三人の出会い

「お名前は、なあに?」
「….」
「私はね!逢実っていいます。桜….じゃなくて、今日からは神崎だった、神崎逢実。あなたは?」
「はいはい!私!私はね…!彩る月って書いて、彩月(いつき)っていうの!いいでしょ!」
手をつないでいた片方、金髪で快活な少女が手をあげて自己紹介してくれた。
「わあ!すごくきれいな名前!」
「ひひ~」

ニカッと笑う彩月。それに対して…ピンク髪の少女は、胸に抱きかかえたイルカのお人形をより一層ぎゅっと抱きしめた。
そんな対照的な二人が、可愛くって、とても愛おしくなって、私は二人を胸に抱きしめた。
「わぷ…」
「これからは私たちは家族、姉妹になるの、だから、これからよろしくね。時間がかかってもいいから、打ち解けてもらえると、嬉しいな。」
「…..」
やっぱり、ピンク髪の子はかなり人見知りするようで、なかなかお話してくれない。
「….ね?」
ちょっとお願いする風に首をかしげてみた。するとようやく、その女の子は口をひらく。
「…..ともか。」
「ともかちゃん。すごくかわいい名前。」
こんなに可愛い妹たちが出来ることが、私はとても嬉しくて…嬉しくて、思わず笑みがこぼれだした。
「これから、よろしくね!ともかちゃん、いつきちゃん!」
神崎逢実13歳、中学ニ年生。私はとびきりの笑顔を、妹になる二人に捧げた。


※灯香は7歳、彩月は5歳

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