見出し画像

ワタシ的三島由紀夫像

三島由紀夫は結局のところ、太宰治著「斜陽」に出てくる弟なのだ。
「太宰治のような女々しい奴」と三島は嫌っていたようだが、それは自身の女々しさを見るようで嫌だったのだろう。
民主化の流れに抗い、貴族的な文化・生活へのノスタルジーを捨て切れず、最後の貴族の砦が天皇だったのだ。
ところが貴族的なものを破壊する、ある種乱暴な民衆のエネルギー(戦後民主主義・60年安保・70年安保)を前にして、彼は最後の譲歩をする。
東大全共闘との討論会で、天皇を認めてくれれば手を組もうと。
そこにはアッパークラスだった自らの幼少期と敗戦国の日本への屈折した愛情があったのではないか。
という仮説を立てて平野啓一郎氏の「三島由紀夫論」を読もう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?