深月流架

50代のサラリーマンです。自作の小説中心にアップしております。よろしくお願いします。

深月流架

50代のサラリーマンです。自作の小説中心にアップしております。よろしくお願いします。

マガジン

  • 深月流架読んだ本について語る

    読んだ本の紹介、感想、批評などをまとめています。

  • 深月流架の人生を共に歩んだ名曲たち

    様々なジャンルの名曲を紹介したり、エッセイにしたり、そんな文章を集めています。

  • 深月流架雑文集

    日々の雑感、昔の思い出、ショートストーリー等を集めています

  • 素人作家による小説論

    創作について考えること。素晴らしい小説を書くには?

  • 🛎️考えるドラばな

    ドラえもんを哲学的に捉えてみた雑文を集めました

最近の記事

  • 固定された記事

「自己紹介」

50代のサラリーマンです。自作の小説、書評、エッセイなどを投稿しています。好きな作家は、フランツ・カフカ、トルストイ、カミュ、村上春樹、辻邦生、安部公房、田中芳樹などなど。小説は幅広いジャンルで読んでいます。仕事をしながら創作活動をするのはなかなか骨が折れる作業ですが、夢に向かって頑張っております。よろしくお願いします。 ⭐️自作小説はこちら⭐️

    • 「近況」

      💐「無料でしかも短時間で取れる資格に挑戦してみた件」  仕事の必要上、「熱中症アンバサダー」という資格を取った。取ったと言っても、30分ほどの講義を3本視聴して、その後、確認テストを全問正解させるだけ。しかもその確認テストは何度挑戦してもよくて、さらに同じ問題で、なおかつ間違えたところの答えまで出してくれる。つまり、何も知らなくても、3回4回やれば誰でも合格できるというわけ。むしろ、90分ほど講義を視聴しなければいけないのが苦痛。僕の場合は、4回目で全問正解を果たし、晴れて

      • 「これからもずっと僕は、大切な人のために言葉を探し求める」

        ⭐️窪美澄「夜のふくらみ」を読んで 『手のひらにすっぽり収まりそうな黒猫の小さな頭を撫でながら、ふいにこみ上げてくるものがあって顔を上げた。雲間から今にも消えそうな星がひとつ瞬いているのが見えたが、またすぐに雲に隠れて見えなくなった。 誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。 顔も名前も思い出せないけど、あの夜、美しいあの人は確かに僕にそう言った。 「裕太、おめでとう」 さっきよりもさらに大き

        • 「インテリジェンスラウドロック〜究極のハードロック進化形」

           もう7年も経つのか、と思う。仕事で大きな挫折をした。その時に出会ったバンドが彼らだった。  この曲を聴いた時、何かが弾けた。  あくまでもヘヴィなサウンドだが、その曲構成は複雑怪奇だ。デスボイスのハイトーンボイスのツインボーカル、スラッシュメタルばりのギタリフが出てきたと思いきや、JPOPばりのキャッチーなサビ、うねりまくるベースライン、正確無比なドラミング、、、、ハードロックに何か他の音楽性を加味したクロスオーバー的なサウンドは昔からちらほら出現しているとは思うんだけ

        • 固定された記事

        「自己紹介」

        マガジン

        • 深月流架読んだ本について語る
          34本
        • 深月流架の人生を共に歩んだ名曲たち
          5本
        • 深月流架雑文集
          24本
        • 素人作家による小説論
          13本
        • 🛎️考えるドラばな
          4本
        • エスパー雀士ミハルの憂鬱
          13本

        記事

          「迷宮❷」

          『迷宮②〜傷の共有』 僕は今日も彼女の心の迷宮にいた。 もう、いくつ、入口を見つけたのだろう。 入り組んだ迷路は、時折僕の方向感覚を見失わせる。 松明が時には明るく輝き、時には消えそうなくらい暗くなる。 迷路の中に落ちている様々な記憶の断片。 一つ一つの断片を丁寧に拾い、僕の記憶にしまっていく。 一つ一つの断片が一つ一つの傷になって、彼女を苦しめている。 入り組んだ迷路に無数に存在する入口と 無数に落ちている記憶の断片。 僕は何度か心が折れそうになった。 心に傷

          「迷宮❷」

          「迷宮」

          『迷宮〜愛する人と過去を共有することについての思考』 いよいよだ。 僕は彼女の心の迷宮に足を踏み入れた。 全てを受け入れようと決めたからだ。 その迷路の出口は一つしかない、おそらく。 【しかし、入口はいくつも存在する】 一つの入口からは、他の入口は見えない。 入口から入った僕は、未来への希望の光を松明にしながら、一歩一歩前に進んでいく。 いくつもの曲がり角があり、いくつもの十字路があった。 僕は手探りで進んでいく。 一瞬、出口から射す光が僕の目に止まる。

          「トナカイの悩み」

           街はずれの書店でさがしていた短編集をやっと見つけ、お会計をしようとレジに向かうと、トナカイが包装の練習をしていた。二本足で器用に立っているトナカイのツノにはサンタクロースがかぶる白のぼんぼんがついた赤い毛糸の帽子がちょこんとひっかけられている。帽子の真ん中くらいの位置には、merryXmas!、という文字の金色の刺繍がされていた。  クリスマス用の袋に本を入れ、口を閉じ、後ろ側をクリスマスシールを使って貼り付け、そのあとリボンをかける。人間がやるなら大したことはない作業な

          「トナカイの悩み」

          「November Rain」【前編】

          【1991年11月】  「ちょっと、校長!あいつらの要求を呑んだって、本当ですか?」  教頭の猿田は、酒の飲み過ぎで赤くなった頬をさらに紅潮させて、校長の白木に詰め寄った。ワックスでガチガチに固められたバーコード頭が、蛍光灯に照らされて醜く光っている。  「要求を呑んだって、教頭も大袈裟だわね。たかだか合唱大会の合間に、バンド演奏をさせて欲しいって頼まれただけじゃない。しかもたった一曲。七分だけよ。何をそんなにキリキリしてるの?また血圧上がっても知らないわよ」  白木

          「November Rain」【前編】

          📕宮本輝「月光の東」を書き手として読んでみた時

          🥀宮本輝「月光の東」  「十三歳のときの私の恋は、いまもまだつづいていると思うのも本心ですし、加古慎二郎への嫉妬も本心ですし、よねかを癒せる男になりたいのも本心なんです。  誰もが、みなそうであるにちがいありません。人は誰もが無数の本心を持っている」       〜宮本輝「月光の東」より  パキスタンのカラチで首を吊って自殺をしてしまった友人の影には「よねか」という幼馴染の女性の影がちらついていた。  この物語は、多くの男性を虜にしながらも自らの心をすり減らしてゆく「

          📕宮本輝「月光の東」を書き手として読んでみた時

          「近況」

          📕「結果ではなく過程を大切にしないと充実感は得られないということ」 ❶「私が店長になった理由」76枚 ❷「社長が店にやってくる」109枚 ❸「エスパー雀士ミハルの憂鬱」194枚 ❹「十字架の雫」143枚    〜枚数は原稿用紙換算  これが過去約三年の間に書いた小説の全てになる。これ以外に短いやつもいくつかあるし、途中まで書いたけれど行き詰まって放置している作品もある。  サラリーマンをしながら小説を書くとなると、きちんとした作品に仕上げられるのはせいぜい、年に一作品だ

          少年の頃の思い出❷〜「ゼビウス」

          🌹「ゼビウス」  小学生の頃、駄菓子屋というところは実に怖い場所であった。なぜなら、駄菓子屋の中にゲーム筐体がひとつふたつ設置されていて、そこがいわゆる不良たちの溜まり場になっていたからである。  僕がその溜まり場で初めてゲーム筐体に触れたのは「ブロック崩し」だった。上級生に連れて行かれていやいや行ってみたのだが、それが逆にテレビゲームにハマり込むきっかけになってしまった。  当時は家庭用ゲーム機はまだ普及されておらず、テレビゲームをしたければ五十円玉を握りしめて、駄菓

          少年の頃の思い出❷〜「ゼビウス」

          「俺が初めて小説を書いた時の話」〜スティクス「Mr.ロボット」

          🌹「俺が初めて小説を書いた話」〜スティクス「Mr.ロボット」  中学校の国語の授業で、お話を作って書こうというものがあった。当時、俺は作文だとかが大の苦手で、読書自体も嫌いだった。でも、架空の物語となると話が違ったらしく、原稿用紙十枚くらいの物語を書いた記憶がある。  当時、洋楽を聴き始めたばかりで、家に帰れば洋楽鑑賞三昧だった俺は、スティクスの「Mr.ロボット」という曲が大好きだった。その曲から多大なるインスピレーションを受けた俺は、人間に酷使されるロボット達が知能を持

          「俺が初めて小説を書いた時の話」〜スティクス「Mr.ロボット」

          🎵ポリス「見つめていたい」

          🎼「初恋」  卒業式が終わったあと、僕は校門の前で、彼女と写真を撮った。風が強い日だった。卒業証書の入った黒い筒を抱きしめた彼女の髪が風に靡いている。僕はその隣で左手に黒い筒を無造作に握り、右手でピースサインをしていた。  進むべき道は決まっていて、迷いという感情とは無縁だった。敷かれたレールの上をただ真っ直ぐ進んで行けばよかった。自由を犠牲にして安心を手に入れていた。大人になるということがまだ遠い未来のように思えた。  その日、彼女と何を話したのか、そのあと、僕達は一

          🎵ポリス「見つめていたい」

          🎵ソフィア「街」

          🎵ソフィア「街」〜見えないものに向かう時、人は誰も孤独  名曲ひしめく90年代J POPシーンにおいて、最高の一曲は?と聞かれたら俺はこの曲を選ぶ。  何回繰り返して聴いても飽きない美しいメロディライン、文学的な歌詞は言うに及ばず、間奏のギターは良い音出してるし、その後転調して再びサビに向かうところのベースラインは印象的だし、とにかくこの曲は完璧なのである。  この曲を作ったというだけで、松岡さんのシンガーソングライターとしての力量は、ミスチルの桜井さん、イエモンの吉井

          🎵ソフィア「街」

          🎵すかんち「恋のマジックポーション」

          「ロックにおいて、ベース音をディストーションで歪ませることの是非」  メロディラインはギタリストに任せておけばいいのに、と、ビリーシーンのベースプレイを見てなんだか茶番じゃねえか、と思ったその昔。  ベーシストにおいて最も大切な役割は、ドラマーと一心同体になって正確なリズムを刻むこと。そう信じて疑わなかったが、それだけではやはりつまらない。  でも、ベースをピックを使って弾くとか、ギター以上にベースが目立つとかそりゃ違うだろ。ましてや、ディストーションで音を歪ませるなん

          🎵すかんち「恋のマジックポーション」

          💐「小説において風景描写は必要なのか?」❻〜木を見て森を作る描写【エキストラを描写する】

             「翌朝、ぼくはコーヒーとブリオッシュの朝食をとりに、サン・ミシェル大通りをスフロ通りまで歩いていった。気持ちのいい朝だった。リュクサンブール公園では、マロニエの花が真っ盛りだった。暑い日を予感させるような、早朝の爽やかさが漂っていた。コーヒーを飲みつつ新聞を読んでから、タバコをふかした。花売りの女たちが市場のほうからやってきて、一日分の花を並べにかかる。法律学校に向かう学生たちや、ソルボンヌのほうに下ってゆく学生たちが通り過ぎる。大通りは電車や勤めに向かう人たちで混雑

          💐「小説において風景描写は必要なのか?」❻〜木を見て森を作る描写【エキストラを描写する】