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4月のSSS

ディナーのうさぎさん(ウサ耳おっさん剣士小話)

お肉が嫌いな兎さんたちのための、シェフが腕によりをかけた兎さんのためのフルコース。 前菜 チコリの小さな船に色々野菜の刻んだピクルスをのせて 色々野菜のミルフィーユゼリー寄せ スープ ジャガイモとトマトの2色のスープ
メイン 茹でたホワイトアスパラに白いソース、半熟卵添え あま~いニンジンのバターステーキ ほくほく茹でたジャガイモに溶けたチーズをかけて デザート 各種野菜のパウンドケーキの角切りカラフルトライフル、カシスのアイスクリームを添えて
兎さんたちきゃっきゃっ~ まあ、旦那さん達は別にステーキのテーブル囲んでますからw
やさいばっかりでは栄養が心配なので、さりげに卵やチーズや乳製品をつかうシェフですw

勇者とセロリと妻(ウサ耳おっさん剣士は~)

狼族は肉食ではあるが、野菜だって食べられる。 ノクトはただしき王子、ただしき勇者として好き嫌いなくなんでも食べてきた。 が セロリだけはダメなのだ。 しかし、本日の朝食にそれを使った前菜が出た。上にのっかっている生ハムはいい。が下にセロリ、セロリ。
招かれた領主の館にて、残すのは失礼にあたる……と。おもったら、目の前の皿がとりあげられた。 スノゥだ。 生ハムだけを自分の皿からノクトの皿に、そしてセロリを自分の皿へと移す。
「……失礼、セロリは好物なのですが、どうも生ハムは苦手でして。夫に食べてもらいます」
しらりと答えるスノゥに領主は「これは気付かず」などと恐縮しているが、スノゥはにっこりと微笑み。
「いえいえ、こうして私が苦手なものは、夫が食べてくれますので」
生バムをむしゃむしゃ食べながら、良い妻をもらったとノクトは思った。 ちなみにスノゥも生ハム苦手ですw

スノゥが生ハム苦手な理由。 生肉なんて食えるか!! いやいや、生っぽいだけなんですよ。 ……同じ理由でスモークサーモンとかも苦手w

寝起きの白兎(ウサ耳おっさん剣士は~)

「ぷぅ……」
朝のベッドにて、ぎくりと黒狼の夫は身をこわばらせて、見た。 「ぷぅ……」
白兎の年上妻はベッドにへたり込んで目を据わらせている。おそるおそる近づけば、その腕にお耳をすりつけた。
「ぷぅ……」
「まだ眠いのか?」
「ぷぅ……」
寝起きのよいはずの妻は時々こうなる。ようするに……。 昨日は散々しつこかったな!まだ眠てぇんだよ! となる。
「ぷぅ……」
そのまま腕のなかで目を閉じて二度目を決め込んだ、妻を愛おしくみた。 あとで「ぜってー忘れろ!」と叫ぶのも予想できて、黒狼の口許に笑みが浮かんだ。
年上妻も年下夫に甘えますよ~。


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