海燕(ライター)

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海燕(ライター)

オタク/サブカルチャー系の記事を執筆。お仕事に関するご連絡は〈kenseimaxi@mail.goo.ne.jp〉まで。マルハンさまのウェブサイト「ヲトナ基地」にて記事掲載中。 https://www.maruhan.co.jp/east/media/

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宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった人のためのネタバレ謎解き。+おまけ記事30000文字。

 昨日、宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来、10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』が公開されたので、ひとりのアニメファンとして当然ながら初日初回で見てきた。  個人的にはリッチなアニメーションと幻想的なストーリーテリングを楽しんだが、予想通りというかいつものことというか、ネットでは賛否両論である。  それ自体はおおよそ想像できた展開ではあるのだが、予想外だったのは「ストーリーがわからない」という意見だった。  たしかにとっつきの良いわかりやすい娯楽大作とはいいがたい映画

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    • 2024年5月24日のオタク情報発信

      こんばんは。 おかげさまで、「ヲトナ基地」にアップした記事は人気記事ランキング2位になりました。1もぼくの記事なのでワン・ツー制覇です。数日後にもう一本記事が載るので、それでワン・ツー・スリーになれば良いのですが、それはムリだろうな。さて、きょうも情報発信です。 「前週比1960%で学園アイドルマスターが初登場1位。28万回のつぶやきを集めた理由は?」なんかこの理由はちょっとズルいのではないかと思ってしまいますが、まあ1位は1位。ゲームの方も面白くて基本的に評判が良いので

      • マルハン東日本のウェブサイト「ヲトナ基地」に異能バトルマンガと特殊設定ミステリを絡めた記事を掲載した。お読みいただければ。 https://www.maruhan.co.jp/east/media/new/1413/

        • 2024年5月23日のオタク情報発信

           こんばんは。  『学マス』やっています。なんか「やよいやん!」とか「千早さんですか?」みたいなキャラクターがたくさん出てきて楽しい。まさにこれぞ令和の『アイドルマスター』。  ただ、このゲームをやっているとスマホがめちゃくちゃ熱くなるので何か不安。モデリングすごいからねえ。 「【ライトノベル最新動向】「薬屋のひとりごと」旋風が落ち着き、バリエーション豊かなランキングに」 オワコン扱いされることも少なくない文庫ライトノベルではあるけれど、こうしてみると面白そうな作品も色

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        宮崎駿最新作『君たちはどう生きるか』を理解できなかった…

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          2024年5月22日のオタク情報発信

           こんばんは。本日も情報配信します! そういえば、きのうから『学マス』を始めたのだけれど、さすがに面白い。初代『アイマス』を連想させるキャラクター設定ながら最新のリファインがほどこされていて、いかにも令和の『アイマス』って感じ。そのうちアニメとかになるんでしょうね。 「スタジオジブリにカンヌで名誉パルムドール授与!宮崎駿監督もビデオで登場」 名誉パルムドール、そんな賞があるんですね。アカデミー賞に続き、社会的テーマの強い文芸映画に偏った印象のカンヌでの受賞は快挙なのでは。や

          2024年5月22日のオタク情報発信

          2024年5月21日の情報発信

           Twitter(X)で毎朝、オタク系の情報発信を始めたのだけれど、せっかくなのでnoteにも掲載しようかと。「つぶやき」では予約投稿できないので、「テキスト」で発信します。 ①<#推し読>幅広い世代から愛される少女漫画「カードキャプターさくら」  たしかにヴィジュアル的な華麗さ、可憐さは印象的なのだけれど、『CCさくら』のひとつの魅力は「愛こそすべて」というCLAMPの思想が貫かれている点にもある。真の意味で「何でもあり」の傑作マンガ。 ②「「デューン」の世界がさらに

          2024年5月21日の情報発信

          結婚して妻子を養うことこそが「男の幸せ」なのか? 独身男性の幸福を考える。

          【ある弱者男性の告白】  トイアンナさんの著書『弱者男性1500万人』から、一部が公開されている。  以前にも書いた通り、この本、基本的にはいままでフォーカスされなかったところに光をあてたなかなかの良書だと思うのだが、一方でひとりの弱者男性であるぼくとしては、いっそ面白いくらい共感がない内容でもある。  この本に登場する弱者男性たちひとりひとりはたしかにつらい境遇にあるとは思うのだが、ぼく自身は同じような状況にあってもとくにつらくないので、エンパシー(他人と自分を同一視

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          火の時代を生きる氷の少女たち。フェミニズムに失望したあなたを魅了する新世代ヒロイン群像を徹底解説してみた!

          【ほむらの時代】  刮目し見よ、火の世紀は来た。過去の常識や法則が音を立てて乱れ、崩れ、滅び、まったく新しい芸術と物語とが轟々と燃えさかる焔の時代。  21世紀の開幕からはや幾十年が過ぎ、世界はいまや革新の時を迎えている。そして、また、この混沌とした世情にあって、内面の苦悩と過重な責任を抱え、いまひとつ冴えない様子のヒーローたちに代わって出色の活躍を見せるのが、かつては塔のうえの姫君よろしくただ護られるだけであったヒロインたちである。  彼女たちは一様に重たげなドレス

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          同人読者がどくさいスイッチを押すとき、あるいは「庵野、殺す!」の犯罪心理学。

          「あきらめるもんか」彼は低声で言った。「聞こえるか? ぜったいにあきらめないぞ」 スティーヴン・キング『ミザリー』 【非論理的な妄説なのか?】  はてな匿名ダイアリーに投稿された「同人女として、男性サークルへの毒マロが理解できてしまうので解説する」と題した記事が話題になっている。  というか猛批判を受けて大炎上している。燎原を焼き尽くす猛火のごときいちめんの火の海、とでもいうべきか、すさまじいまでの燃えっぷりである。  まあ、それはそうだろう、というべき内容なのは間

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          『異世界車中泊物語』は「ご都合主義異世界ファンタジー」の限界を乗り越えられるか?

          【ただの「異世界もの」に見えるのだが……】 マンガ『異世界車中泊物語』の最新刊である第四巻を読みました。これが、意外にといっては何だけれど、面白い。  タイトルやあらすじだけを見たならよくある「異世界もの」のバリエーションのひとつでしかないように感じられるのだけれど、どういうわけか胸に迫るものがあるちょっと不思議な作品です。  むしろ、この手の「異世界もの」に飽きてきている方にこそオススメしたい、そういう物語だといって良いでしょう。  ただ、そうかといって、それではどこ

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          『異世界車中泊物語』は「ご都合主義異世界ファンタジー」…

          「〈天才〉と呼ばれる作家の本質とは? 永野護という名の反骨のロックスピリット。」

           いつの時代も創作の世界には群を抜いたクオリティの仕事を軽快に成し遂げ、畏怖と尊崇を込めて〈天才〉と称される作家がごく少数ながら実在する。マンガ『ファイブスター物語』、映画『ゴティックメード』などの作品で知られる永野護もそのひとり。  若くして『機動戦士ガンダム』の「あの」富野由悠季に見出されて『重戦機エルガイム』のキャラクター及びメカニックデザインを努め、その後は雑誌『ニュータイプ』で『ファイブスター物語』の連載を開始、絢爛と華やかな世界を描き出して各界から注目を受け、連

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          「マンガ原作の実写邦画は駄作ばかり」というウソ。成功作と失敗作を分かつものは何か。

           いうまでもないことだが、わが国には色々な文化がある。  そのなかには能や歌舞伎のように長い歴史と伝統を誇るいわゆる「伝統文化」もあれば、ロックミュージックのようにわりあい歴史が浅く、その代わり広く深い人気を誇る「ポップカルチャー」もある。  それらはそれぞれ異なる個性を持ち合わせており、あたりまえのことながら優劣をつけることは容易ではない。  しかし、もし、そういった数々の文化のなかから、国を代表し世界に誇れるカルチャーをひとつ選ぶとするなら、わたしの場合はこう答える

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          山本弘追悼記事が中断していますね。ごめんなさい、いま書いています。最後まで書き切る意思はあるので、続けて読んでおられる方はもう少しお待ちください。よろしくお願いします。

          山本弘追悼記事が中断していますね。ごめんなさい、いま書いています。最後まで書き切る意思はあるので、続けて読んでおられる方はもう少しお待ちください。よろしくお願いします。

          リアル弱者男性ライターが読む『弱者男性1500万人の時代』。

           弱者男性。  「弱者」と「男性」、一見するとなじみづらい、相反するとすら捉えられがちであるかもしれない概念をひとつにしたこの造語は、いま、ネットをうろつき回っているとしばしば見かけるようになった。  その時々で肯定的な文脈であることもあれば、否定的な使われ方をしていることもある。そのことそのものの是非は措くとしても、とかく、対立や議論の焦点となりがちな言葉であるのだ。  しかし、その一方、言葉ばかりが広く流通し、実態がどうなっているのかはあまり知られていない。その空隙

          リアル弱者男性ライターが読む『弱者男性1500万人の時代』。

          【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第五回:完結編①)

           第五回である。  こんなに続く追悼記事もあまりないかもしれないが、ここまで来たら最後まで書き切るより他にない。まだつきあってくれている少数の読者さんたちには最大の感謝を表します。  さて、前回は「人間の愚かさ」を極限まで追求し告発する平井和正が提唱した「平井のテーゼ」を山本弘がどのように継承していったのか、そしてそこに発生した欺瞞について簡単に記した。  『アイの物語』では、象徴的なことに理想的な存在としてのマシンたちがさまざまな「お説教」を展開してくれたわけだが、他

          【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第五回:完結編①)

          【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第四回:小説作品編後編)

          【「平井のテーゼ」】 第四回である。今回もまた初めに謝っておくが、当然のごとくこの第四回でもまだシリーズは終わらないのだった。  どうやら過去四半世紀でぼくがネットに書いてきたなかでも最も長い記事になりそうである。こうなったら行けるところまで行ってしまうしかない。最後までブレーキを踏むことなくアクセス全開で駆け抜けるとしよう。  さて、前回は『8マン』や『ウルフガイ』などの作品で知られる作家・平井和正の名前を出したところで終わっていた。  山本さんはこの作家の影響を大き

          【追悼:山本弘さん】ぼくが世界でいちばん好きでいちばん嫌いな作家、山本弘とは何者だったのか。(第四回:小説作品編後編)