「仕事」もテーマになってくる2022年映画ベスト20

明けましておめでとうございます!というわけで、2022年映画ベスト20をあげますよ!
ワースト10はこちら↓
年の瀬にまさかのダークホースが追い抜いた2022年映画ワースト10

そんなわけでスタート!媒体で紹介した記事のリンクも置いておきますね。

20位 バズ・ライトイヤー

世間的な評判はそこそこだけど個人的にめちゃくちゃ刺さった映画その1。スピンオフ作品であるためか興行収入はイマイチで全然その後も注目されていない気がするけど、あの開始20分間の過酷すぎる展開に超絶感動したんだけどな…! ↑の予告編でその衝撃も語られているけど、できれば知らないままディズニープラスで観てほしい。ピクサー作品としてもファミリー向けSF映画としてもかなり攻めた姿勢を支持。ポンコツな仲間たちもなんだかんだで好きですよ。

<見どころ解説>『バズ・ライトイヤー』の同性愛描写は「当たり前」だから素晴らしい | CINEMAS+

19位 恋は光

「恋の定義とは?」などの哲学を楽しく語る物語。西野七瀬、平祐奈、馬場ふみか、それぞれ良い意味で極端なキャラにハマりまくりで超かわいい(重要)。原作の秋★枝さんの独特の恋愛観が、良い意味でクセの強いキャラを描く小林啓一監督・脚本との最高の相性を見せていたと思う。1位の映画同じく縁側で好きなこと(人)を語るシーンが尊いというのもいいな…!同じく変人たちのラブストーリー『まともじゃないのは君も一緒』にも似た魅力があるので、そちらが好きな方もぜひ。

18位 劇場版 からかい上手の高木さん

原作漫画とテレビアニメは軽く触れている程度だけど、中学3年生最後の夏休みを切り取り、かつ普遍的な「変化」についての見事な寓話になっていることにド感動したよ…!おじさん目線だとこういう若者が何か大切なことに気づく過程に弱いんだよ…!わりと予備知識なくても楽しめる内容ですので、1月10日からAmazonプライムビデオでも観られるのでぜひ。あと絶対にエンドロール後のシーンを見逃さないで!

17位 神は見返りを求める

神のように優しいムロツヨシが底辺YouTuberの岸井ゆきのを献身的にサポート。だがその後は超良い意味で地獄を見続けることに…!若葉竜也の人の問題を勝手に言うクズ野郎っぷりもしんどい!人間の観たくもない(でも観たい)嫉妬や情けなさオンパレードで吉田恵輔監督のドSな作家性フルスロットル…!ウェーイ系のインフルエンサーやリア充を一方的に嫌っている自分の浅ましい心をなんでこんなにわかってくれるの…心にグサグサくるのでしぬかと思いました(褒めてる)。

16位 雄獅少年 少年とそらに舞う獅子

負け犬少年3人組が獅子舞チームを結成し、師匠に弟子入りする『ベスト・キッド』的王道スポ根映画!貧困の問題もとても切実に描かれていて、全く甘やかさない作劇が見事。とにかく獅子舞の演技とアクションのクオリティが半端なく中国アニメ映画の凄さを『羅小黒戦記』とは別ベクトルで堪能できる、後述の5位の映画に匹敵するスポーツ映画の傑作だよ……!
超小規模&限定的な劇場公開で観るのが難しかったのですが、なんとギャガさんという最高の配給会社の力により2023年に全国公開&吹き替え版制作決定おめでとう!観てくれ…!

映画『原題:雄獅少年(ライオン少年)』公式サイト

15位 夏へのトンネル、さよならの出口

ある「代償」の代わりに欲しいものが手に入るトンネルをめぐる、82分のミニマムな上映時間で語るSF恋愛アニメ映画。「共同戦線」の過程にワクワクするし、その先のファンタジーだからこそ描ける、現実に通ずる寓話に感動。さすがは『映画大好きポンポさん』の新鋭アニメ製作会社CLAP、少ない予算で可能な限りのアニメの豊かさに満ちていた。原作からのアレンジも上手く、あの「傘」のアイテムも秀逸です。

映画『夏へのトンネル、さよならの出口』が青春版『インターステラー』と言える傑作の理由 | CINEMAS+

14位 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

アメコミ映画史上でもトップクラスの世評だけど、もうみんなが好きだしな〜でもあのファンサービスはもはや反則級だもんな〜でもそのファンサービスをしっかり物語に組み込んでいて上手いよな〜!と心がブレてくるけどやはり素晴らしい内容。あの終わり方に「納得したくないけど納得できる」もの…!トム・ホランドという役者の魅力も最大限に活かした、これ以上のないほどの「スパイダーマンの物語」でした。あと試写で観た人が未見の人に恨みをぶつけられ、自分含む試写で人たちもネタバレを口にできないと、共に苦しみを背負ったことも今ではいい思い出ですね(だよね?)

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」ネタバレなしレビュー 史上最高の“「子ども時代の終わり」映画”(1/3 ページ) - ねとらぼ
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ネタバレなし!知ってほしい「マルチバース」の定義や面白さを科学者の野村泰紀先生が解説 | CINEMAS+

13位 夜を走る

とにかくめちゃくちゃ面白い&ネタバレ厳禁な内容なので予備知識をあまり入れずに観てくれ…となる映画。史上最狂レベルで「どこに連れて行かれるかわからない」展開の読めない(でも計算され尽くされた)映画で、「嘘だろ?」の連続で今まで味わったことのない、言語化ができない独特の感覚になれる傑作。良い意味で居心地の悪〜い、気味の悪〜い内容なので、そういうのが好きな方は是が非でも観ていただきたい(なおその特徴だからこそまあまあ賛否両論)。最高の松重豊を目撃する理由で観てもいいよ!

『夜を走る』まさかの『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』ラインの傑作!|日刊サイゾー

12位 窓辺にて

パフェを食べながら話し合うだけで超面白い映画ってすごくないですか。「誰もが考えているけど口には出さないこと」ををずーっと話し合っていて、それが一生の財産になる、そんな作品。143分と長めの尺なのにずっと面白くて逆に「短っ…!」と思いましたよ!稲垣吾郎が稲垣吾郎本人そのものに思えるちょっと変人だけど誠実な役柄で、玉城ティナも最高でずっと観ていたい。恋愛や浮気の話ながら、もっと広い「後悔」と「救い」の物語でもある。この物語を考えた今泉力哉監督、絶対めっちゃ優しい人です。

「悩む稲垣吾郎」がすばらしい。私たちを静かに肯定してくれる映画『窓辺にて』を読み解く | 女子SPA!

11位 ノイズ

世間的な評判はそこそこだけど個人的にめちゃくちゃ刺さった映画その2。藤原竜也と松山ケンイチ(共に嘘をつくのが上手い)と神木隆之介(嘘をつくのが下手)が馴染同士という神キャスティングだし、「絶対にこんな目には遭いたくない」のバーゲンセールなサスペンスとして面白すぎるし村社会の嫌なところを悪意たっぷりに描くグロテスクさも最高。余貴美子と柄本明の良い意味でのやりすぎ演技(爆笑)も凄いよ!何より「友情」というものの本質をすごくイヤ〜に描いてくれて大好き。脚本家の月岡翔さん、監督作の『この子は邪悪』も『線は、僕を描く』の共同脚本の仕事も素晴らしかったので今後も追います!

映画『ノイズ』藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介が見事にハマった傑作の理由|日刊サイゾー
玉木宏が過去最高に恐ろしい映画『この子は邪悪』の魅力|日刊サイゾー
横浜流星の「目に涙を浮かべた表情」が完ペキ。映画『線は、僕を描く』の魅力を読み解く | 女子SPA!

さてさて、ここからベスト10……ですが、まだ媒体「サイゾー」でその記事が公開されていないので、先に映画のタイトルと順位だけ挙げておきます。それぞれの紹介文は掲載されたらリンクを追記しますので、少々お待ちください…!
※追記:アップされました。
『メタモルフォーゼの縁側』がBEST1!映画ライター・ヒナタカの2022年映画ベスト10|日刊サイゾー

10位 シャドウ・イン・クラウド
9位 バブル
8位 RRR
7位 セイント・フランシス
6位 トップガン マーヴェリック
5位 THE FIRST SLAM DUNK
4位 私ときどきレッサーパンダ
3位 映画 ゆるキャン△
2位 ハケンアニメ!
1位 メタモルフォーゼの縁側

それぞれの記事へのリンクも一挙に掲載しておきます。
アニメ映画『バブル』を全力で称賛&解説|“マイノリティー”と“世界の肯定”の物語だった | CINEMAS+
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『映画 ゆるキャン△』や『ハケンアニメ!』は「仕事」にまつわる映画で、だからこそ、ここ最近に悩んだことがあるからこそベストに選んだところもありますね。極端ではあるけど『トップガン マーヴェリック』『神は見返りを求める』も仕事映画ですよね。あとは『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は惜しくも選外、『ボイリング・ポイント 沸騰』を「逆映画ゆるキャン△」と記事で紹介したのはなかなか的を得ていたと思いました

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その他入れたかったけど選外となってしまったのは『コーダ あいのうた』『シチリアを征服したクマ王国の物語』『グッバイ、ドン・グリーズ!』『マイスモールランド』『流浪の月』『ちょっと思い出しただけ』『ザ・バットマン』『女子高生に殺されたい』『LOVE LIFE』『線は、僕を描く』『ぼくらのよあけ』『すずめの戸締まり』『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』『あのこと』『ある男』『かがみの孤城』などですね。ぜんぶもう1位でいいよ。

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さらに『シン・ウルトラマン』も4本も記事を書いているあたり、不満もありつつ、やっぱり好きだと言えますね。

ちなみに2022年に書いた記事で我ながら書いてて気に入っているのは『ノー・シャーク』のレビューですね。こちらもベスト20以内に入れてもぜんぜんいい秀作でした。

逆にサメが出ない 純文学的サメ映画「ノー・シャーク」レビュー - ねとらぼ

あとは映画ではなくゲームだけど、人気キャラクター「ブリジット」について書いた記事もお気に入り。こういう切り口は続けていきたいですね。

ちょっとブリジットについて語らせてくれ! 「男の娘」として生まれたキャラクターが現実の「トランスジェンダー」についても知見を投げかける理由 - ねとらぼ

そんなわけで以上!また2023年の期待作&試写で観た超推薦作など媒体で書きます。新年もよろしくお願いします!

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