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妖怪の正体 ~『雪女』『小豆洗い』『豆腐小僧』編~

妖怪はお好きですか? お嫌いですか?

妖怪(ようかい)は、日本で伝承される民間信仰において、人間の理解を超える奇怪で異常な現象や、あるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在のこと。妖(あやかし)または物の怪(もののけ)、魔物(まもの)とも呼ばれる。
妖怪は日本古来のアニミズムや八百万の神の思想と人間の日常生活や自然界の摂理にも深く根ざしており、その思想が森羅万象に神の存在を見出す一方で、否定的に把握された存在や現象は妖怪になりうるという表裏一体の関係がなされてきた。

Wikipediaより

古くは民間伝承、近年では小説・漫画・アニメでもよく題材にされ興味のない方でも何体かの名前をご存じなのではないでしょうか。

お化けでもなく幽霊でもない。そしてUMAともちょっと違う。
悲喜こもごものバックボーン、清濁あわせ持つミステリアスな姿。
様々な解釈のもと、描き続けられる正体不明の怪異。

そんな摩訶不思議な存在である妖怪を、そのままにしておけないヤボな人間がいつの時代も存在します。
妖怪の正体解明か。
そのいくつかの説をご紹介しましょう。



雪女

Wikipediaより

雪女の起源は古く、室町時代末期の連歌師・宗祇法師による『宗祇諸国物語』には、法師が越後国(現・新潟県)に滞在していたときに雪女を見たと記述があることから、室町時代には既に伝承があったことがわかる。
呼び方は違えど、常に「死」を表す白装束を身にまとい男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸いつくして殺すところは共通しており、広く「雪の妖怪」として怖れられていた。

Wikipediaより

雪山で遭難し不幸にも凍死された方が全裸や衣服がはだけた状態で発見されることがあります。
寒い雪山で何故全裸? と昔の人も首をかしげたことでしょう。
「きっとこれは絶世の美女に出会い自ら脱いだに違いない」という考えから『雪女』伝承が生まれたという説があります。

現代ではこのような現象のことを「矛盾脱衣」と言います。

恒温動物である人間は、あまりに寒い環境下に長時間いると、体温の熱量は外気に奪われ、その結果体温が下がる。体温が一定以下に下がると、体は生命の維持のためにそれ以上の体温低下を阻止しようとして、熱生産性を高め、皮膚血管収縮によって熱放散を抑制することにより、体内から温めようとする働きが強まる。このとき、体内の温度と外部の気温(体感温度)との間で温度差が生じると、極寒の環境下にもかかわらず、まるで暑い場所にいるかのような錯覚に陥り、衣服を脱いでしまうといわれる。 法医学では、これはアドレナリン酸化物の幻覚作用によるとも、体温調節中枢の麻痺による異常代謝によるとも説明している。

Wikipediaより

『雪女』か「矛盾脱衣」か……
確かめるすべはありません。


小豆洗い

Wikipediaより

小豆洗い(あずきあらい)または小豆とぎ(あずきとぎ)は、ショキショキと音をたてて川で小豆を洗うといわれる日本の妖怪。

Wikipediaより

小豆洗いの正体とされる事象は多くあります。

・新潟県など、イタチの仕業。鳴き声・尻尾で音を鳴らしている。
・岡山県など、キツネの仕業。
・香川県など、タヌキの仕業。
・秋田県など、カエルの仕業。ガマガエルが体をゆする音。ヒキガエルの背中と背中をすり合わせる音。
・ムシの仕業。江戸時代には小豆洗虫(あずきあらいむし)、現代ではチャタテムシと呼ばれる昆虫がだす音。
・新潟県など、人間の仕業。人間が砂利浜を歩く音。

他に変わったところだと、

長野県下諏訪などではこうした妖怪の噂に乗じ、男性が仲間の者を小豆洗いに仕立て上げ、女性と連れ立って歩いているときに付近の川原で小豆洗いの音を立てさせ、怖がった女性が男性に抱きつくことを楽しんだという話もある。

Wikipediaより

肝試しのはしりでしょうか。



豆腐小僧

豆腐小僧

豆腐小僧(とうふこぞう)は豆腐を持っている子供の姿をした日本の妖怪。主に江戸時代後期以降の草双紙や錦絵などに描かれている存在である。
豆腐小僧は、買って来た豆腐や酒を持ち運んでいる子供の姿で現われる妖怪として草双紙では描かれており、雨の夜などに人間のあとをつけて歩くこともあるが、特にひどい悪さをしたりはしないと扱われている。

Wikipediaより

「雨の夜に現れ、通りかかった人に豆腐を食べるようにすすめるが、食べると体中にカビが生えてしまう」という話は江戸時代の史料には見当たらず、昭和以降の創作とのことです。

つまり『豆腐小僧』とは”豆腐を買いに来たただの子供”と言ってもいいのではないでしょうか?


今回は以上です。
ゲゲゲの鬼太郎ファンの端くれとして妖怪の存在は信じたい、でも遭遇したくない、でもやっぱり一度は会ってみたい……
複雑な心境です。


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