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ミニカニ講座

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春のミニカニ講座④「うたう」自分の呪詞をつくりました

春のミニカニ講座④「うたう」自分の呪詞をつくりました

2023年3月30日は、ミニカニ講座④「うたう」でした。

かつて島では、言葉に呪力があると考えられていました。
動植物はもちろん石や木や森羅万象すべてのものに
霊魂が宿っていると考えるアニミズムの世界観の時代です。

言葉にも霊魂(言霊)があり、
言葉にだしたことは現実を動かす力があると考えられていました。

今回の講座の前半では、
どのように呪力のある言葉を使っていたのかをお話しし、
島で使わ

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春のミニカニ講座②「祈る」祈りの儀式を創りました。

春のミニカニ講座②「祈る」祈りの儀式を創りました。

2023年3月16日は、春のミニカニ講座②「祈る」でした。

まずは、奄美大島で行われていた
イジャシハジメ(出し初め)という産育儀礼について
ご紹介させていただきました。

イジャシハジメは生後7日目に
新生児を戸外にだし初めて太陽の光をみせる儀式です。
7日目までは悪霊がうろついているため
親子は産室にこもっていないといけないとか。

イジャシハジメの日の朝には
蓋付きの椀に元気な子蟹を3、4

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春のミニカニ講座①「うまれる」うまれました。

春のミニカニ講座①「うまれる」うまれました。

2023年春のオンラインミニカニ講座がいよいよはじまりました!
本日は第1回目「うまれる」でした。

まずは、わたしの大好きな民俗学者で文筆家の谷川健一さんの、
「海の夫人」の一節を題材に、「うまれる」にまつわるカニのことに
思いを馳せました。

この部分を読まれた参加者のおひとりが絵が描けそうとおっしゃっていました。
古代の人々の世界観、死生観がイメージできる、わたしのとっても好きな文です。

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彼女は煙草片手に「脱皮ってけっこう疲れるんだよねー」と目を細めて言った。

彼女は煙草片手に「脱皮ってけっこう疲れるんだよねー」と目を細めて言った。

9月22日のミニカニ講座は、
「脱皮」がテーマでした。

まずは、
「かつては人間も脱皮していた」という記述のある
宮古島の昔話や豊年歌を紹介しました。

そして、
参加者それぞれにとっての「脱皮」について考えてもらったり、
「わたしは脱皮ができる人間です」という書き出しでライティングをしたりして、
「脱皮」について思い巡らせました。

・脱皮は疲れる
・脱皮は不純物を身体の表面に集めてその皮を脱

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わたしたちが脱皮しないはずがない 〜単発ミニカニ講座やります〜

わたしたちが脱皮しないはずがない 〜単発ミニカニ講座やります〜

南島では、
脱皮や雛の孵化のことを「スディル(巣出る)」といい、
新しい生命の出現を意味したといいます。
蛇やカニのように脱皮をする生きものは
死と再生を繰り返す不死の生き物として
一目置かれていたようです。

最近調べ物をしていて
おもしろいことがわかりました。
宮古島の昔話によると
かつて人間も脱皮する能力があったというのです。
ある時、人間は蛇との競争で負けて
その能力を奪われたとか。

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ひょっこり出会える偶然は必然で大きな流れの中に布置されたもの

ひょっこり出会える偶然は必然で大きな流れの中に布置されたもの

第11回目(8月25日)のミニカニ講座は、
「夜空とカニ」がテーマでした。

夜空とカニといえば、やはりかに座!

かに座にまつわる物語や神話、
かに座の真ん中にある星団について
お話ししました。

例えば、蟹座は
中国では、不吉な星座とされている一方で 
インドや古代エジプトでは吉兆の星座とされています。

そんな風に
古代の人たちは
星空を眺めながら
いろいろなものをみて
想像を膨らませたのだ

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世界にはバランスが大事

世界にはバランスが大事

第10回(8月18日)のミニカニ講座は、
「カニと昔話」でした。

今回は、宮古島に伝わる「蟹報恩」のお話を扱いました
宮古島付近には、カニの針突紋様が伝わっていたりして
琉球弧の他の島々よりも
カニ色が濃いイメージがあります。

「蟹報恩」のお話は、
ツルツルの大ムカデ(山んかざ)に狙われている娘を
その娘の家の豚の餌を食べていたカニが
群れになって助けるというお話。
山んかざの足を一本一本カニ

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脱皮するのはいいもんだ。

脱皮するのはいいもんだ。

第9回目(8月11日)のミニカニ講座は、
「カニの自切と再生のお話」がテーマでした。

まずは、
カニが敵に襲われた時などに、
手足を自分で切る「自切」について話しました。
とれたカニの足やハサミは脱皮によって再生します。

なくなった手足を再生するなんて、
脱皮の時は、
すごいエネルギー使うのでしょうねえ。

南島では、
脱皮や雛の孵化のことを「スディル(巣出る)」といい、
新しい生命の出現を意

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カニは生と死のあわいを這いまわる

カニは生と死のあわいを這いまわる

第8回目(8月4日)のミニカニ講座は、
「出産とカニ」がテーマでした。

出産とカニのことについて調べていくと
いろんなことが芋づる式に
わさわさとでてきて
広大な芋畑で芋づるに足をとられながら
歩いている気持ちになります。

今回はまず、
海の彼方にある他界と
自分たちの住む現世と
世界をふたつにわけて考える
古代の世界観についてお話ししました。

他界と現世の間の境界が渚であり、
かつて、産屋

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暮らしの中にうたを!

暮らしの中にうたを!

第7回目(7月28日)のミニカニ講座は、
「魔除けのためのカニのうた」がテーマでした。

まずは、奄美の「うたあしび」のうた掛け文化や、
言葉には霊力があると考える「呪言(クチ)」について
お話ししました。

暮らしの中に歌があって
日常的に即興でうたを掛け合っていたという
島の人たちのなんと創造的なことでしょう!

しかし
他集落との「うたあしび」では、
うたを通して相手に呪いをかけることもあっ

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「横に歩くとやさしくなれる。横に歩くと景色が変わる。」

「横に歩くとやさしくなれる。横に歩くと景色が変わる。」

第6回目(7月21日)のミニカニ講座は、
「カニの横歩きについて」というテーマでした。

まずは、
カニが横歩きしやすい構造であることや
実は前歩きもできるということ。
中国では、
カニが横歩き故に
文人に好まれたことなど
お話ししました。

その後のワークでは、
各自、実際に横歩きをしてみて
自分なりの横歩き方法を開発。

マイムマイムのような横歩きや
ジャンプ型の横歩き
ちょこちょこ横に歩きな

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「わたしはカニです。子どもの頃はけっこう苦労しました」

「わたしはカニです。子どもの頃はけっこう苦労しました」

第5回(6月30日)のミニカニ講座は、
「奄美に伝わるカニの昔話」でした。

奄美で語られた「さるとかに」という昔話を題材に、
その登場物を一つ選び、
その物になって文章を書いてみる、という試み。

今回は、
カニや猿だけでなく、
物語の中に登場する鎌や、カニ穴の言葉も
聴くことができました。

誰も知らなかった
カニ穴の秘密が明かされた気もしましたし、
鎌の優しさにも触れました。
カニや猿の心の

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オカガニ氏登場!

オカガニ氏登場!

第4回目(6月23日)のミニカニ講座は、
「カニあわ絵」のアートワークをメインに行いました。

身体をゆるめて
自分の内側に目を向けて
カニあわのように浮かんでくるものを
画用紙に描き、言葉を紡ぎます。

なんと今回はワークの最中に珍客が現れました。

わたしのオンライン仕事中には
普通は声をかけない夫が、
切羽詰まった声で呼ぶのです。
緊急事態かもしれないと心配になり
ワークを中断して駆けつけま

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もっとkaniと仲良くなりたい!

もっとkaniと仲良くなりたい!

第3回目(6月16日)のミニカニ講座は
「カニのうたは魔除けのうた」でした。

その昔
島では森羅万象すべてに神が宿るとする
アニミズムの世界観がありました。
山に入る時、夜道を歩く時、海に出る時など、
精霊に悪さをされないように、
新しい着物を着る時、喉に魚の骨が引っかかった時など、
守ったり助けたりしてもらえるように、
人々は、言葉の力を使っていました。
島ではそれを「呪言(クチ)」と言ってい

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