北海道魚類映画社

北海道の川に生きる生き物たちを記録しています。主にサケ科魚類と野鳥たちの姿を動画で紹介…

北海道魚類映画社

北海道の川に生きる生き物たちを記録しています。主にサケ科魚類と野鳥たちの姿を動画で紹介します。ときどき、写真や展覧会の情報も掲載します。

最近の記事

スナヤツメの産卵のお作法ってどんなの?

5月から6月にかけて、川を歩いているとときどき目につくのがスナヤツメです。 太平洋川の湧水河川のサケ科稚魚の状況を確認するため、苫小牧市のパンケナイ川を調べてきました。 火山の影響が濃い場所らしい白い砂の川底に、ゆっくり流れていく透明な水。あたりが湿地に囲まれていてアプローチが少々歩きにくい分だけ、その流れはとても魅力的です。 川の流れで最初に目についたのが、トゲウオのピョンピョン泳ぐさま、ついで、ニョロニョロと上流に向かうスナヤツメでした。 そのスナヤツメが向かった向かっ

    • 札幌 中の川のサケ稚魚がモグモグ と 星置川のサケ稚魚はあふれたところにいる件

      6月に入って、札幌市内の川のサケ稚魚の海への降下が終わりました。ここで、5月の観察結果を記録しておきます。 中の川の食欲旺盛なサケ稚魚たち 手稲区を流れる中の川は、3面護岸で直線化されているため、流れにそれほど変化はありません。逆に言えば、サケ稚魚を探す場所は限られていて、泳いでいればあっさり見つかります。 今回観察したのは、幅が絞られていた流れが急激に広がり、流速が遅くなる場所です。サケ稚魚たちにとっては、あんまり一生懸命に泳がなくてもよく、流れてきたエサもスピードが落

      • スジエビが中の川と富丘川の交点を占拠していた

        そろそろ札幌市内の川のサケ稚魚のほとんどが海に旅立った5月の下旬、サケ稚魚が残っていないか中の川のJR鉄橋下を調べてきました。というのも、この場所で5月30日に撮影したことがあるからです。 ことしはというと…新たな発見がありました。 スジエビが集結していました(サケ稚魚は1匹も見あたらず)。 スジエビって、わたしの中では、ガサガサするとあっさり捕まるのに、水上から見ても見つからない、という種類の生き物です。 それが、足の踏み場がない状態でどっさりいました。正直にいうと、ち

        • 横でも後ろでもなく前に泳ぐヨコエビ

          札幌市内の川は、4月の下旬、厚別川にサケ稚魚を探しに行った時のことです。落差工のすぐそばにある小さな分流にサクラマスの稚魚を見つけました。 大きな集団だと、ふるまいも大胆で観察しやすいのですが、あいにく小集団。慎重に見ていると、目の前を横切っていく、動物が…。 ヨコエビでした。ヨコエビって、後ろにピヨーンというふうに泳ぐのかなと思っていたら、素直に前に進んでいました。しかも滑らかに。かたちに似合わない華麗な泳ぎで、ヨコエビ、見直しました。 それにしても推進力は、足かきなので

        スナヤツメの産卵のお作法ってどんなの?

          真駒内川 落差工の上流で野生のサケ稚魚を確認しました

          札幌の真ん中を流れる豊平川の支流、真駒内川は、豊平川さけ科学館の近くにある落差工が、サケの行手を阻んできました。そこに、2023年の夏から秋にかけて、簡易魚道=布式魚道が取り付けられ、サケたちが上流へ向かったと、note記事でお伝えしました。 その後も、上流にのぼったサケたちが、産卵床を作ったことをご紹介したのがこちら。 と、ここまできたら、そのサケの子どもたちが誕生したことも確認してお見せしたいと思っていました。 2月から時間を見つけては現地に通うこと、2か月。あたり

          真駒内川 落差工の上流で野生のサケ稚魚を確認しました

          手稲山山麓のアライグマ続報 なぜ上を目指す!?

          4月上旬にアライグマの姿を確認しましたので、その後も裏庭の観察を続けています。 意外とすぐに結果が出たのと同時に、アライグマらしい?行動も確認しました。 顔の模様を漫画にかいたときに、タヌキとアライグマを描き分けることができない日本国民のなんと多いことか…。 正直、イメージは同じですが、決定的な違いは、顔の紋様もそうなんですけど、足の構造です。 アライグマは木にうまくのぼれます。 タヌキは、つまるところイヌなので、木に登るのは不得意です(登らないわけではないようです)。

          手稲山山麓のアライグマ続報 なぜ上を目指す!?

          みんな地面でエサ探し 真駒内公園のオオアカゲラ

          真駒内川に行くと、いつも野鳥を観察しているみなさんとすれ違うので、今回は野鳥を探して真駒内公園を歩いてみました。 最初に出会ったのは、シジュウカラ。2羽で飛び回っているところを見るとつがいなのでしょうか。 ちょこまかと動き回る2羽を目で追っていると、20メートルくらい離れたところにいた野鳥カメラマンの男性がレンズを地面の方に向けているのが見えました。 視線の先には、オオアカゲラ。頭がてっぺんまで赤くて、お腹のあいまいな色合いが目に止まりました。 このオオアカゲラ、落ち葉の

          みんな地面でエサ探し 真駒内公園のオオアカゲラ

          丸亀製麺の裏の中の川でサケ稚魚が大口開けています

          ことしは3月に入ってからも雪が積もったので、降り口が限られる中の川を調べることができていませんでした。4月6日にようやく河原に降り立ち、手稲区の追分西橋から追分中央橋まで探索しました。 雪解け増水の時期のチェックポイントは、巻き返しやブッシュの下です。中の川は住宅街を流れてくる川なので、いろいろゴミが流れつきます。雪がとけてくると、ゴミがあちこちで顔を出し、巻き返しにもゴミが引っかかったりしていて、とても残念なのですが、その隙間にサケ稚魚を見つけると妙に愛おしく感じます。

          丸亀製麺の裏の中の川でサケ稚魚が大口開けています

          手稲山近辺にいるとは思っていたアライグマが裏庭に

          ニホンテンが通行していることが判明して以来、無雪期にも誰が裏庭を通り過ぎているのか調べるためカメラトラップをかけています。 その結果がさっそく出ました。アライグマが通過していることが判明しました。 冬場の足跡では、見かけたことはありませんでした。 手稲山のふもとなので、1キロ圏内には必ずいるだろうなと思っていました。ただ、裏庭を通過しているとは驚きです。 これで、裏庭を通過した哺乳類は、ネコ・キタキツネ・ノネズミ・ニホンテン・ホモサピエンスとあわせて6種類となりました。

          手稲山近辺にいるとは思っていたアライグマが裏庭に

          大人もぜひ サケの絵本

          岩崎書店からサケの絵本が出版されました。 カメラマンの二神慎之介さんの「うまれたよ!サケ」です。 小学校低学年〜向けの「写真絵本」ですけど、大人の方にも見てほしいです。 ふだん動画でサケの様子をいろいろとご紹介していますが、大きなサイズの写真ならではの、細密さとか迫力は、すばらしく魅力的です。 岩崎書店のオフィシャルページこちら 岩崎書店が出版してきたシリーズ、「よみきかせ いきもの しゃしんえほん」の47作目とのこと。シリーズの別の作品も見てみたいです。

          大人もぜひ サケの絵本

          豊平川 氷の下にサケ稚魚を見つける

          3月になっても雪がまだたっぷりある河原をラッセルして、平和大橋上流の水路でサケ稚魚を探してきました。 この場所は、湧水があって、1月までサケの親魚がいる場所です。とはいえ、地上の寒さは変わらないわけで、流れのゆるやかなところは表面に薄氷がはっています。 この水路、水量がけっこうあるので、流心のスピードが速く、稚魚がたむろしそうな緩やかな流れは限られます。その貴重な流れの前に三脚を立てて、じっと我慢。 しばらくすると、水中の植物の脇から出てきました。 出てきたのは、サケ稚

          豊平川 氷の下にサケ稚魚を見つける

          豊平川の湧水ポイントを3月4日測って見た

          2月の中旬に投稿した豊平川の稚魚がいたのは、東橋下流左岸の水路でした。この付近には温度の高い湧き水があるため、早くもサケの稚魚が浮上しているという報告でした。その後、水路付近がどうなっているのか、3/4に現地を調べてきました。 結論から言うと、東橋直下の流れでサケ稚魚2匹を目視したほかは、サケ稚魚を見つけることができず、前回サケ稚魚が群れていた場所には、1匹もいませんでした。 群れていない稚魚は警戒心が強く、すぐに石の下に隠れてしまうので、映像はとれていません。 それだけ

          豊平川の湧水ポイントを3月4日測って見た

          手稲山のふもとでアカゲラの水分補給を目撃しました(または樹液なめ)

          札幌、手稲山のふもとの森は、太陽の光が強くなって、少し春が近づいた気分になっています。地面の雪も締まって、誰かが通ったあとならスノーシューがなくても歩けそうなほうどです。 その森で、いま一番見つけやすいのは、アカゲラです。木をつつく音を辿ればたいてい姿を見ることができます。 その姿を追っていくと、木をつつくのではなく、くちばしを滑らせている様子を発見しました。 観察すると、木の枝のまたに積もっていた雪が太陽光で溶け出して幹の表面を伝って下方向に広がっていて、この水分をすくい取

          手稲山のふもとでアカゲラの水分補給を目撃しました(または樹液なめ)

          豊平川の2月の野生サケ稚魚 湧き水に育てられ

          大都市、札幌を流れる豊平川の東橋の下流側に、湧き水が流れ込む分流があります。以前は、本流と直接つながっていたので、ある程度流れがあったのですが、去年の出水で、直接の流入口が閉塞してだいぶ水量が少なくなりました。 となると、湧き水の温度の影響が強くなったはずで、2月4日の分流の流心は5度。いい感じで「ぬるい」です。この一帯の湧き水の温度は、砂利の中では10度近くあって、夏用の胴長なら、「あ、温度違うね」と感じられるほどです。 この温度に育てられた野生のサケ稚魚たちが、そろそろ砂

          豊平川の2月の野生サケ稚魚 湧き水に育てられ

          札幌 手稲山ふもとの住宅街に 細長い もふもふ=ニホンテン(?)登場

          手稲山のふもとにある北海道魚類映画社の拠点を、闇に紛れて徘徊する細長い動物を確認しました。 魚類映画社は、カメラの性能テストをかねて拠点の裏庭に、自動撮影カメラを設置しています。2023年の最後の訪問者はキタキツネで、2024年最初の訪問者も、予想通りキタキツネでした。 ところ、そのあとやってきたのは…。 キタキツネはなぜか、ベンチの足をくぐって去っていくのは、「草むらを歩く安心感」みたいなものがあるからなのでしょうか? わざわざそこを通らなくてもいいのに。 そして1月1

          札幌 手稲山ふもとの住宅街に 細長い もふもふ=ニホンテン(?)登場

          豊平川の1月のサケを支える湧き水

          豊平川には、1月になってもサケがいるってご存知でしたか。豊平川にやってくるサケには前期群と後期群があります。後期群がくるのは11月半ば以降、水が凍るほど寒い冬に卵を産んで大丈夫なの?と思いますが、大丈夫です。温かい水が湧き出しているところなどに産んでいます。 これらの湧き水は、地下をくぐってやってくので、8度から10度くらい。温度が一定なので、水温が0度近くまで下がる冬は温かく、水温が20度を超える夏は冷たいとも言えます。 2023−2024シーズンの最後に見つけた豊平川

          豊平川の1月のサケを支える湧き水