「治す医療」と「支える医療」
私は医療には「治す医療」と「支える医療」があると考えています。
私が医者になった頃、上級医から「患者が亡くなっても、ご家族の前で泣いてはいけない。ご家族が一番つらいのだから」と教えられました。今思うと、これは医者と患者家族との間にあえて一線を引くということであり、当時の医師には必要だったのかもしれません。それは「治す医療」だったと、今振り返って思います。
「治す医療」とは、患者を治し施す医療のこと。救急医療は、その最たるものだと思います。患者の命を救うために医療技術の粋を尽