タイム
※ネタです。
「・・・。あ!そ・・・いや・・・。ちょ、ちょっとタイム!タイム!」
ビーッ!
「どうしたの?戸塚君?サイン出してるだろ?」
「いやあの、キャプテン・・・。読み取れなくて・・・サインが・・・。」
「何でだよ!分かりやすいだろ?!だからぁ・・・でぇ・・・だよ!分かった?」
「分かんないです。分かんないんで、ちょっと口頭で・・・お願い出来ますか?」
「しょうがないなぁ。試合が終わったら、とりあえず飯を食いに行こう。予約してあるから。それで・・・。」
「飯の話だったんですか?てっきり・・・。」
「あー、そっか。そうだな。勉強会にも見えるよな。この箸を持つ手は、ペンを持つ手に見えるかもな。でも・・・。」
「そうじゃなくて、試合のサインじゃなかったんですか?」
「試合はさっき言ったじゃん?決めてこいって。でね・・・。」
「あれ?あれですか?試合のサインの方が口頭だったんですか?元々?」
「元々も何も、指示は分かりやすい方がいいだろ?だから・・・。」
「だから、それが対戦相手に分からないようにするのがサインで・・・。」
ビーッ!ビ、ビーッ!
「あ!すいません!もう少し!もう少しで終わるんで!はい!すいません!はいっ!
じゃあ、戸塚君さ。そういう事だから。決めてきて。それで帰りに飯・・・これに行こう。そしてその足で俺の家・・・あそこに・・・。」
「決めてこいたって・・・何か・・・戦略的ものとか・・・サインじゃなくて口頭ならせめて・・・。」
「戸塚君。我々が集まって練習したり、戦略を練ったり、サインを決めたりした事あったか?」
「・・・無いですね。あるのは・・・。」
「飯食・・・これに行く位だろ?そしてその後、たまに・・・あそこに行く位だろ?」
「そうか。そうですね。元々・・・。」
「試合中に送るサインなんかないんだよ。サインを送ってるとしたら、これか、あそこの事で・・・。」
ビビビビーッ!ビッ、ビーッ!
「はい!すいません!審判さん!すぐに!すぐに話が終わりますんで!もう9割方、話はついてるんで!はいっ!
分かりました、キャプテン。じゃあ・・・決めてきます。・・・あの、ちなみに・・・これって・・・。」
「それは・・・これが・・・こうで・・・ああだよ。」
「食べ放題・・・。」
「やめろっ!サインだぞ!これ!対戦相手に筒抜けになってしまう!その為のサインだぞ?!」
「そうか、そうでした。じゃあ、これが・・・それで・・・ああですね?」
「そうそう。それもあるから。決めてこい!終わったら・・・これだぞ!な!」
「はい!
お待たせしました!えーと・・・思考囲い。・・・これで。はい。ゴーです。・・・え?あ、そっか・・・ライフ・・・あれ?・・・んー・・・ありがとうございました。
・・・決められました。」
「だね。でも、決めたのは戸塚君だから。ある意味ね。・・・じゃあ、これ。行こうか?」
「はい!それ、行きましょう!食べ放・・・。」
「シッ!シーッ!何のためにサインだよ?その為のサインだよ?」
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。