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日本選手権秋までの20日間の軌跡






 振り返って備忘録を兼ねた、メタの変化とそれに合わせて何をしてきたかの記録です

10/12(調整開始の起点)

 下馬評通りオムナスがBAN、ついでに怪しかった僻境からの脱出と幸運のクローバーも禁止されました

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 こいつらの禁止も妥当

 ここまでの時系列としては
 2020年9月17日 ゼンディカーの夜明けがアリーナリリース・灯争大戦等スタンを定義していた大量のカードがスタン落ち(紙は25日発売)
 2020年9月28日 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》が禁止
 
2020年10月12日 《創造の座、オムナス》・《幸運のクローバー》・《僻境への脱出》禁止

 1か月でスタン落ちを始めとして3回環境が変わる異常事態

 特にネクサスの登場以降1年半近くに渡り常に暴れ続けてきたランプデッキは、死者の原野・むかしむかし・らせん再生の禁止、大戦ニッサ・ハイドロイド混成体を始めとした主要カードのスタン落ち、ウーロ・脱出・クローバー・オムナスの禁止と、都合6回に渡りありとあらゆるランププランが戒められてきた状態でした

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 (ここ1年で禁止された14枚全てが緑ベースのデッキに採用されていた狂気)

 これに加えて登場していた当惑する難題の存在などにより、長らくMTGスタンで行われてきた
 ランプVSコントロールVSときどき赤単
 という構造が遂に瓦解する日が来た、というのが競技勢の中でのうっすらした共通認識でした

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 (メタを牽制するには1年刷られるのが遅かった)


初期コンセプト

 ではそういった環境で、何を組むか考えた時に、ある種確信めいた考えが頭にありました

 ランプを握ることにしました

 何言ってんだこいつ?????????ってなる人が多いと思うので解説すると

 度重なるランプの禁止(特に致命的な直近の3枚)の影響でランプデッキは既存のブン回り押し付けプランが取りにくい
→メタの意識が下がってメタられずに構築が組みやすい
強い

 ということです(?)
 実際、ヨーリオンの擁する難題はランプデッキにおいて致命的だったので、これが見なくなるだけで大分やりやすくなっていました
 また、近年のランプカードは一つ一つの質が高く、理不尽なムーブができなくとも十分押し付ける側に立てるポテンシャルが残っていました
 

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 まだまだこちらが押し付ける側です
 頑張って耐えてくださいね


禁止後初期のメタ環境

 環境初動、大会結果として出てきたのは緑のフードデッキでした

  ヤシャーンはフード相手にて最強(ときどきオオカミが突っ込んできて死ぬ)

 また、緑単メタとしてアゾリウスヨーリオンも見え始めたので、バントかアゾリウスヨーリオンにするつもりで構築を始めました

 なんか青が消えた
 結論から申し上げますと、環境の青のカウンターがあまり強くなく、青でアドとテンポを稼いで白で除去するという構成が基本のアゾリウスコントロールしか組めないので、「それなら緑でもできるわ」と至ったわけです
 特に青を足すことで得られるカードの強さに対して、不安定さとヤシャーンで持ってこれる基本土地の枚数を減らすデメリットが大きすぎました

 これが、まあ、強かった
 土地の少なさのわりにあまりに安定性が高く、圧縮効果で継戦能力も高い
 自分でもびっくりしてその時のセリフがこれです

 あまりに酷い言い草である


なんかチャレンジ勝っちゃった

 該当週末のスタンダードチャレンジで望外の準優勝

 メタの確認と調整のつもりでジョインしていたのですが、想像以上に緑系統を踏み続け勝ち切りました
 概ねこの時点でメインボードは完成形に近づいていたのですが、まだ耕作4や安息所など初期の名残も残ってます

花山さんもこのすぐ翌日に使って、ニッセン予選で勝ってくださってました


メタの変遷と向かい風

 この頃にはデッキバランスは概ね完成していて、後は妨害枠をどういうバランスにするかの問題になっていました
 このオーコは当時いた夢さらいや静寂をもたらすものへの妨害にこそなり、アドも取れるので腐らなかったのですが、アグロ相手に遅いし刺さり切らない問題がありました

 この辺りで問題だったのが、グルールとディミーアの台頭する兆しと、フード型の緑の衰退でした
 特にフードの衰退は著しく、ヤシャーンの存在だけで有利が取れている相手が居なくなるのはメタゲーム的に勝率に大きくかかわっていました

 最終的に翌週末のMQとCFBの大会で共に勝てず、裏で行われていたMPLとMRLの大会でもグルールとディミーアがすでに頭角を現していました


方向転換/Divert 

 メタの向かい風を受け、残り5日というところでアーキタイプの変更を視野に入れた再構成を余儀なくされてました

 そんな中、ある種の転機が起こります

  フライデーアシムマジックを開催しているアシムさんがV枠としてセカコロから招待を受けました

 ところがアシムさんは競技初心者であり、デッキビルドこそいろいろされてますが、メタの方を見た勝率最優先のビルドはあまり得意ではありませんでした

 (自称)イゼット狼なので、イゼットを模索していたアシムさん

 前から競技の特訓をしてほしいと相談は受けていたので、自分も組みなおすついでにイゼットっぽいリストも組み上げて渡すことにしました

 (某先生のように『スペシャルハードコース』を実地することに(継続中))

 

 あったよ!デッキが!!!

 ここで丁度発見したのがティムールランプ
 有利なデッキにとことん強く、苦手なデッキもあるもののメインサイドのバランスで対策は取れるバランスでした

 しかもランプデッキ且つイゼットカラー!
 これでいいんじゃね!!!!(適当)

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(多分当時参考にしたリスト)

 本当にこれで良かった
 グルールデッキのサイドプランを流用出来、グルールデッキのサイドが当たりにくく、根本原理を打てば勝ち
 ディミーアにもマスカンかマスト除去を連打出来、パッと見の印象より少ない妨害を潜り抜けて強引に勝てる試合が多くありました
 ほかの雑多なデッキには根本原理1枚で勝つので、調整すればトップ2以外にはイージーウィンを狙いつつトップメタに食い下がれるスペックでした

 最終系や取り回しはこちらで


 最終的なメタ読み

 蔓延るデッキの予想は合っていたものの、まさかのそのままトップメタが勝ち切るパターン
 グルールは少し試しましたが、メタれば6:4まではどのアーキタイプからも持ち込める印象だったので包囲されると思っていたのでかなり意外でした

 ただし、勝ちに行くゲームプランニングはやはり合っており、デッキが応えきってくれて日本選手権秋6位、FINAL出場権利獲得という結果になりました

 また花山さんもフードレスセレズニアのリストを昇華してベスト8に入られました(冥利に尽きます)

 結果的にランプデッキを2種類TOP8に捻じ込むことに貢献できたのは望外の喜びです

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振り返ってみて

 結果自体は間違いなく運に恵まれました
 ですが、そこに至るプロセスと努力は競技をするつもりでMTGを始めて3年間やってきたことが様々な形で実ったということで感無量です

 次は日本選手権FINALで日本一を取ってMTG全一のジョンを名乗れるように頑張ります!


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