プロダクト成長の基盤となる強いグロースチームをつくるための3つのポイント
プロダクトを伸ばしていく上で数値分析や改善施策の方法論を正しく理解することも重要ですが、それらのアクションを実行していく基盤となる強いグロースチームを構築することが非常に重要です。
このnoteでは強いグロースチームをつくる方法を、以下の3つのポイントに沿って解説していきます。
1. 木を見て森も見るしくみをつくる
"グロースに慣れてきた頃あるある"として、データに深く潜りすぎて、サービス体験全体の改善ではなく部分最適に走ってしまったり、いま自分たちがどこにアプローチしているか分からなくなることがあります。
俗に言う「木を近くで見すぎて、森が見えなくなる問題」です。
この問題は、1つのマインドセットと3種の神器で全体像を見失わないようにすることで解決できます。
■ 1つのマインドセット
グロースとは突き詰めると、会社の売上を最大化することです。
そして売上とは、ユーザー数 × エンゲージメント率 × マネタイズ効率、というシンプルな構造になっています。
こうしたシンプルなグロースのモデルをチーム全員の頭の中に持っておき、その中でどこにアプローチするのが全社売上を上げることに繋がるのかを常に意識することで、絶えずチームで大局観を持ちながらグロースに向き合うことができるようになります。
■ 全体観を持ち続けるための3種の神器
次に、全体像を見失わないための3種の神器を紹介します。
■ 最高・最悪のユーザーフロー
1つ目の神器は、「最高・最悪のユーザーフロー」です。
ユーザーの体験の流れとして、最高と最悪を定義することで、あるべき姿と直すべき課題を俯瞰で整理することができます。
そして、整理した最高・最悪のユーザーフローに定量的な情報も加えて、どこに手を加えたときに最もUX改善のインパクトが大きいかを俯瞰で把握するようにします。
「最高・最悪のユーザーフロー」を活用したサービスグロースについては別途noteに詳細に解説しているのでご参照ください。
■ KGI・KPIツリー
2つ目の神器は「KGI・KPIツリー」です。
以下のようなメトリクスのピラミッド構造を整理することで、「いまこのKPI改善に注力しているのは、このNorth Star Metricを改善することで、そのことで最終的のこのKGIを改善しようとしているんだ」という全体像をチームで共通認識を持つことができます。
North Star MetricとKGI、KPIの設定については以下の記事で解説しているので、詳細はこちらの記事をご参照ください。
■ タスクフロー
3つ目の神器が「タスクフロー」です。
ユーザーの体験フローを分岐も含めて整理するものになります。
各施策を打つ際に、この全体のフローが煩雑にならないようにチェックしましょう。
グロース初心者がよくやりがちな間違いとして、部分的な施策を打って手元のKPIは改善するものの、全体の体験フローが煩雑になってしまい、結果的に全体の指標は改悪されてしまう、というのをよく目にします。
そうした間違いを避けるためにも、必ずチームで自社サービスのタスクフローをつくり、そのタスクフローを随時アップデートしながら「構造的な美しさ」を維持しながらプロダクトを成長していけるようにしましょう。
タスクフローとIAを用いた全体設計については以下noteで詳細に解説しているのでぜひご参照ください。
また、構造的な美しさを保つ=プロダクトの複雑性を最適化し続けることの重要性と方法については以下記事にまとめているので参考にしてみてください。
2. チームのリズムと空気をデザインする
良いグロースチームとは、リズムが良いチームです。
そして、リズムが良いチームとは、絶えず打ち手を繰り出せているチームです。
では絶えず打ち手を出し続けるためにはどうすればいいかと言うと、
リリースの周期を先に決めしまい、それに施策やチームの動きを合わせるのが一番です。
周期をまたぐ施策は分割して、毎回の周期で必ず何かしら打ち手を出せるようにします。
例えば以下の例では、1回の周期を2週間と設定し、その中で開発可能な施策を当てはめていって、絶えず施策を打てるようにします。
そして良いリズムをつくる上で欠かせないのが、小さな勝利を祝うことです。
グロースは先が見えない、終わりのない戦いです。
したがって、小さな勝利を積み上げ、その勝利によってチームを鼓舞し続けるのが非常に重要です。
週次で実験の振り返り(Experimentation Reviews)を行い、少しでも改善が見られたらチームで祝いましょう。
3. グロース人材は中から育成する
「グロースの経験がある良い人いませんか?」という相談を企業からよく受けます。
結論、そんな人はなかなかいません。
なぜなら、グロースに強い人はすでにどこかの会社ですでに楽しそうにやっているか、自分で起業してしまっているからです。
したがって、自分たちのチーム内にグロースに強い人材を持つためには、中の人材を育てるか、もしくは自分がなるしかありません。
とはいえ闇雲に勉強してもプロダクトやグロースの能力は身につきづらいです。
その学習のサポートとなる学習ロードマップをすでに公開しているので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。
まとめ
グロースにおける強いチームとは、基本的なメソッドや知識は抑えた上で、広い視野を持ち、安定したリズムで実験を続けられるチームです。
ぜひこの記事を参考に、強いグロースチームの構築を目指していって頂ければと思います。
この記事は「中上級者向けのグロースガイド」シリーズの3本目のnoteになります。(3記事目の投稿まで約2年空いてしまいました笑)
グロースに関心がある方はぜひ1~2記事目もチェックしてみてください。
さいごに
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