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「無能な上司」は本当に無能なのか?

最近、「上司は出世を続いた結果能力の及ばないところまで上がり、降格しないからそこに無能なまま居座り続ける」みたいな話が出てますが。で、「職階」によって必要な能力は違うけどできるかどうかはやってみないとわからないのでランダムにいろんな人にやらせてみるべし、みたいな結論だった気がしますが。
位が上の人を「無能」と断罪してしまうことは大衆受けするでしょうが、現場に良い影響はない気がします。そもそも昇進するということは以前のステージを卒業してもう一つ広い仕事ができると判断されたはずなので、「無能」というのはあまりにも解像度が低いと思います。あくまで人事の人ではない門外漢のひとりごとですが個人的に分析してみました。

まず、「長」に必要な能力ですが。ざっくり5つあると思います。

① 他部署、上司、外部との調整力
② チームを一つの方向に導くリーダーシップ
③ チームの仕事を円滑に回す運営力
④ チームメンバーを育てる育成力
⑤ 個人で結果を出す能力

さて、これらの能力をすべて十分に持ち合わせた人間などそうそういるものでしょうか?
当然、めったにいないと思います。だから「無能な上司」ということになるのでしょう。

ですが、無能だから別の人に交代すればうまくいく、と言えるのでしょうか?確かに場合によってはツボにハマることがあるでしょう。どんな場合にうまくいく?
それは、「長」に足りないマネジメント能力をチームメンバーが肩代わりできる時ではないでしょうか?③、④あたりは特に課長クラスで強く要求されるもののなかなかそこまで上手にできる人がいないように感じます。そこで重要になるのが「副」や「補佐」だと思います。チームの性格と「長」の能力を見極めて①〜④のうちの足りない部分を「補佐」が埋める。「長」一人にマネジメントを丸投げするのではなく「副」「補佐」を含めた運営チームとしてマネジメントをしていく、そういう視点が抜けていると思うのです。
もちろんこの人事を行うには個人の能力とチームの性格に関して高い解像度が要求されます。そしてどの仕事にどんな能力が必要なのかという仕事の解像度も。特に日本は仕事の解像度が低いまま現場の個人に丸投げしている印象がありますが、人事とは外枠のないジグソーパズルです。完成形のイメージがなければ適材適所の「適所」がそもそも決まりません。とても大変ですが、ここをしっかり乗り越えてメンバーが迷いなく能力を発揮できる環境を作りたいですね。
日本から「上司ガチャ」なんて言葉が無くなることを願って
ではまた

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