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古い本の秘密

私は古い本が好きです。
漢字も昔の漢字を使っていて、文章も、文語体で書いてあれば楽しんで読めます。
その中で、少し紹介します。

元々、「野上弥生子」を調べていて、集めた本です。

カバーも付いています
パラフィン紙まで付いている
この文体が好きです
昭和15年です❗️

で、ここで発見したのですが、この奥付に、「野上のハンコ」が押してあるのです。
それも朱肉で、押してあります。

気になったので、持っている他の本も見てみました。

こういう本も持っています。

野上弥生子と、宮本百合子は仲が良かったらしいです

この本にも奥付に、「宮本のハンコ」が押してあります。

井伏鱒二、尾崎一雄、林芙美子
上林暁、伊藤整、坪田譲治

この本の代表は、井伏鱒二で、やはり「井伏のハンコ」が押してありました。
この2冊は、多分別紙にハンコを押して、切って貼ったものみたいですが、昔は、作家が、ハンコを押していたのでしょうね。
その事に、感心しました。

これは、「著者検印」というものだそうです。
著者検印とは、奥付部分に押されていたハンコのことで、発行部数の確認のため、著者が著作本の奥付などに押印または押印した紙片を貼付する制度で、明治14(1881)年に文部省が教科書の偽版(海賊版)に対する対策として検印紙を貼ったのが最初だったそうです。
海賊盤が横行していたという事です。
その後、昭和34年(1959)に岩波書店が検印を廃止したことがきっかけとなり、現在ではほとんど行われていないそうです。
廃止後、まもない頃は、わざわざ奥付に「著者との合意により検印廃止」と記されていましたが、今ではその記載さえ見かけなくなったようです。
それにしても、出版する本全てにハンコを押していたなんて!
出版社も作家さんも努力していたんですね❗️

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