百鬼堂

肩書きは記者だが、実情はほぼ編集者。読んだ本や始めたばかりの市民農園について書くことが…

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肩書きは記者だが、実情はほぼ編集者。読んだ本や始めたばかりの市民農園について書くことが多いです。衝動買いしたポメラで何かを書いてみたい、と思ったのがnoteを始めたきっかけ。

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  • 百鬼堂農園

    土いじりなどしたことのないオッサンが畑に挑みます

最近の記事

#65 百鬼堂農園(15) 野望のトマトタワー

 満を持してミニトマトを植えようと考えていたが、このところ天気が悪かった。晴れ間に畑をみにいったところ、雨があがって2日たっても、まだ粘土状。ものすごい保水力である。長靴の底に泥がへばりつき、周囲を一周しただけで2センチくらい身長が高くなっている。作業できないことはないけど、難航必至のため着手できずにいた。  天気予報をにらみつつ、ミニトマト栽培のための培養土と支柱を買うタイミングを見計らっていたが、好天かつ2日連続で畑に行ける条件がそろったところで、入手に踏み切った。石灰

    • #64 UNIQUE CLOTHING2 40th ANNIVERSARY

       チラシをにらむようにしてリストを作成し、勇ましく戦場へ向かう。戦いの場、それはユニクロ感謝祭。  開店と同時に店内へなだれこみ(実際はそれほど混んでいませんでした)、狙っていた獲物を次々と狩ってゆく。最後にかごに入れた、エアリズムメッシュボクサーブリーフ(名前が長いよ)以外はすべて感謝価格で、6点計10,540円。  10,000円以上お買い上げでもらえる、炭酸対応ステンレスボトルを見事手に入れた。あと、お菓子も。  とりあえず、お得に買い物してノベルティまでもらって

      • #63 百鬼堂農園(14) 左門豊作

         「あ、おにいちゃん」  畑への道すがら、さえない50代の私をおにいちゃんと呼ぶのは、市民農園のおばあちゃん、南東さんしかいない。全身黄色のおしゃれコーディネートで、マスクまで黄色い。きょうもカッコいいぜ。  「●●の花がきれいに咲いてたよ。●●さんがいま畑にいたよ。これからホームセンターに行ってくるよ。きょうも頑張ってね」。矢継ぎ早に話して嵐のように去って行った。人付き合いが得意ではないことは自覚しているが、こうしたゆるい知り合いができるのは悪くないと、最近しみじみと感

        • #62 百鬼堂農園(13) 耕して、蒸されて、飲んで

           農具運搬だけでなく、買い物にも大活躍の電動アシスト自転車「農耕1号」である。前かごにいっぱいの苗を積んで市民農園の周囲を走り回り、農耕1号の勇姿を見せびらかしたい誘惑に駆られる。しませんけどね。  午後から出勤ということがほとんどなので、畑仕事は午前中が多い。未明まで働いているのでそれほど早い時間には始められないが、ちょっとだけ畑の様子を見にいくつもりだったはずが、あっという間に2時間たっていた、なんてことが少なくない。  仕事に土日祝日は関係ないため、休日が平日になる

        #65 百鬼堂農園(15) 野望のトマトタワー

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          15本

        記事

          #番外 最近みたもの(3) 虎に翼

           今週は素晴らしすぎる。泣けて励まされる。負けるな寅子!  今日は米津玄師がよかった。彼はこのドラマ見てるのかなあ。

          #番外 最近みたもの(3) 虎に翼

          #61 最近よんだもの(16) あなた次第といわれても

           「方舟を燃やす」(角田光代、新潮社)  「自分は今、すごいものを読んでいるのではないか。本書を読み進めている間、何度もそう思った。」  某紙に掲載された書評の一部である。まったく同じ感想をもった。「すげえ」と何度もつぶやきながら、そして「白装束集団を率いた女 千乃裕子の生涯」(金田直久、論創社)を思い出しながら読んだ。感じたものを、同僚や妻に伝えようと思ったが、そのすごさをどうにも説明できない。  信じること、傷つくこと、そして赦すことについての小説ではないか。感動的

          #61 最近よんだもの(16) あなた次第といわれても

          #60 百鬼堂農園(12) 岩と瓦礫と初収穫

           「おはよう、がんばってるね」市民農園最年長のおばあちゃんが遠くから声をかけてくる。隣には同世代のご婦人。この友人とふたりでホームセンターに苗を見にいくという。  まだまだ広大な遊休地がある我が畑をみて、ご友人から「キュウリでもトマトでもナスでも、何でもいいから(暑くならない)いまのうちに植えなきゃダメよ」とありがたいアドバイスを受ける。  わが農園の現状は以下の通りである。 第1畝 オクラ5、ジャガイモ5 第2畝 ハツカダイコン多数、枝豆6(種から)、トウガラシ2 

          #60 百鬼堂農園(12) 岩と瓦礫と初収穫

          #59 百鬼堂農園(11) 孫と農耕馬

           最近は米津玄師「さよーならまたいつか!」を聴きながら畑仕事をすることが多い。朝ドラ「虎に翼」は毎日欠かさず見ています。  農具運搬問題の続き。原付を導入することで解決しようと思ったが、どうも買う気になれず。それなら大量の荷物が積める自転車はあるだろうか、とネットで検索してみた。農作業に適しているかはともかく、たくさんの荷物を運ぶという需要はあるはず。  ありました。安定性に優れ、頑丈で、前にも後ろにも荷物が載せられる。そして電動アシストで、重い荷物運びを強力にサポートす

          #59 百鬼堂農園(11) 孫と農耕馬

          #58 百鬼堂農園(10) 祖父とスーパーカブ

           夏場所6日目、開幕6連勝を決めた宇良の上手出し投げ、素晴らしかったですね。カッコいい。技はかくあるべし。  農園経営において初期段階からの課題解決のため、大きな出費すべきか否かをずっと検討していた。農具や肥料や水などの運搬問題である。  わが農園は住宅街の一角にあり、市民農園を管理する公社は、車での来園を原則禁止している。苗だの肥料だのを運び込むための一時的なものなら可ということで、たまに路駐して運び込んだりしている。その後は一度帰宅して、自転車で出直すことになる。

          #58 百鬼堂農園(10) 祖父とスーパーカブ

          #57 百鬼堂農園(9) 枯れども死なず

           ここの文章は書きためたものを推敲した上で出稿しています。よって、時制としてはそれなりに遅れての掲載になります。本当に推敲してんのかという疑いを抱かれる向きもあるでしょうが、一応しています。  大型連休は3日間休みがあり、出かけていたため畑の様子は見られなかった。前回の追加投入の直後に気温15℃の寒い日があり、連休中には真夏日を記録した。野菜たちにとって厳しい環境だったと思われる。これからもっと暑くなるのか。  3日ぶりに様子を見に行くと、スナップエンドウひとつは枯れかけ

          #57 百鬼堂農園(9) 枯れども死なず

          #56 百鬼堂農園(8) 意識高い系農耕おじさん

           サウナ、ロードバイク、合気道、座禅、そして趣味としての農作業。我が身を振り返ると、やっていることは意識高い系おじさんのそれではないだろうか。そう思われると、なんだか恥ずかしい。ちょっと余裕のある、そんな感じに見られたいんだろうな。でもまあ、おじさんになってしっくりくるものもあるのだ。温かい目で見守っていただきたいと思います。  ジャガイモ、オクラを追加投入した。ジャガイモは種芋はもう売っていないが、苗は売っていた。ハツカダイコンの芽を植え替えたが、これがなかなか難しい。固

          #56 百鬼堂農園(8) 意識高い系農耕おじさん

          #55 百鬼堂農園(7) 鉄の爪

           フリッツ・フォン・エリック一家の話ではない。映画「アイアンクロー」を観に行きたいが、そんな暇はない。「ゴジラ×コング」も観たいが、「悪は存在しない」はもっと観たい。市民農園を借りてからというもの、ゲームの時間は明らかに減ったが、ささやかな読書時間も減り気味。もう仕事やめて農耕に専念したいなあ、という妄想に駆られる。  隣の区画の東さん(仮名)は、ちょうど一年前に市民農園を借りたという。スコップを器用に使い、とてもきれいな畝をつくっている。ここの土壌、粘土みたいで固くないで

          #55 百鬼堂農園(7) 鉄の爪

          #番外 井上尚弥vsルイス・ネリ

          布袋寅泰の演奏で出てくるとは。さすがタイソン以来の東京ドーム戦。カッコええなあ。 別の競技見てるみたいに、スピードが全然違うわ、井上。しかしネリって強いのね。いきなりダウン奪ってびっくりしたわ。井上コンビ炸裂。ノーガード戦法出た!紙一重で躱すのうまいなあ。 あの細かなパンチの応酬に、ものすごい技術が詰まっていると感じる。 うお〜、モンスター井上尚弥やっぱり強い!

          #番外 井上尚弥vsルイス・ネリ

          #54 最近よんだもの(15) 成長と上達は違う

           私は職場と自宅にそれぞれハズキルーペを持っている。通勤途中にあったドトールは惜しまれつつ閉店し、サイゼの辛味チキンは、コロナ以降、店舗で冷凍のものを袋買いするようになった。謎の前フリは以上。 「資本主義の次に来る世界」(ジェイソン・ヒッケル、野中香方子訳、東洋経済新報社)  愛読してやまないnote某氏が強く推していたので、読んでみた。資本主義とは、人類と地球環境にとってどういうものであるかを明快に示す、なかなか大変な本でした。デカルトとベーコン、GDPと幸福度、気候変

          #54 最近よんだもの(15) 成長と上達は違う

          #53 百鬼堂農園(6) 萌芽

           市民農園を借りてから、書きたいことがいくらでもある。畑仕事は単調なことはほとんどなく、必ず何か起きる。noteで書くことがない、という人は、プランターで何か育てるなどしてみてはどうでしょうか。  一番ハードルが低いと思っていたハツカダイコンの芽が出ない。4~5日で発芽とあるが、土壌が厳しすぎたか。枝豆とスナップエンドウの葉が少し黄色くなり、強風で倒れかけている。トウモロコシは元気そう。なぜか植えてしまったマリーゴールドは、花はきれいだが葉がしおしお。  思わず妻に愚痴を

          #53 百鬼堂農園(6) 萌芽

          #52 百鬼堂農園(5) 農業ストロングスタイル

           市民農園に知り合いができた。東隣の区画の東さん(仮名)と、西側に2区画離れた大西さん(仮名)である。初心者の私に親切に声をかけてくれる優しいふたりである。大西さんは前回、ニラを自由に取っていいと声を掛けてくれたご老人。市民農園の先達であるふたりを追って紹介していきたい。が、しないかもしれない。  育てやすそうな品種、4月半ばに種をまいたり苗を植えたりするのに向いている品種、収穫して食べてみたい品種。あれこれ考え、ノートに書き出す。読んだ本によると、連作障害や土壌の酸度を調

          #52 百鬼堂農園(5) 農業ストロングスタイル