マガジンのカバー画像

ほぼ毎日エッセイ『わたしに翼』

60
2024.03.09〜 タイトルは大好きな朝ドラ『虎に翼』をもじって。 書くことで、大きくて豊かな、どこまでもいける、「私だけの翼」が手に入りますように。
運営しているクリエイター

記事一覧

もしも車に乗れたなら

もしも車に乗れたなら

運転免許を取得できたら、絶対にやりたいことがある。

それは、海の見える街で仕事をすること。いわゆるワーケーションというやつだ。私の住む千葉県には、海がたくさんある。

波の音を聞きながら執筆できたら幸せだろうな。疲れたらふっと外に出て、潮風を感じたい。

そんな日が来ますように。
まあ、できるようになるかは、私次第なのだけれども。

(Day.24)

▼昨日の記事。ライターとしての「夢」を語ろ

もっとみる
今後、ライターとして叶えたいこと

今後、ライターとして叶えたいこと

どうやら私には、ライターという仕事を長く続けていくため、ムフフと空想して「理想」や「夢」に向かってくやり方が合っているらしい。

将来について考えるとき「ムフフ」は大切だ。叶うか叶わないかはまた別の話で、ムフフという気持ちを持っていられれば、少なくとも仕事がいやになることはないのだから(余談だが、私の誕生日は6月22日。6(ム)22(フフ)の日である)。

前置きが長くなってしまったが、本日のエッ

もっとみる
味噌汁の妙(みょう)

味噌汁の妙(みょう)

想像してみてほしい。大した料理の腕も知識もない、面倒くさがりの人間が、まがいなりにも家族の健康を任される立場になってしまったとしたら。

料理を外注するほど裕福ではないので、なんとか自分でやるしかない。食べるのはとっても好きなのだが、料理って結構大仕事だ。

息子の好き嫌いには翻弄されるし、夜遅く帰宅する夫は何を食べたいのかわからない。そんなあれこれから、料理するのが苦痛になっていた時期があった。

もっとみる
アカンボカワイイ

アカンボカワイイ

20歳くらいまで「子供」という生き物が嫌いだった。いや、嫌いというより「どう接していいのかわからない」という方がしっくりくるかもしれない。

無遠慮にこちらを見つめてくるし、いきなり大きな声を出すし、うまくコミュニケーションがとれないし、どうしたらいいのかわからなかったのである。

それに、多感な頃は自分のことが嫌いだったから、本気で「自分の遺伝子を残したくない」と考えていた。親友Tは、私がそのこ

もっとみる
息子に「かわいそう」と言った人へ

息子に「かわいそう」と言った人へ

先日のこと。
私はスーパーで疲れ果てていた。

2歳半の息子は何度注意しても、パーっと走っていってしまう。店の外に出てしまうこともある。そのたびに買い物途中のカゴを置き、外まで追いかける。

やっと買い物が終わったと思ったら、今度はレジ待ちの列を脱走する。また追いかけて連れ戻すと、そこに私の並んでいた列はもうない。また、いちから並び直しだ。こんなことが永遠に続く。

何度もそういうことを繰り返し、

もっとみる
自分にいちばん似合う宝石

自分にいちばん似合う宝石

私の誕生日は6月だ。6月の誕生石はパール(真珠)らしい。だから、なんとなく自分にはパールが似合うのかな、なんて思っていた。

しかし、実際にパールを身につけてみると、なんとなくしっくりこない。似合わなくはない……のだけど、ベストではないのだ。

それに対し、妹はものすごくパールが似合う。彼女は胸元がふっくらしていて、でも手のひらが薄くて指が長い。

曲線を描くような、もちもちした彼女のボディーライ

もっとみる
侮れない。「ぼーっとする」時間

侮れない。「ぼーっとする」時間

ここ2日ほど、とにかくぼーっとしている。やることはまああるし、やろうと思えばできるのだろうが、私は「やらない」方を選んだ。

特にこの1年はずっと気忙しくて、あれもしなきゃこれもしなきゃと息つく暇がなかった。できることはたくさん増えたけど、しんどいことも多くて、泣きそうになることもあった。

それも仕方ない。ここ1年でしたことといえば、息子の初社会参加、ワーママデビュー、家購入、たびたびの入院、自

もっとみる
最近、よく読んでいただいたエッセイ

最近、よく読んでいただいたエッセイ

ほぼ毎日エッセイ『私に翼』を開始してから、2ヶ月あまり。

ときどき中断することはあれど、毎日ぽつぽつと思いを綴っていると、思いがけずたくさんの方に読んでもらえるときがある。

連載のなかでも、最近特に読んでいただけた記事をいくつか紹介したい。

無印良品夫(24.04.16)新居への引越しにあたり、夫が「無印良品、無印良品」と言い募るので「ほんまに無印良品がすきなやつやな〜」と思って書いたエッセ

もっとみる
怒りを封じ込めるな

怒りを封じ込めるな

「私たち、怒ってるんです」

昼食後、ソファに寝そべってうとうとしていると、テレビから凜とした声が聴こえてきた。

それは、一週遅れで視聴していたNHKの朝ドラ『虎に翼』で、主人公の寅子が言い放ったセリフだった。

寅子は男女の持つ権利の違いと、そこから起こる”見えない”不平等について、滔々(とうとう)と語り始める。

普通のドラマなら、ここで一気に盛り上がるBGMを流すだろう。しかし、一切の無音

もっとみる
「本を読むこと」について、考えてみる

「本を読むこと」について、考えてみる

最近『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』という小説を読んでいる。タイトルからわかるとおり韓国文学で、これまたタイトルどおり「本屋さん」のお話しだ。

数年前、『81年生まれ、キム・ジヨン』に出会って脳天を撃ち抜かれてから、私にとって韓国文学は、一目置けるジャンルとなった。K-POPにハマる人、韓流ドラマにハマる人とそれぞれだろうが、私の場合は韓国文学だったのである。

韓国の人びとが感じていることは(少

もっとみる
グラデーションな他者

グラデーションな他者

さまざまなバックグラウンドを持つ方々とお話しする機会が増えたからだろうか。人間ってほんとうに多彩なんだなぁと感じている。

属性とか性格とか、一見同じ色にみえる人たちでも、よく見てみると微妙に色が違う。当然だが、正義も倫理も、快・不快もみんな、異なるものだ。

若い頃は、こういったことになかなか気づけなかった。そのせいで自意識に苦しめられた。

きっと、細かな色の違いを見極める力がなかったんだろう

もっとみる
わたくしの小さな相棒と、サードプレイスとしての本屋

わたくしの小さな相棒と、サードプレイスとしての本屋

サードプレイスとは、カフェや公園、コミュティ活動の場など、自宅、学校、職場とは別に存在する、居心地のいい居場所のことを指す言葉である。

先日、とてもいいサードプレイスに出会えたので、この経験をシェアしたいと思う。

✎✎✎

その日は朝から大荒れの天気で、気圧の変化に弱い私はゲンナリしていた。いつもはショートスリーパーの息子も、大雨の日にはよく眠る。夫を会社へ送り出したあと、息子とふたり、昼過ぎ

もっとみる
キミと物語

キミと物語

息子が最近、映画『魔女の宅急便』にハマっている。

主人公のキキが大好きで、テレビを観る時間になると「キキちゃんみる!」と言ってきかない。リビングではしょっちゅう、ホウキにまたがって空を飛んでいる。

試しに、同じスタジオジブリ作品の『となりのトトロ』や『猫の恩返し』を見せてみたが、彼の心には刺さらなかったらしい。10分もしないうちに「キキちゃんみたい!」といって、キキのいる世界へ旅立って行く。

もっとみる
自宅の「ナワバリ化」計画

自宅の「ナワバリ化」計画

私は「物が多い状態」で暮らすのに非常なストレスを抱えてしまうタチだ。物の気配、というのだろうか。それが苦痛なのだ。

ところが、私の夫という人は非常に物が多いタイプ(捨てられないタイプ)で、前に住んでいた狭いマンションのときには、家が夫の物であふれかえっていた。

引越しの際、バンバン物を捨てたのだが、その7割は夫のものだった。もう思い出したくもない。

そんなだから、新しい家では、極力物を増やさ

もっとみる