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ブリーダーズCデー分析予想!「コースを攻略する!」

 こんばんは、ヒデです。本日は深夜から本番アメリカのBC、ブリーダーズCが行われます。生産者のためにつくられた競走。今年は西海岸のサンタアニタパーク競馬場で施行されることもあり、日本調教馬が大挙として参戦。ダートの王者ウシュバテソーロ、UAEダービー馬デルマソトガケを筆頭に8頭がアメリカへと渡りました。
 今回はどんなコースなのか、そして攻略方法などを分析していきたいと思います。それでは本日もよろしくお願いします!

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1.サンタアニタパーク競馬場って?

 サンタアニタパーク競馬場はアメリカはカリフォルニア州、アーケディアに位置する競馬場。西海岸の競馬場としては21年に日本馬が多数挑戦し2勝を挙げたデルマー競馬場と並んで長い歴史を持つ競馬場。開場は1934年で東京競馬場とほぼ同期。
 1995年からは東京シティ競馬(大井競馬場)と友好交流提携を結んでおり、日本では大井競馬場でサンタアニタトロフィーが、サンタアニタパークでは東京シティCがそれぞれ交換競走として行われています。サンタアニタにはTCKの専用厩舎から出走が可能という設備も。マンダリンヒーローが出走したのもそれを利用してでした。
 コースは左回りで外回りコースはダート、内回りコースは芝というアメリカでよくあるタイプ。ダートコースは一周1608mで大井競馬場と同等、芝コースは日本ではなかなかみられない1周1408m。芝コースはスピードが出やすく、時計も早めになります。
 また、芝コースにはヒルサイドコースというものがあり、2000mや2400mといった距離はこちらからスタート。同コースはスタートしてからしばらくは下り坂で進み、ダートコースを横切り内側の芝コースに入る難コース。過去には七冠馬シンボリルドルフがサンルイレイSに挑戦した際、この箇所で故障(6着)。引退の要因となりました。

○血統ワンポイント「芝は○○の米国系」

 血統分析家らしくヒデ調べの血統ワンポイントを一つ。スピードの出やすく日本に近いと言われている米国の芝、ここで活躍するのがサンデー系との相性が良い「米国血統」。
 今回ターフに出走するBalladeer(パラディア)はフォーティナイナー系のDistorted Humor産駒。母父としてはフェアリーSを制したスマイルカナ(父:ディープインパクト)がいる血統。そのほか今年サンタアニタ競馬場で行われたチャールズウィッティンガムステークス(芝10F=約2000m)を勝利したOfflee NaughtyはFlashbackを介してTapitに繋がる血統。母父Tapitのサンデー系といえばグランアレグリア(父:ディープインパクト)やパラダイスSの覇者アルーシャでお馴染みです。
 Giants Causewayの産駒が好相性なのことを考えると、デルマーで母父StormCatであるラヴズオンリーユーが勝利したのも頷けます。米国系の濃さを一つの転機判断ポイントにすると良いでしょう。

○血統ワンポイント②ダートは「スピード」

 今週ダート競馬ファンの皆様は耳にタコができるほど聞いたであろう「シルト化」砂が泥のようになることを指しますが、これはすなわち土の上を走る米国に近い傾向といえます。
 さらにサンタアニタパークはスピードに乗りやすい傾向があり、よりスピード型の血統が重要になってきます。
 では、米国のスピード血統とはどのような種牡馬を指すのか。ケンタッキーダービーの時に作った表で確認してみましょう。

スピード系の種牡馬
・Gone West系
・Fappiano系
・Forty Niner系(除アイルハヴアナザー)
・Unbridled's Song系
・Pulpit系
・Tale of the Cat系
・Smart Strike系
・Halo系

例えばサンタアニタダービー(ダート9F=約1800m)を勝利したPractical Moveは父Practical JokeでStorm Cat系。日本では芝の短距離で活躍するデュガの父です。さらに大井から挑戦して2着だったマンダリンヒーローはシャンハイボビー産駒でやはりStorm Cat系。
 このように、サンタアニタのダートはスピードに乗ることが重要。結果として加速に優れた米国系が好走しやすいのです。これらの産駒を重要視していきましょう。


ブリーダーズC各競走分析!

 それではここからはブリーダーズCの各競走を分析していきましょう。今回は日本で発売されるブリーダーズカップフィリー&メアターフ、ブリーダーズカップマイル、ブリーダーズカップターフ、ブリーダーズカップクラシックの4レースを分析していきます。簡易的な分析ですがどうぞご覧ください。

ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(芝2000m)

 この競走は米国芝の女王決定戦の位置付け。芝2000mで施行されるため、ダートを横切るコースを使うことになります。
 1番のポイントは若い馬が制圧しやすいコースであるということ。過去10年3歳馬が4勝、4歳馬が3勝と大半を占めます。しかし、穴を開けるのは6歳馬。意外に21年にはマイシスターナットが42.2倍2着と激走。若い馬中心も高齢馬の一撃にも注意が必要となります。
 前回19年にサンタアニタパークで行われた同競走で3着以内に入ったイリデンカ、ヴァシリカ、シスターチャーリーは共に父系は欧州系も母父には米国系が入っていました。加速力とその持続力、つまり末脚持続力が勝負を分けるポイントになります。血統的に狙いたいのはKingmambo系とDanzig系。

日本馬ジャッジ
ウインマリリン 評価:C

→22年の香港ヴァーズ勝ち馬。今年は調子が悪く、微妙。母父がFusaichi Pegasusということで爆発力がないわけではありませんが、3着以内に入るのが精一杯なイメージです。

該当馬
インイタリアン
→昨年の同競走2着、Dubawi系と母父Danzig系ということでこのコースの方がキーンランドよりもパフォーマンスを上げる可能性があります。今年も調子を維持しており、最右翼候補か。
ディディア
→サンタアニタのG2ロデオドライブS覇者。父OrpenはDanzig系で、このコースと相性が良いタイプ。それがこの結果につながっているのでしょう。今回も経験を活かせれば走れても良いはず。面白い一頭になりそうです。

ブリーダーズカップマイル(芝1600m)

 ブリーダーズCが創設された当初からある競走で、米国馬が強いのが特徴の競走。スピードタイプの血統が多い米国らしいとも言えます。日本からはソングラインとウインカーネリアンが出走します。
 過去10年は地元アメリカが5勝、イギリスが3勝。この二カ国が強いものの、スピード優勢のサンタアニタで行われた過去3回はいずれも米国調教馬が勝利。
 さらに、高齢馬の活躍が目立ちます。5歳以上が連対しやすいようですから、ソングラインにもチャンスあり...!?
 小回りコースだけに、3コーナーから長く脚を使う必要があります。それだけにこのコースでも長く良い脚を使わなければならないため、Kingmambo系やDanzig系が好走。これらの血統と米国系との組み合わせが絶好となりそうです。参考にしたいのが19年の覇者ユニ。

日本馬ジャッジ
ソングライン 評価:B

→厳しい評価になりますが、今回は少し難しい戦いになるかもしれません。キズナ産駒はディープインパクトとStorm Catということでパワーの持続力を補完していますが、母父シンボリクリスエスということで、日本の芝に適性があるタイプ。米国は日本の適正と近いといいますが、大箱のコースが得意であることや日本系の血統が強すぎると言えるかもしれません。そう考えると少し信頼できません。軸には向かない印象です。

ウインマイティー 評価:B
→爆発の可能性を秘めた一頭。当馬の父スクリーンヒーローはSilver Hawkから続く欧州ロベルトの血脈、母父マイネルラヴはSeeking The Goldで米国系。血統のバランス的には16年2着のテピンが近いと言えます。日本でも冬の東京が得意なタイプだけに、ここでも一撃があってもおかしくありません。

該当馬
カサクリード
→サンタアニタ初参戦も血統的にはかなり合致しそうな馬。Jimmy CreedはForty Ninerでスピードを補完、そして母父系はChief's CrownでDanzigに辿り着く血統。スピードと末脚持続系を兼ね備えた血統であり、一番向いている可能性があります。ここのところ芝マイル重賞連勝中での適性の高さを示しています。

マスターオブシーズ
→主戦場は欧州もDubawi産駒に母父Danhillでサンタアニタの馬場には合いそうです。Dubawiの父を辿っていくとSeeking The Goldに辿り着き、米国色の色濃く残る欧州系。バランス的には合いそうですから、期待できそうです。

ブリーダーズカップターフ(芝2400m)

 豪華メンバーの共演となったダートを横切る2400m戦。日本のダービー馬であるシャフリヤールと英愛のダービー馬、オーギュストロダンと3カ国でダービーを制したディープインパクト産駒が参戦します。それでもレーティングNo.1は128を記録したモスターダフ。そのほか凱旋門賞3着のオネストなど、ハイベルなメンバーが揃い、近年でも稀に見るレベルとも言われていますね。

 欧州が強いレースで、過去10年の傾向ではアイルランドが4勝でトップ。次いでイギリスが3勝となっており、圧倒的に欧州有利です。今年は不参加も英国のC.アップルビー調教師が連覇中。そして過去10年3度あったサンタアニタ開催はアイランドが2勝、そして米国・プリックスアンドモルタルが1勝となっています。
 血統的にはSadler's WellsとDanzig優勢。これは欧州系が強いことも窺えます。末脚の持続力よりもパワーとそれを続ける持続力が重要になるコースということです。プリックスアンドモルタルのようにStorm Catのクロスでも好走できることから、ズバリNorthern Dancerの血こそ、この競走活躍するための条件なのでしょう。ただし、勝負所での加速力は必要です。

日本馬ジャッジ
シャフリヤール 評価:B

→日本なら芝、アメリカならダート。つまりはスピードタイプの種牡馬。なんと言っても母・ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリントの覇者。スピードや高速馬場に向いてしまっているわけです。そうするとここの好走レンジからは完全にかけ離れてしまっています。
 それでも評価したのはドバイシーマクラシックを勝利しているところです。長く脚を使えるのは東京で証明済。経験だけには期待できます。

該当馬
オネスト

→凱旋門賞3着。父を辿ればGalileo、Sadler's Wellsと続き、母父Cape Cross系でDanzig系。まさしく欧州系。そういうタイプが活躍できる馬場ですから活躍が見込めるタイプです。2400mはパリ大賞勝利するなど実績が見込めます。ここでも一撃を見せることも十分可能でしょう。

アップトゥザマーク
→Not This Time産駒でStorm Cat系。そして母父Ghost zapperでVice Regentに辿り着くNorthern Dancerに辿り着く血統。米国の芝に適性を見せていますし、延長も問題なし。米国調教馬が一撃を喰らわせることも十分可能でしょう。

ブリーダーズカップクラシック(ダ2000m)

 世界一のダート競馬のレースと言っても過言ではないレース。ダートの本場アメリカで行われるだけに、最も評価されるべきレースともいえます。今年らドバイワールドカップを制したウシュバテソーロ、UAEダービーを制したデルマソトガケが参戦。回避も相次ぎアメリカでも一番人気タイに推されているウシュバテソーロは世界からも警戒された存在。まだ見ぬ頂はもうすぐそこです。
 
 日本のダート界はベテラン勢も活躍するイメージがありますが、アメリカでは若駒が圧倒的に有利。過去10年で3歳馬が4勝、4歳馬が3勝、5歳馬も3勝で5歳以下しか勝利していません。日本は芝馬が早くに引退しますが、そのイメージかもしれません。6歳以上は7頭しか出走していないものの、一頭も馬券になっていませんから苦戦傾向。
 所属はアメリカが圧倒的。これは言わなくても良いでしょう。言わずもがなです。
 血統的にはMr.Prospectorの血が優勢。サンタアニタ開催の2016年にはFappiano系のArrogate(アロゲート)が勝利。2019年の開催もCurlin産駒のVino Rossoが4馬身差の大勝。これほどミスプロ系が有利になっています。16年2着のカリフォルニアクロームもAP Indy系でスピード優勢のLucky Pupit産駒でした。上でも書いた通り、スピードがポイントになることは間違いありません。

日本馬ジャッジ
ウシュバテソーロ 評価:B

→ドバイワールドカップを制したオルフェーヴル産駒。血統的には全く評価できません。父オルフェーヴルはステイゴールド(母父ディグタス)と母父メジロマックイーンで欧州決闘。母父はKingmambo系、母母父はボールドルーラー系とほぼ欧州一色。そりゃ芝使いますよとは思います。
 ただ、高速馬場だった東京や大井、砂の厚い船橋を攻略していますし、パドックや調教からは走る気がしないところから見ても「型にはまらない」馬なんですよね。横浜Sで見せた上がり34.0秒は世界レベル。東京大賞典馬が世界一へ。それは純粋に応援したいのですが、適性面は厳しいというほかありません。

デルマソトガケ 評価:B
→昨年の全日本2歳優駿の勝ち馬で、今年のUAEダービー馬。ダート競馬ファンとしては感慨深いものがあります。応援が入ってダメですね。
 それはともかく、Vice Regent系。父マインドユアビスケッツは同競走11着でした。そう考えると適性は厳しいかもしれません。ただ、ケンタッキーダービー6着は快挙に近いですよね。2000mをこなすには少し注文が必要になりますから、スピードを活かす展開。すなわち差しならばチャンスありです。

該当馬
ミストザカット

→ダート2400mの東京シティCを0.9秒差で制した快速馬。英国デビューでクラシックとは無縁もメキメキと実力をつけてきた一頭です。Gone Westから続く血脈に母父英国Danzig系が入ったことでスピードとその持続力に優れたタイプ。中距離以上でこそ真価を発揮すると言えますので、今回は連勝に期待。
サウジクラウン
→今年のペンシルバニアダービーの覇者。この馬のポイントはなんと言ってもEmpire Makerの血を引くこと。BCクラシックはAmerican Pharaohなと勝利を挙げている相性の良い産駒。Empire Makerは中距離では欠かせない血脈だけに、今回もノーマークにするには危険すぎるでしょう。
ブライトフューチャー
→2019年にVino Rossoが勝利した馬と同じCurlin産駒。前走はサラトガ競馬場で行われたジョッキークラブゴールドCで勝利するなど2000mでは抜群の強さを見せ始めています。なぜか日本では人気がありませんが、有力馬の一頭としてみても大丈夫でしょう。ベテランで評価の高い「ザ・キャプテン」J.ヴェラスケス騎手の手綱捌きにも期待。日本で言うと福永元騎手のようなものでしょうか?


ブリーダーズC 印・買い目

 以下は印と買い目です。迷った時にはご利用ください。

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