伽戸ミナ

【短歌・詩を毎日載せています】第14回角川全国短歌大賞佳作/『ココア共和国』に詩が掲載…

伽戸ミナ

【短歌・詩を毎日載せています】第14回角川全国短歌大賞佳作/『ココア共和国』に詩が掲載される/自転車には乗れない

マガジン

  • 詩集『閑文字』

    伽戸ミナがつくった詩を載せています。読んで頂けたらうれしいです。

  • 短歌集『一輪挿し』

    伽戸ミナがつくった短歌を載せています。読んでいただけたらうれしいです。

  • エッセイ集『文字を立てず』

    伽戸ミナが書いたエッセイを載せています。読んでいただけたらうれしいです。

最近の記事

せんぷうきほどのまじめさがほしい

もう拝まないでくれ、もう拝まないでくれ 一月一日は朝を配るたびに祈りを返されて申し訳なくなる わたしはあそこにいる新聞配達のお兄さんと何も変わらないのに 世界平和とか背負わせないでほしい 「太陽がこのまえそう言ってたんだよね」と たまたま隣に座った月から聞いた 隣のアパートが無くなったから立ち寄れるようになったらしい ホコリが自分は美しいものであるかのように舞っている ぼくはそれを美しいと思った せんぷうきほどのまじめさがほしい それを太陽ではないなにかに向けて祈った ==

    • 梅雨入り前

      襟元がよれよれだよと言ってくる人と過ごす梅雨入り前 ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

      • 一号車

        「一号車の一番前に乗ってるよ」へぇ売店ない方が一号車なんだ ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

        • トンネル

          スターになるそう言って突っ込んだトンネルは暗くて長くて蛇行している ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

        せんぷうきほどのまじめさがほしい

        マガジン

        • 詩集『閑文字』
          190本
        • 短歌集『一輪挿し』
          582本
        • エッセイ集『文字を立てず』
          7本

        記事

          再生

          目が濁っていなかった頃に見た富士山は 今でもわたしの瞼に残っています 夢のために耐えている人に憧れたのに ただなんとなく耐える人間になっていました 冬になると肌は冷気で切りつけられ血が流れる それなのに血が流れていないと肌を切りつけて ようやく今年も冬がやってきましたね、と火鉢にあたる 気持ちの悪い笑顔で 汚さしか見えなくなってしまいました 汚さがないと白さが分からなくなってしまいました だからここにもう一度漕ぎ出しに来ました ================== 読んで

          漂流

          脚で挟んだひんやりと動かない布団 いのちあるあたたかな動きをするものがない部屋 この部屋でもっとも生きものめいているのは 天から長く長く垂れ下がっている月の光 羽のさきっぽのうまれたてみたいな毛で わたしの顔の表面だけをなでつづける 身体の表面だけをくすぐりつづける この腕の中で眠るものが欲しいと思う気持ちは 恋と呼んでもいいのだろうか? ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          開錠キー

          三人がセミダブルベッドでつながって開錠キーはシックスシックスシックス ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          開錠キー

          みせるためのはね

          エメラルド、サファイア、パール、アンバーの翅開かれる蝶の標本 ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          みせるためのはね

          500

          500回素振りしていたグラウンドはじけた汗で天の川銀河 ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          生きていればいい

          乾燥した皺だらけの無数の手が 僕を生きられるように改造していった 一瞬で無数の手に全身を掴まれたかと思ったら すぐに離れて、その時には僕は呼吸ができるようになっていた 空気を吸うって、広辞苑を呑み込むみたいで、 とても苦しくて、空気の無い海中に飛び込んだら 無数の手がまた一瞬で全身を掴んで 僕を鰓呼吸に改造した ナイフを取るのもロープを取るのも 手の本数で負けてしまいさきに奪われてしまう 屋上から飛び降りても 空から無数の手が矢のように伸びてきて 僕をがんじがらめにしていのち

          生きていればいい

          炭酸に沈む

          スパークリング濃い紫の長い夜で見て見ぬフリしたいじめの記憶が ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          炭酸に沈む

          騒ぎなよ

          騒ぎなよ絹のように細かい雨今日は部屋に籠もっているから ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          暗殺に使われた

          暗殺に使われたという直刀をかぶりつきで見ている六歳 ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          暗殺に使われた

          ときめきの名札

          ときめきの名札を下げて司令部に侵入成功作戦開始 ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          ときめきの名札

          トップランナー

          「いい感じ」の代わりにブロックくちにふくむ現代ハイハイのトップランナー ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          トップランナー

          小料理店が見える席

          二人きり小料理店が見える席で舞台の感想をふきこぼす ================== 読んでいただきありがとうございます。 スキやフォローもしていただけるとうれしいです。

          小料理店が見える席