HIROYA ISOZAKI

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    投稿の中から詩をピックアップします。

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白石かずこの死と天童大人の聲

白石かずこが今日お亡くなりになったらしい。(まだニュースになっていない)私は名古屋から来ていたVOYの同人加藤英俊君と天童大人の聲を聞くために京橋のギャラリーにいた。天童氏はいつになく動揺していたようだった。享年94歳、天寿をまっとうしたと言えるが、数少ない盟友である白石氏の逝去のタイミングで、自分が聲を打つ(彼は、詩を読むと言わない。空間に聲を打ち込むという)ことの偶然に驚きを隠せないようだった。 天童氏は、ある種の神秘家である。そして、自身の使命に強い確信を持っている。そ

    • 権威との戦い 自分が天才でないことは認めよう

      権威主義に陥らないブランドってあるのか? カラヴァジオ? マチス? バスキア? サリンジャー? ランボー? シドビシャス? マルクス? ドゥルーズ? あるある  あるよ 日本には少ない 中也 太宰 芥川  リーウーハン 尾形光琳 近松門左衛門 Utamaro 横尾忠則 予定調和はつまらない 後輩たちよ ここまででもおよそ8年くらいかかる しかもまだ全然だよ 新しい表現のために表現技術をあえて学ばない戦略は 一旦ここで終わった 色々やったんだよ 本当に 悲しいけど自分

      • 狂ってるを掃除する

        苦難を乗り越えることは良いこと この国では そう言われることが多い これは人生を ある種の修行として 捉える考え方だ 仏教の影響が大きいのだろう キリストの命は短い だからキリスト教の国 では 苦難を乗り換える前に 死んでしまう それをよしとしている メッセージを残すことが大事だ パワーピーポー イマジン こうして 日本では修行によって 時間をかけて 乗り越えるべきものが アメリカでは  突然嵐のように  変異して  イノベートして ブレイクスルーする つまりグロー

        • 【現代詩】いろんなものが残っちゃうからね 

          そこで変な声出すと いろんなものか 残っちゃうからね 呼び起こしちゃうし やつは 沖縄行った時から 戦死した老婆がついちゃった だからおばあさんみたいだろ たしかに 声が場所にのこるってほんとかな 最近は僕も エネルギー落ちて 淀んでる感じ あまり人前に出たくない 劣化したからね 全体的にむくんでいる感じ 運動不足もあるかな 少し歩くか 腰がしんどくて 運気は上がったり 停滞したり 次のガツンはない 抑圧されるのはつまらないな 石の上にも三年 自由にはなれないかな ら

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          溝口の助っ人登場

          同人誌VOYの準備が進んでいる 10人くらいの執筆者が集まっていい感じ 神奈川テレビの仲間の黒川くんは 溝口ラブ 現代詩人というより  タレントかカルチャー系のモデルに近いイケメン詩人(ブルータスとか) 寄稿は難しいかなと思っていたけど 間に合ってよかった 日々の思いを かっこよく 詩にしてくれてる ありがとう 黒川隆介くん https://www.youtube.com/watch?v=EUEuasZ05mk

          溝口の助っ人登場

          友だちが1人死んじゃった

          昔一緒に遊んだ友達が癌で死んじゃった 63歳くらい あっけない 亡くなる一年くらい前から  病状をFacebookであげていたんだ 今日は体温37度血圧90130咳が止まらない娘くる抗がん剤やめようかな 家帰りたいとか 癌で亡くなるプロセスを皆に伝えたいという趣旨だった 僕の周りで3人目だな  死ぬ前の映像とかあげると  成仏できないと思うな 抗がん剤が 辛そうだった 昔 ヤクザに脅されて  六本木でヤクザを紹介してもらったことがある 「殴ることも 殺すことも可能だが 

          友だちが1人死んじゃった

          初夏に 大人げない

          こんなメールもらってダメージ受けた。 僕はスパイクジョーンズの 「かいじゅうたちがいるところ」をみていた。 そして怪獣と一緒に吠えた。 「磯崎さん、いろいろ書いて下さりありがとうございます。思うところを伝えます。あなたの詩は本当にひどい。私は体調が悪くなった。磯崎さんとはひと回り以上歳が上、一番は体が弱っていて、それはあなたにははわからないです、その状況にならないと。なんとか磯崎さんがおっしゃってくださったように(うれしかった)シュールな心的暮らしをしているので、心だけは自

          初夏に 大人げない

          MOCAFについて(サンプリング)

          東日本大震災から11年となる今年の3月11日、私は福島県富岡町の、とある空き地に立っていた。もっとも、この場所にはこれまでも何度か訪れている。かつてここに家が建っていたとき、私はその家の持ち主に招かれ短時間だけだが屋内へとお邪魔した。放射能の影響を最小限に防ぐための防護服を着用してのことだった。家のなかは地震による大きな揺れと原発事故による避難で経過した年月を経てなお、持ち出したいものも持ち出せず、まるで時間が止まってしまっているかのようだった。その後、家は取り壊しとなり、あ

          MOCAFについて(サンプリング)

          鉄の匂い 血の匂い

          朝から親しい老人二人を 傷つけてしまった。 僕の詩集の感想に頭にきたので 反論したのだ 「疲れたから降りる」 「ついていけない 感心しない」 と言われた。 なので傷つけた。 仕返ししたのだ。 僕にとって「詩」がまるで 資本主義になっているような気分。 詩さえなければ 悔しがる必要もない 向こうだって「よかれ」と思って言っている。 それなりに理由があるわけだ。 インドを語ることも 銀座で絵の展覧会をすることも。 足の脛が意味不明に痒くなって かきむしった。 黒白猫が僕を

          鉄の匂い 血の匂い

          【詩】猫と渦巻き

          猫が歩いている いっぴきにひき ありがのがれていく 渦巻いている 平和な 畳の部屋 ミツバチ 鴉 あの人のひどい手紙 進んで  降下する 畳の上で ミルクを飲んで マドレーヌを食べて スティービーワンダの口笛を吹く ゾンビは 畳の裏にいる お前を殺してやる という言葉が 天井裏に 書かれていても気にしない 言葉よびびれ しめ殺す 予言 故郷 スーツ へり 森と街 全部捨てた しとせい ようといん しんびたいけん 捨てた 猫が背中を伸ばして あくびをしてい

          【詩】猫と渦巻き

          【現代詩】詩人の領分 悲しいことがあった

          ありがとうございます。Sさんの言葉から私の詩に対する拒絶を感じました。悲しいことです。私の詩を真剣に読んでいただき心から感謝します。映画のように鑑賞してもらえたのだと思います。しかし、詩人が詩集に意味や物語を求めると、お互いに辛いかもしれません。 「読者が置いてきぼりになる」 「詩は読み手に寄り添わなくてはならない」と注意されることがあります。 しかし、詩はトランキライザーではありません。 詩は毒であり、 病であり、 狂気であり、 世界を救う処方箋です。 そう信じていま

          【現代詩】詩人の領分 悲しいことがあった

          〈詩評〉現代詩モダンホラーの法王 広瀬大志『毒猫』を読む

          広瀬大志『毒猫』 ホラー神学の完成とこの先について 第2回西脇順三郎賞受賞作品『毒猫』の著者は広瀬大志、ライトバース出版から昨年の6月に出版された。広瀬大志の詩は、「詩のモダンホラー」と呼ばれる。野村喜和夫は、西脇順三郎賞を授与するにあたり 「『毒猫』でそのピークに達したという感がある」 と記した。 これは、モダンホラーを武器とする広瀬氏にとって死刑宣告に近い。実際『毒猫』から、ホラー色の強すぎると判断された作品は、『毒猫』本体からは外されていて、別冊『異形篇』に収められ

          〈詩評〉現代詩モダンホラーの法王 広瀬大志『毒猫』を読む

          思いつくままに毒のついた言葉をあげてみる 毒婦 毒蛇 毒虫 毒蛾 毒物 毒矢 毒液 毒牙  毒血 毒砂 毒殺 毒舌 毒蛇 毒手 毒酒 毒心  毒針 毒念 毒杯 毒筆 毒草 魚 蛇 女 虫 魚 蛇 女 虫 男達が愛と恐怖を同時に感じる生き物

          〈詩評〉詩は虚構をサバイブすることなのか?第24回H氏賞を巡って

          〈詩評〉詩は虚構をサバイブすることなのか?第24回H氏賞を巡って

          使ってる言葉

          使っている言語が違うというのは、なかなか鋭いんじゃない? 向こう側から虚しく叫んでいるような、どこかに蝦夷(被支配者)的な何かが漂っている自らうちにうちに籠っていく感じ  叫べば叫ぶほど 裂ける 裏返る フラジャイル それでいて本当の私は違うと小さく叫んでいる つき放された身体、生理のこと、初潮のこと  まるで女であることを恥じているような  何かに永遠に支配されている もがきながらあきらめている  自虐の笑いと牢獄の抒情 永遠の異邦人 そして都会のアリス こうして世界

          使ってる言葉

          【現代詩】一瞬

          逃してしまった 一瞬 一つに溶けていた 滑らかな曲線 ムジャベス ここは脳の沢 奥の肌 ストックホルムでお流しします ノワールの猫の 15m2 アフォーダンスで 一瞬を掴んだ気になっていた

          【現代詩】一瞬