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生命を科学としておっかなびっくりとりあつかうヒトびと

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生命科学のごくごく周辺部での学生時代からパート研究者としての現在まで、日ごろかんがえていることやしごとの周辺での気づきとかをメモがわりにしました。
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記事一覧

もしかしてそこの学生さん、スマホだけで卒論を書こうとしていないか?

はじめに このところパートしごとをつうじて学生たちと接する機会がある。ゼミや日ごろのやりとりの場面で、彼らはスマホをさまざまつかいこなしているなあと関心する。 わたしは同類のスマホをwifiのルーターとして、あるいは個人認証用の機器としてしかみていない。充電や持ち歩きがめんどうだなと思う。 きょうはそんな話。 列車内で ごくたまにしか利用しない(できない)列車内。立っているヒトでいっぱいの朝の通勤通学時間の車内は静かなもの。しずけさのもとはほぼ例外なくスマホをみつめて

ひとつのことを10数年つづけて見えてくるもの・気づくこと・この先に必要なもの

(2024.5.27加筆あり) はじめに すでにまえのしごとで16年、いまの学習サポートでおなじく16年。後者とともに農業を6年、そしていまの研究パートで3年目。昨今の状況下に基礎疾患もちのわが身には、まわりに支障の出ない範囲でやれることはまだ限られている。だがわたしにのこされた時間を考えるとやれることはそう多くない。 転業し学習サポートに着手したころ「10年つづけばたいしたもの。」と声をかけていただいたのを覚えている。あっというまに駆け抜けて気づくまもなくとっくに過ぎて

ある疾病について知る:研究パートであらたな学術論文に目を通しつつ思うこと

(2024.5.13加筆) はじめに わたしの家系はあきらかに「がん」の家系。祖父、父ともそう。さいわいにも父はどうにかたすかり、わたしはいまのところそうではない。このクニにおいて「いのちにかかわる」循環器系の疾病とともに双璧をなす。 それほど高い割合でかかる疾患。はたらき先の研究パートで手がかりを得ようと関連の論文に目をとおす。その作業をつうじて思うこと。 きょうはそんな話。 研究をつうじて この研究室のテーマは多岐にわたる。それをすくないスタッフで分担しつつ、ひと

歓迎会で街にでるので電車で通勤してみた

はじめに 先週の金曜日。世間には土日月で連休の方もおいでだろう。つまりは週末の金曜日は街に出られた方もいらっしゃるだろう。めったにそういった場所には立ち寄らないわたしですらめずらしくそうなのだから。 しごとの研究パートの研究室の新メンバーの歓迎会で街に出る。そのため車で通う日常からはなれ電車で通勤。 きょうはそんな話。 歓迎会のために しごとが終了したのちに研究パートの研究室にあたらしく配属された新4年生と大学院生たちの歓迎会で街へとくりだす。そのためふだん通勤につか

じっさいにからだをつかうやさいづくり:手あたりしだいの読書と畑しごとでわかったこと

(2024.4.29加筆) はじめに 身近に手にとれる100冊あまりのやさいづくりの本や原著論文、報告書など(その多くは県内の各図書館)を読みつつ、7年間にわたり中山間地のはたけで機械をつかわずにやさいづくりをこころみた結果、当該地区で畑をつくる意味についておぼろげに見えてきたことを示します。 やろうとしたこと1 もともと会社ではたらくより、すべて自己責任でじぶんのやれるしごとをやろうと本業の学習サポートと並行してはじめました。さいわいにも先祖からのはたけがあります。どう

おくればせながら学生たちに本をつかってもらえばよいことに気づいた

はじめに 先日、いったん時間をかけて手もとからいなくなったはずの書物がふたたびたまりはじめた記事を書いた。 ほどなくして研究パート先で論文講読(ゼミ)がはじまった。新4年生に専門の論文について研究室のメンバーの前で発表する。その準備ははじめての学生には至難の業。これまで身につけてきたはず?の専門の内容の理解度がためされる。 あたえられた論文の内容把握にさまざまな専門書や辞書類、資料が必要になる。できれば身近に置いておきたい。そこでわたしのたまりはじめた本が役立つとわかっ

本をたずさえて思うこと:いったん手放したはずなのにふたたび増えている

はじめに 学習をサポートするしごとを主宰しつつ、パートで研究機関にお世話になるダブルワーク。それぞれスモールワークとして無理せずやっている。昨年後半から住処を変えるまで2年ほどかけて書棚の本の大部分を手放したはず。それがどういうわけか…。 きょうはそんな話。 本は片時も こどものころから本は身近にいた。本というより活字かもしれない。目にはいると広告すらたしかめないと気がすまない。きっと好奇心からかもしれない。だから学校の図書室ですきなだけ本を借りて読んでいいといわれて、

この時季に休みがつづくのはさいわいだけど、ものごとをはじめるにあたりさわやかな季節はごくみじかい

はじめに はやくも4月はなかばをあっさりと過ぎた。ついこのあいだひなまつりじゃなかったか。なんか時間をワープしてしまったかのよう。あまりに進行がはやい。 まだことしはなにもなし得ていない気がする。さて、そろそろはじめようかと研究パートで年度末のあとかたづけをした。すると予想しなかったところからストックしていた実験器具がでてきた。 たずねると処分する予定とのこと。それさいわいとこれはさっそく使うしかない。「わたしが使います!」と申し出てた。植物の実験なので、なるべくさわや

テキストをながめていて気づいたこと:わたしは上の世代に教わり、若者たちはわたしたち世代から教わる

はじめに つくえのPCにむかいふと顔をあげた。ここはある研究室。研究パートのわたしにもスタッフの方から研究室のかたわらにいすとつくえを提供していただいた。目のまえにわたしの書籍ととなりには学生の持ちもののテキストがならぶ。それらの本の背表紙をぼんやりながめてあることに気づいた。 きょうはそんな話。 テキストから おとなりにすわる学生さんの本。いずれもこれまでの専門の講義やこれからの進路に関係しそうな書籍がならぶ。わりと休み時間にもよく本に目を通す読書家。毎週ここへ来るた

高校と大学の「化学」の接続のむずかしいところのひとつ:電子のようす

はじめに 過去に大学で教えたのち高校生の学習をサポートし、ふたたび研究サポートで大学生たちと接し、けっこうむずかしいなあとかんじること。それは高校と大学との内容の接続。はっきりいって「化学」に関していくつかおもうところがある。 きょうはそんな話。 つながっていない? 高校生にはじめて「化学基礎」もしくは「化学」をおしえていて説明しづらいのが各元素の電子軌道や電子スピンに関してのあたりとそれらが関係する化学反応やエネルギー状態のところ。 ここではあまり深入りできない。教

高校「化学」は有機化学の単元で仕上げに:芳香族化合物の音色が聞こえる?

(2024.4.15加筆) はじめに 春まっさかりのなか。まったくいまの季節とは関係ないのですが、アブラゼミの暑い鳴き声が騒々しかったのに、いつのまにかツクツクボウシが鳴くようになると秋が近づいた証拠です。朝晩が涼しくなってきます。 高校「化学」は有機化合物が出てくると山場です。これから習う人もいるかな。ベンゼン環が出てくると「ああ、化学を勉強してるなあ」という感慨も湧いてきます。有機化合物の話にはいると生活に身近な物質が多いですから興味が出てくるかもしれません。 それ

高校「化学」を最初にのりこえていくうえでまずやりたいこと

はじめに 先日、記事のなかで高校生が「化学」をまなぶうえでぜひとも身につけたいところについてとりあげた。 どんなものにもマスターするうえでコツと言うかかんどころがある。化学についてもそうでここをのりこえられればあとはなんとかなるというところがある。そのひとつをとりあげたい。 きょうはそんな話。 元素と周期表 身のまわりの物質はどこをみわたしてももとをたどればさまざまな元素や分子からなる。たった100種ほど、そのうち主要なものはかぎられた元素の組み合わせのちがいでさまざ

化学はまさに「ばけ学」:本来どういう学問でみのまわりでどうかかわるものなのか

はじめに さまざまなヒトへ「化学(化け学)に関わり…」と自己紹介すると、聞いた方の多くは話題をほかへと移しがち。たぬきかなにかが化けるイメージ? そこであたりさわりが小さくなるかもしれないと「バイオのほうで…」とか「生化学を…」とお茶をにごしたり、「学位は農学でして…」と口にしたりするとひとまずほっとされる。 どうも「化学」ということばにある種のなにか近寄りがたい印象があるのかも。ほとんどわたしの誤解かもしれないが、1種の固定観念としてとらえられがちな「化学」について、

これから高3になり有機化学を、もしくは大学にすすんでこれから生命科学を学ぶ方へ

はじめに 高2生(まもなく高3)に化学を教えていてまもなく有機化学の単元にはいる。ここへすすむまえに分子の構造や化学結合、反応の速さと平衡についてしっかりマスターしていることが肝心かなめ。用意はいいでしょうか。 それなくしてはここからさきのとびらは重くてなかなか開かない。それらの基礎の土台をしっかりつくれていれば、とびらさえなく「なんだ中学のつづきじゃないか。」とほんの数か月ほどのまなびで目標の地点までいっきにとおりぬけていけるはず。 きょうはそんな話。 化学と生物