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週刊金融日記 第478号 日本は海外投資と観光で食っていく、祝GPIF爆益37.8兆円、博多はマジで安くて美味しかった、アップル・デイリー廃刊と香港情勢、他

// 週刊金融日記
// 2021年7月6日 第478号
// 日本は海外投資と観光で食っていく
// 祝GPIF爆益37.8兆円
// 博多はマジで安くて美味しかった
// アップル・デイリー廃刊と香港情勢
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 日本はいよいよオリンピック開催ですね。これまでメルマガに書いたように、やってみれば意外と盛り上がる、と思います。コロナ禍で海外の選手が十分に準備をできていませんし、棄権する国もあるので、日本人選手の金メダルラッシュもあるかもしれません。どちらにしても、やるならやるで成功させてほしいですね。

★週末に行われた東京都議選では、大方の「予想」を裏切り、小池百合子知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が健闘しました。やはり百合子人気は健在で、都民は良くも悪くもより強いコロナ対策を求めているんですよね。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- アップル・デイリーが廃刊に追い込まれるなど香港の情勢に心を痛めております
- ビットコインで1億円ほど儲けましたが株へシフトさせ毎月積み立てはじめます
- 中国政府が仮想通貨を急に取り締まったのはなぜでしょうか
- 北陸地方在住の大学生ですが夏休みのおすすめリゾートバイトを教えてください

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.日本は海外投資と観光で食っていく

 僕の本業はこうした文筆業と自分のお金のトレーディングなので、商売道具は基本的にPCやWebサービス、あとはスマホとか、そんなもんなんですが、ご存知のようにスマホもラップトップもAppleというアメリカの会社のものですし、デスクトップPCは以前紹介したIntelのNUCを使っているのですが、これももちろんアメリカの会社ですし、OSもMicrosoftというアメリカの会社です。そして、それらのアメリカの会社にチップを供給するのは、台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)や韓国のSamsungですね。ディスプレイなんかは、昔は日本の製品は過剰スペックで品質はいいけど値段が高い、などと言われていたのですが、韓国のLGなんかのほうが性能が良い上に安いです。Webサービスは、Googleなんかはもちろんですが、僕が使っている証券会社はアメリカの会社ですし、とにかくこういうのはアメリカの会社が圧倒的に強いです。まだ、電子部品や電子部品の材料に関しては日本企業も強いのですが、とにかくこのIT時代に日本はボロ負けしました。ソフトウェアはアメリカ圧勝、ハードウェアに関しては高付加価値のものは台湾と韓国にボロ負けして、安いものや組み立てなんかはとにかく中国ですね。

『週刊金融日記 第397号 最高のWindows PC環境はこれで決まり』
『週刊金融日記 第457号 続・PC環境はこれで決まり』

 僕は教育関係の本など書いておりますが、僕が高校生のころから医学部は難しかったのですが、それは国立大学と一部の私立だけで、お金を出せば、いまでいう日東駒専レベルの受験スキルで入れる私立医学部はありました。しかし、いまでは田舎の国公立医学部でさえ東大理系よりも難しく、千葉大学とか横浜市立大学とかの首都圏の国公立になると東大より難しい、東京医科歯科大学ぐらいになると遥かに難しい、私立大学医学部にしても、学費が高い一番簡単なところでさえ早慶理系レベルでして、日本の勉強ができる理系の高校生は、とにかく医学部を目指す、ということになっています。なぜならば、世界の中で競争で負けている日本の製造業の大企業のサラリーマンになるより、医者になったほうがお金も稼げるしモテる上に、さらに会社を首になると窮地に陥るサラリーマンと違ってずっと安定しているわけで、当たり前と言えば当たり前ですね。日本の製造業や大学の研究レベルの地盤沈下は、このように優秀な理系高校生がみんな医者になる、ということがかなり関係していると僕は思っています。

●教育工学バックナンバー
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52121885.html

 昔は、僕もどうやったらこうした状況がよくなるか、などと言ったことを本や雑誌のコラムなどに書いたりしていました。当たり前ですが、こうしたことは、これまでの歴史とかいろいろ構造上の何ともし難い問題が積み重なっているわけで、そう簡単に変わるわけはありません。

『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』
http://amzn.to/2wdYno3

 ということで、日本は科学技術とか、そういう分野はもうダメじゃないか、と思うわけであります。仕方がありませんね。とはいえ、自動車産業はまだまだ世界のトップです。これも世界的な環境規制の流れで、電気自動車が主流になれば、いよいよ日本は科学技術をあきらめる、ということになると思います。
 しかし、心配いりません。そのことを今週は書こうと思います。

 まず、世界最大の年金基金である日本のGPIFが、めちゃくちゃな利益を叩き出しました。

●祝・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)2020年度運用収益+25.15% 37兆7986億円(金融日記 Weekly 2021/6/25-2021/7/2)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52190737.html

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