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編集者やっています。 気が向いた時の、日記がわり、備忘録がわり。 どこにも書き留めてお…

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編集者やっています。 気が向いた時の、日記がわり、備忘録がわり。 どこにも書き留めておけないような思いつきや、四方山話の類いを綴っていくつもりです。

最近の記事

Webだって、もっとエモーショナルでいい

先日、最初に結論を持ってこないと継読率が著しく下がるから、Webメディアでは、紙媒体でよくある「起承転結」より「PREP法」が馴染むんだという議論に、自分なりの疑問を呈した記事を投稿しました。 投稿しましたら、PREP法に関する記事がいくつも出てきて。オススメされていらっしゃる方はホントに多いですね。当然ながら、わかっていらっしゃる方々は無責任な礼賛ばかりでなく、使いどころの向き不向きをキチンと語られています。しかし、そうじゃない方も多い多い。まるでPREPやSDSを魔法か

    • 象牙の塔

      わたしが通っていた高校は、だだっ広い平野に突っ立っていて、遠くからでもそれとわかる3階建の建物でした。 外観は、なんの変哲もないグレイッシュな地味目の色合い。ただ、その構造がちょっと面白くて。3つの棟がアディダスの3本線みたいに並行して立っていて、その3つの翼を大玄関のあるメイン棟でつないでいます。きっと、ドローン飛ばして上空からの映像を眺めたら、ちょうど、“ヨ”の字のように見えるはずです。 で、前述した3翼が、北側から1年生、2年生、3年生の各学年に割り当てられ、各棟の

      • 大流動化時代

        あんまり身内のあれこれは口外すべきではないのかもしれませぬが。 ウチの娘(姉)が、これまで2度ほど転職していましてね。今、3つ目の会社で頑張っていて、これが中々いい感じにフィットしているらしく。 当初、職種や業態を聞いて、果たして娘に務まるのかなと若干不安になるよな内容だったんですが、そんなものは親の杞憂でした。毎朝わりかし楽しそうに出かけていきますし、夜帰ってきても充実しているっぽいんで、肌に合ってるんでしょう。面倒見のいい上司や先輩に出会う幸運に恵まれたのかもしれません。

        • 夜は助言を運ぶ

          フランスの諺に「La nuit porte conseil」というのがあります。 nuit(夜)がconseil(アドバイス)をporte (運ぶ)してくれるという意味ですから、素直に訳せばまさに「夜は助言を運ぶ」。 ですが、一般的には「一晩よく考えろ」って意味合いで使われていて、わたしも長らくそう思ってました。 しかし、我が家にある旺文社のプチ・ロワイヤル仏和辞典(仏語初心者必携のベストセラー辞典)を眺めていたら、conseilの項にこの諺が載っていて、「一晩眠ればよい知

        Webだって、もっとエモーショナルでいい

          ENFJ-T

          気分転換に、MBTI診断ってのをやってみました。 取引先の人から「わたしさんも一度やってみてくださいよ〜」といわれ、ほんの軽い気持ちで。まるでゲームかなんかだと思いながら。 ところが設問がそこそこ細かくて。わりとしんどい。 20くらいだったでしょうか。もっとありましたかね。 直感的に答えていけばいいといわれたんですが、例えば「自分とは異なる経験をした人の気持ちを理解できる」という問いに対して「まぁまぁ同意」って答えておきながら、「人の気持ちを理解するのは難しいとよく感じる

          ENFJ-T

          因中有果

          古代インドの正統六派哲学の一つ、サーンキヤ学派。その教えに「因中有果(いんちゅううか)」というのがあります。 簡単に申し上げると、物事の結果は原因の中にすでに包含されているということ。世界に起こるすべての事象は、原因という種子の中に、あらかじめ、ある結果が生じるようDNAが仕込まれているという考え方です。同じインド発祥の仏教にも「因果応報」ってのがありますよね。いい行いをすればいい結果が起こり、悪い行いには悪い結果が待っているというアレ。うん、少し似ています。 ただ、因果

          因中有果

          代表取締役

          わたしの名刺には「代表取締役」という肩書きが添えてあります。 こないだ会社を設立された知り合いの編集者さんと名刺交換したら「代表取締役“社長”」と入っていました。昔からの馴染みで、わりとなんでも言い合える関係の氏に、ちょっとイジワルな疑問をぶつけてみました。 「ねぇねぇ。なんでわざわざ『社長』って入れたの?」って。 会社法とか疎いんで知らなかったんですが、代表取締役って、実は同じ会社に複数人いてもいいんだそうですね。代表権を持った役員を複数置くメリットは、代表が意思決定し

          代表取締役

          サステナブルな編集ってなんだろう

          最近、Netflixで『涙の女王』を見ています。 ウチのカミさんがいうには、あの名作『愛の不時着』の視聴率を抜いた韓国歴代最高の人気ドラマとのことで。まぁ、期待せずに眺めていたらコレがわりかし面白い。だもんで、ここ数日の夜はだいたいこれを見てます。 その中で、財閥のお嬢様であり、百貨店経営者である主人公が、自分の会社にガン治療の基金を作りたいと言いだすシーンがありました。 ビジネスに私情を挟まない主人公。秘書は驚きながら「なぜ?」と尋ねます。 曰く、別に社員たちがかわいいわ

          サステナブルな編集ってなんだろう

          他己紹介

          社内に若手スタッフがチラホラいた時分、彼らの新人研修を兼ねた編集講座を企画したことがあります。ついでに編集に興味を持たれているクライアントさんや外部クリエイターさんなんかもお呼びして。お客さんと現場の相互理解の場として期間はワンクール、週イチペースでやってました。 カリキュラムは、わたしが某専門学校の講義のために練ったワークショップ的なやつ。それこそ編集企画の立て方やら、予算の組み方やら、取材の段取りなど、ひと通り頭に入れておけば、明日からでもうちの会社でやっていけんじゃな

          他己紹介

          旅煩い

          先日、小旅行気分を味わわせてくれそうな都心の街歩きについて書き留めました。でもやっぱり、時間とお金の浪費が許されるなら、ゆっくり海外に行きたいわ〜と思ったり。 オアフ島、ハワイ島 サンフランシスコ、ダラス、ヒューストン、マイアミ グアム、サイパン バンクーバー カンクン シンガポール 広州、上海、北京 ソウル、釜山 クアラルンプール バンコク バリ島(デンパサール、ウブド) パリ、ニース、ボルドー、ヴェルサイユ、ブサンソン モナコ ロンドン、エジンバラ、グラスゴー、オークニ

          旅煩い

          企画書は隙だらけぐらいのほうが、むしろいいのだよ

          編集者のみならず、ライターさんもディレクターさんも企画書を書く機会は多いですよね。 わたしもお仕事の内容に応じて企画書を作成したり、逆に出された企画書を吟味したりすることがありますが、考えてみれば人の数だけスタイルがあるもんだと気づかされます。 ひと昔前くらいからでしょうか。ある程度、書き方のフォーマットが浸透したのか、はたまたペーパーレス化が影響してか、シンプルで、要点がわかりやすい企画書が当たり前になってきたように思います。しかし、それ以前のものはヒドイのがいっぱいあり

          企画書は隙だらけぐらいのほうが、むしろいいのだよ

          例え話

          ふだんのメールのやりとり、あるいは打ち合わせなんかで、「あちゃー、たぶんこれ、絶対伝わってねぇー」ってことがありますでしょ。そういうときについつい多用しちゃうのが例え話。ご自身の経験論から似たような例を引いてきてみたり、逆にお相手の得意なフィールドに寄せて投げかけたりと、どなたもわりと使っている場面は多いと思います。 それでお相手の反応を見て、腑に落ちてもらえた時は、なかなかどうしてこれがうれしい。 例え話は、話が長くなっちゃうある種の脱線行為ではあるのですが、気の利いた

          例え話

          大型連休中の都心歩き

          ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか? ウチはもう2人の子どもたちが大きくなったので、家族でどこかへ出かけるなんてイベントは随分と減りました。そうなると、カミさんと2人で散歩がわりにどこか近場へ行こうかということになります。 住んでる区内はあらかたどこも行き尽くした感があるので、どっか別のところに足を伸ばしたい。でも、夢のナンチャラランドとか、人で賑わうアウトレットとか、クルマでちょっと遠出して近県の観光地とか、そういうのは疲れに行くだけのようなもんなのでパス。都

          大型連休中の都心歩き

          「Webは頭括か双括、紙媒体は尾括」←ホントにそうかなぁ?

          一昨年にお声がけをいただいて、昨年まるっと月イチペースで複数の取材記事やコラムを書いてきた某お仕事。今春でいったん契約が切れることになっていたんですが、その後、おかげさまで継続する運びとなりました。ゴールデンウィーク明けから、またバタバタとコンテンツ制作がスタートする予定です。 そのご連絡があった際、どんなテーマを取り上げていくべきか、昨年一年を通して得た反省を踏まえ、どんな改善を行っていくべきか、といったお話をさせていただきました。 それに対してクライアントさんから示唆

          「Webは頭括か双括、紙媒体は尾括」←ホントにそうかなぁ?

          苦手なオファーだけど、あれこれ書いて、整理して、やるかやらぬか決めてみっか

          よく、お付き合いのあるクライアント企業さまから、ちょっとした社内教育プログラムの一環で「編集や情報発信というものについて、小一時間ほど喋ってくれません?」というお願いをされることがあります。 直近、そんなような話が立ちぼっておりまして。せっかくなんで、noteにしたためて頭の中を整理しようかしらと。 企業情報誌って、その企業の皆さんの取り組みだったり、外部のステークホルダーへ発信したいプロジェクトのあらましだったりを、読者にわかりやすく記事化しなければならない場面があります

          苦手なオファーだけど、あれこれ書いて、整理して、やるかやらぬか決めてみっか

          愚公移山

          タイトルに掲げた逸話からお話しましょうか。 こちらは中国戦国時代の『列子』の編纂された説話の一つです。その昔、愚行という老人がいまして。自宅のそばに聳え立った山が邪魔で邪魔で。交通の便をよくするため、人の往来を助けたいがため、家族総出で山を切り崩し始めました。それを見ていた人が「人の手で崩せるはずがない」と笑うと、愚公翁は「山は増えない、動かない。子々孫々、土をどかし続ければいつかは道が拓ける」と答えました。その志を意気に感じた天帝(創造主)が一夜にして山を動かしたというも

          愚公移山