舞いをする傾向にあります。

これは「定期的に来店する顧客」という立場が、名前を覚えてもらっている必然性につながっており、過度な振る舞いと相手に悟られる心配がありません。

リアクションと賛同

また、銀行員は顧客の話に対して積極的に反応します。共感や同意を示し、顧客の話を真剣に聞いていると感じさせます。

顧客は自分の意見や思いが理解されていると感じ、より深い信頼関係を築くことを考えてくれます。

具体的な事例として、銀行員が融資に関する相談を受けた場合が挙げられます。

顧客が自分のビジネスプランについて情熱的に語る際、銀行員は相手の話を理解できなくても頻繁にうなずき、時には「そのアイデアは非常に興味深いですね」といった言葉を挿入します。

このように顧客の話に対して具体的な反応を示すと、顧客は自分の考えが理解されていると感じ、銀行との信頼関係を深めます。

これも相談を聞くという姿勢が、「頻繁にうなずく」という行為の必然性につながっています。そのため相手に悟られることなく、信頼関係を構築できます。

銀行員の「裏の顔」

銀行員が顧客の信頼を得るために行う「あざとい」振る舞いは、表面上は親切で顧客優先のように見えます。

しかし、その背後には自己の利益を優先する意図が隠されていることを知っておいた方が良いでしょう。

例えば、笑顔で迎え入れた顧客に対して金融商品の説明をする際には、そのリスクを適切に説明せずに、特定の金融商品やサービスを強調し、顧客に不必要なプレッシャーをかけて早急に決断させようとするケースがあります。

笑顔で親身になって対応してくれている銀行員からの提案を拒否するのは、とても難しいと思います。

また、顧客が容易に把握しづらい金融用語を用いて話すことで、自分が専門的な知識を持っているという印象を与え、顧客を圧倒するのもテクニックの一つです。

銀行に相談に訪れた際、本来なら不適切な金融商品であるにも関わらず、専門的な金融用語を多用されつつ、商品のメリットを積極的に伝えられると、多くの人は正常な判断ができずに契約しがちです。

顧客にとって最適なアドバイスを心がけることは銀行員の重要な役割ですが、それが偏った情報提供によって損なわれることがあります。

テクニックを日常に活かす

銀行員の「あざとい」テクニックを日常生活に取り入れると、人間関係を改善し、より良いコミュニケーションの実現が可能です。

名前を覚えて笑顔で接する

人は自分の名前を呼ばれると心地よさを感じます。

日常の対話では、積極的に相手の名前を使用し、笑顔を心がければ、親しみやすさが増し、信頼関係を築くことができるのは間違いありません。

状況によっては、名字ではなく下の名前やニックネームなどを使うと、より親密さが増す可能性があります。

共感を示す

会話中に相手の感情や意見に対して積極的に共感を示せば、相手は「自分は理解されている」と感じ、よりオープンに自分の思いを共有しやすくなります。

これは職場でのコミュニケーションにおいて非常に有効です。

例えば、自分としては全く納得がいかない上司の提案や企画でも、とにかく「いいですね」「おもしろそう」と適当に共感の言葉を伝えておいて、最後に自分の考えを述べるのは効果的な手法です。

自分の話に共感を示してくれた相手に対して、話を聞かないというのは人間心理として難しいものです。上司、部下の関係でも、それは同じです。

また、仮に上司が自分の話を聞いてくれなくても、周りの同僚は上司ではなく、あなたに共感してくれると思います。

結論:「あざとい」は使えるテクニック

「あざとい」行動は決して悪い意味だけで使われるわけではありません。

むしろ、相手の感情や反応をよく理解し、その上で最も適切なコミュニケーション方法を選択する能力といえます。

仕事や日常生活において、効果的な人間関係を築くためには、このようなスキルが非常に有効であると理解できます。

日本の若い女性たちが活用しているのも、新たなコミュニケーションの形と考えられます。

また、銀行で働くと「あざとさ」は自然に身に付く可能性があります。

銀行の過酷なノルマを達成するためには、正攻法だけでは困難です。そのため、顧客に裏の顔を悟られずに近づくことがよくあります。

逆に考えると、「あざとさ」を自然に表現できる人は銀行員に向いている人でしょう。

ただ、「あざとさ」は若いときにしか使えないテクニックかもしれません。

なぜなら、私のようなおじさんが「あざとさ」だけを頼りに仕事をしていても効果が無いように思えるからです。

やはり、年相応の知識やスキル、経験をもとに提案するのがプロフェッショナルとしては必要でしょう。

「あざとさ」だけに依存することなく、様々な要素を自分のものにしていけば、どんな場所でもエリートになれるのではないでしょうか。

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