しばた れいな

東京の隅っこで、文章を書いています。ここでは、エッセイとか自分なりの哲学とか、そんなこ…

しばた れいな

東京の隅っこで、文章を書いています。ここでは、エッセイとか自分なりの哲学とか、そんなことを記録していこうと思います。毎週更新してます。

マガジン

  • 道くさ食って、生きてきた(WEB版)

    初エッセイ本「道くさ食って、生きてきた」に収録されているエッセイ集です。本用に編集していない当時の書いたままのエッセイ12本をお楽しみいただけます。本に収録されている書き下ろし3本、WEB掲載作品1本、ポエム、あとがきは収録されていません。

最近の記事

ベッドとテーブルの距離感

大学生の頃から一人暮らしをしている。といっても進級や就職を機にちょこちょこと引越しはしていて、今の部屋は3つ目になる。そして図らずも借りてきた部屋はどれも1Kだった。 1Kとは、キッチンと居室が分けられた間取りのことをいう。大体は廊下にキッチンとトイレ、お風呂がまとめられているので、家具は自ずと居室に集まることとなる。 ベッドとテーブルが一緒。そんな空間で私は11年間生活をしてきた。仕事をするスペースの真横に、体を休めるための楽園がある。だから誘惑もすごい。でも私はとにか

    • 文学フリマを終えて

      先週の日曜日に開催された文学フリマ東京38に、初出店してきました。 そもそも今回が初めてのエッセイ本制作だったので、制作期間中は戸惑うことや悩むことがたくさんありました。本のテーマを考えること、構成を練ること、エッセイを抜粋すること、すべてが未経験で目指すべきゴールが見えず、毎日途方に暮れていたような気がします。慣れない印刷用語やDTPデザインに、何度も心が折れそうになりました。 それでも表紙の絵とデザインを担当してくれた友人の頑張りもあり、無事完成した今回のエッセイ本。

      • 文学フリマ東京38 出店内容について

        初のエッセイ本「道くさ食って、生きてきた」ができました。文学フリマ東京38に持って行きます! noteにて掲載中のエッセイからテーマに合うものを抜粋し、そこに書き下ろし3本、ウェブメディアに掲載された1本を加えました。全体的に編集を加え、表現などのブラッシュアップをしているので、note読者の方も新たな文章を読む感覚で楽しんでいただけるかと思います。なお書き下ろし3本については、今後noteで掲載する予定はなくエッセイ本限定での掲載となります。 ※「道くさ食って、生きてき

        • 文学フリマ東京に、この本持って行きます

          先日ご報告したとおり、文学フリマ東京38に出店します。 文学フリマ東京38について 日時 :2024年5月19日12:00-17:00 入場料:1,000円 会場 :東京流通センター 4月はnoteの更新をお休みして、ずっと本をつくっていました。おかげで先日、無事入稿が完了!ブースも確定したので、今回は販売する本と出店ブースについて紹介します。 出店詳細 エッセイ本「道くさ食って、生きてきた」を、会場に持って行きます。(Webカタログ:https://c.bunfre

        ベッドとテーブルの距離感

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        • 道くさ食って、生きてきた(WEB版)
          12本
          ¥400

        記事

          文学フリマまでおやすみします

          エッセイを文学フリマ終了までおやすみします。理由は、文学フリマに向けての編集作業・製本作業がこれから佳境に入るため、そちらに集中したいからです。 というのも初めての本づくりで、想像ではエッセイを書ける余裕があると思っていたのですが、蓋を開けてみると想像以上に考えること・やるべきことが多く、文学フリマまで毎日作業に追わそうで……! 怒涛の3月を終え、「気合いを入れてエッセイを書くぞ〜!」と思っていたのですが(そもそも先週、お暇記事を書いたばかりなので……)、本づくりに不慣れ

          文学フリマまでおやすみします

          頑張ることをお暇します

          3月ーー社会人からは「年度末」と呼ばれる時期。いろんな会社が、決算に追われ、施策に追われ、一年でいちばん忙しくなる時期。 私もその洗礼を受けていた。特にこの2週間は、ずっと仕事をしていたと思う。といっても「苦しい」みたいな負の感情はなく、むしろ「お仕事をいただけてありがたい」と喜んでいたのだけれど、どうやらそれは心だけだったようで、気づかぬうちに体は疲れを溜めていたみたい。 エッセイを書こうにも、仕事ばかりしていたものだから、書きたいものが浮かばない。日課となっていた読書

          頑張ることをお暇します

          メモの魔力

          「人生でいちばん楽しかった思い出は?」 「人生でいちばん苦労したことは?」 私がいちばん苦手な質問。だってそんなこと、すぐには思い出せないから。 お笑い芸人さんは特殊能力の持ち主だと思っていた 私は、お笑い芸人さんをとても尊敬している。理由はいろいろあるけれど、ひとつに「何気ないエピソードを覚えている」というのがある。 そもそも私は、「アメトーーク」や「すべらない話」といったトーク番組が大好きだ。 普通の人ならつまらなくなりそうな話も、お笑い芸人さんが話すと、たちま

          「柴田 れな」だった

          先週、活動名を「柴田 れな」から「しばた れいな」にもどすことを報告した。たった、6か月間だったけど、私は「柴田 れな」だった。

          「柴田 れな」だった

          【お知らせ】文学フリマに出店します

          今日は、お知らせがふたつあります。お知らせなので、いつもの文章と違って、ですます調ですが、見てくれると嬉しいです。 ひとつ、文学フリマに出店します 5月19日の「文学フリマ 東京38」に出店します。抽選だったので、「当たるかな……」とずっとドキドキしていましたが、無事当選のメールをいただきました。メールがきたとき、走り出したくなるぐらい嬉しかったな。 2月のはじめごろ、「文学フリマ 東京」の応募があると知ったときは、「5月に本の制作が間に合う気がしない」と、冬の文学フリ

          【お知らせ】文学フリマに出店します

          陽気で繊細なハーフ&ハーフ

          私は一見すると、明るいと思う。調子がよくて、何も考えてなさそうで、ひょうひょうと生きている。そんな印象を、初対面で与えることが多い。 でも実際は、気にしいで、考え込みがちで、傷つきやすい。学生時代からどんなに楽しい予定があっても、次の日がオフじゃなければ徹夜をしないくらいの真面目さも持ち合わせている。 「見た目と中身が違う」という話でもない こういう話をすると、「見た目と中身が違うんだね」という話になりがちだけど、そうではない。楽観的な部分と繊細な部分は、どちらも確実に自

          陽気で繊細なハーフ&ハーフ

          私が手を振る理由

          電車の中、公園のベンチ、ごはん屋さんの席、テーマパークの待ち列ーー目の前に小さな子どもがいると、つい手を振ってしまう。これは私のクセみたいなもので、別に「手を振りかえしてほしい」とは、特に思ってはいない。 でも、たまに手を振りかえしてくれたり、照れながら喜んでくれる子がいる。そういうときは、その子が飽きるまで手を振ったり、ジェスチャーを送り続けるようにしている。なんというか、そういう何気ない時間が、その子にとってふと思い出す暖かい記憶になるような気がしているのだ。 なぜか

          私が手を振る理由

          会いたい人の写真は撮っておくといい

          先週、「小さなタイムカプセル」でも書いたとおり、私は普段からフィルムカメラで写真を撮っている。

          会いたい人の写真は撮っておくといい

          小さなタイムカプセル

          4年前の夏、秋葉原の中古カメラ屋さんでフィルムカメラを購入した。PENTAX ASAHIという、見た目がレトロなフィルムカメラ。どれを買えばいいか分からない私に、店員さんが勧めてくれたものだ。一目でそのフォルムが気に入った私は、特に悩むことなく「それをください」と言っていた。

          小さなタイムカプセル

          物語をつくってみたい

          「物語をつくってみたい」という思いが、年齢を重ねるごとに、膨らんでいるような気がする。このまま膨らませ続けたら、いつか弾けて、自分が粉々になってしまうんじゃないかーーもはや最近は、そんな恐怖さえ感じる。 たったひとりの「おもろかった」が、宝物の記憶に 物語の作り手側に興味をもったきっかけは、正直覚えていない。ただ、小学校生活が折り返しを迎える頃には、私はすっかり妄想っ子だった。眠れないとき、校長先生の話が長いとき、母の買い物に付き合わされたとき、頭の中で現実離れした物語を

          物語をつくってみたい

          緊張を解く魔法と温かい記憶

          今朝、布団でゴロゴロして、ふと時計を見ると13時だった。すでに、お昼どきとしては遅い時間。「今からご飯を作るのは面倒だから」と、顔を洗って、服を着替えて、近所のマクドナルドに出かけた。 マクドナルドからの帰り道、近くの大学から大量の高校生が出てきた。どうやら今日は、大学受験の日だったようだ。大学前の交差点では、警備員が「試験会場」と書いた紙を、頭上に高らかに掲げている。 「大学受験かぁ。懐かしいなぁ」と思いながら、スーパーの方向に足を進める。そういえば、私が受験したのはち

          緊張を解く魔法と温かい記憶

          余裕がないと

          人生、余白が必要なんだよなぁと思う。忙しいときほど、本当に思う。 今週の私は忙しかった。物理的に時間がないというよりも、仕事もプライベートも考えなければならないことばかりで、明らかに脳がキャパオーバーしていた。 正直、やるべきことのいくつかを来週にまわすこともできた。でも、タスクで苦しむ来週の自分を想像すると、来週の自分が可哀想で、すべてを前倒しにして取り組むことに決めた。 「とりあえずひと段落」というところで、PCを閉じてベッドに横たわる。そのときにはもう、頭も心もヘ

          余裕がないと