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⑦ドイツ生まれの哲学者、ハンナ・アーレントからの助言

ドイツ生まれの政治哲学者ハンナ・アーレント(1906-1975) をご存知でしょうか。


彼女はアメリカへ亡命後、全体主義を生みだす大衆社会を分析したことで知られ、複数の名著を残しています。


アーレントの分析によると、ナチス支配下のドイツで、多くの人がユダヤ人の虐殺を知りながらも現実から目を背け保身に走り上からの命令に従うだけになっていたそうです。


多くの人が自ら考えることを放棄し、社会の大きな流れに身を任せてしまったため、虐殺を止められなかったとアーレントは指摘しています。




『エルサレムのアイヒマン』

ユダヤ人虐殺の責任者オットー・アドルフ・アイヒマンが1960年5月、逃亡先で捕らえられ、1961年4月、イスラエルのエルサレムで裁判が始まりました。


彼は自分の行いについて「命令に従っただけだ」と証言したのです。


この裁判に関するレポート『エルサレムのアイヒマンー悪の陳腐さについての報告』を執筆したのがハンナ・アーレントです。


このレポートについて『名言英文法』から引用します。

The sad truth is that most evil is done by people who never make up their minds to be good or evil.
悲しいことに実は、たいていの悪は、善良であろうとか邪悪であろうといったことをまったく考えない人々によってなされるのです。

『名言英文法』Z会

つまり、アイヒマンのように自ら考えることなくただ命令を忠実に遂行していると、無意識のうちに悪に加担してしまう可能性があるということです。彼女はこれを「悪の陳腐さ(the banality of evil)」と呼びました。

『名言英文法』Z会

「ホロコーストは特別ひどい人間のやったことだ」という考えは、私たちにとって受け入れやすいものです。自分とは無関係な別次元の出来事として、切り離して考えることができるからです。それに対し、考えられないような悪を働く人も、私たちと同じ「命令に忠実なだけの凡人」であるというアーレントの主張は、人々にとって受け入れがたいものでした。

『名言英文法』Z会


いつの間にか悪に加担するようなことを避けるために、どうすればいいのでしょう?


アーレントはこのように述べています。

What I propose, therefore, is very simple: it is nothing more than to think what we are doing.
ゆえに、私がしようとしていることは非常にシンプルです。それは、自分が今何をしているのかを考えることでしかありません。

『名言英文法』Z会


自分の頭で考える

アーレントのレポートを読んで、どんなときも周りに流されず自分の頭で考えることの大切さを再認識しました。



キング牧師

2023年3月28日追記

アメリカの公民権運動家として知られるキング牧師(1929 - 1968)も同じようなことを言っていますね。

The ultimate tragedy is not the oppression and cruelty by the bad people but the silence over that by the good people.

『最大の悲劇は、悪人の暴力ではなく、善人の沈黙である。』



今の状況
もあの頃と似ているのではないかと私は感じています。
いつのまにか当たり前になったものがたくさんありますが…

ワクチン
PCR検査
マスク
消毒
黙食
ソーシャルディスタンス etc


2023年3月追記:
いつのまにか不審者と一般人がこんな風に入れ替わってしまいましたね↓


精神科医のJOYあや子さんの記事です。
恐ろしいのはウイルスではない。群衆なのだ。』
同感です。


是非ご覧ください↓


2023年6月追記:
沈黙することを選ばなかった女性の内部告発です。
彼女の勇気に感謝すると共に、身の安全を祈ります。



↓これが真実だとしたら「売れるためには仕方ない」で済まされることでしょうか。
メディアについても考えさせられます。


こちら↓もお読みいただけると嬉しいです。




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