只野成行

1961年生まれ。男。noteには主に映画感想文を書きます。実際に文章を書いてから、投…

只野成行

1961年生まれ。男。noteには主に映画感想文を書きます。実際に文章を書いてから、投稿するまで、間があるので、上映が終了していたりします。だから映画を見る参考にはなりません。画像は岡本太郎作品から無断借用しています。最近は、読書感想文も増えてきました。誤字脱字変換間違い多し。

マガジン

  • 読書日記

    読んだ本の感想。私の場合、ベストセラーとか話題の本はあまり読まず、時流からかなりズレている気がします。音楽本や映画本が多いかもしれません。当然、読書案内というより、いい歳をして、モンクたらたらの文章が多い気がします。あしからず。

  • 時事日記

    時事問題、社会問題に関する個人的な気持ちの吐露と提言?

  • エッセイのようなものとか

    いまいち分類できないような個人的な文章

  • 映画日記

    見た映画の感想文。おおむね、ほめるよりもモンクが多く、偏った感想になっている。

  • 異人・偉人日記

    映画、文学、ロック、などで活躍した異人・偉人に対する愛憎渦巻く個人的な気持ちを発露した文章。

最近の記事

読書日記 レイモンド・チャンドラー著『プレイバック』 不自然な駄々っ子小説

最初から最後まで不自然な小説 私立探偵のフィリップ・マーローは、朝方、自宅で寝ている時に電話で起こされる。電話の主は、会ったこともない弁護士事務所の男だ。今すぐどこぞの駅に行って、とある女を尾行してどこに行くか調べてくれ、という依頼だ。 マーローは、依頼を受けるとも受けないとも曖昧な返事をするが、電話の相手は秘書に詳細を持たせて、マーローの事務所まで行かせる、と言う。マーローはそれなら自宅にしてくれと言い、秘書はマーローの自宅に来ることになる。 秘書は本当に自宅にや

    • 読書日記 西川美和・著『スクリーンが待っている』 役所広司の顔と映画作りに関する雑感

      映画監督が書いた職業論のような製作日誌のようなエッセイ集 西川美和・著『スクリーンが待っている』小学館文庫という本を読んだ。2021年1月に出た本が、2024年の4月に文庫化されたのだ。 著者は映画監督だ。ウィキによると、是枝裕和の弟子筋に当たる人のようだ。 西川監督には、10本弱の映画作品がある。私は1本も見ていない。直近の作品が2021年2月に公開された『すばらしき世界』だ。 この映画は、役所広司が主人公を演じている。私は、少し前から役所広司の出ている映画を選

      • 読書日記 渋川祐子・著『味なニッポン戦後史』体にいいとか悪いとか

        渋川祐子・著『味なニッポン戦後史』集英社インターナショナル新書という本を読んだ。著者は食べ物文化に関する著作がメインのライターというか、ノンフィクションの人のようだ。他に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』という著書などがある。 『味なニッポン戦後史』は、全部で七つの味に章立てして、それに関する通説と、実際のところはどうなのかということを並べて、戦後日本人の味覚に関する受容と供給のおかしな歴史について、つまびらかにしている。 今まで当たり前だと思っていたことが、ずいぶんと

        • 仕事の仕方

          これは環境省が水俣病の患者や家族の人の話を聴くという懇談会で、発言の時間を3分と限定して、それ以上になったらマイクのスイッチきったかして、発言を中断させてしまったという事件だ。ニュースなどで問題視されて、その後、環境大臣が謝罪に訪れるという展開になっている。 そもそも懇談会は、相手の話を聞く場であって、政府が説明する会ではない。だから、3分と時間を限定するのがそもそもおかしいと、私は思う。環境省も大臣もあとから不適切だったと言いだして、結局謝罪する羽目になったが、どうしてこ

        読書日記 レイモンド・チャンドラー著『プレイバック』 不自然な駄々っ子小説

        マガジン

        • 読書日記
          53本
        • 時事日記
          5本
        • エッセイのようなものとか
          13本
        • 映画日記
          56本
        • 異人・偉人日記
          11本
        • 音盤日記
          2本

        記事

          面接

          しばらく前に、面接に行った。もう働くのは嫌だから、働ないで過ごそうと思っていたのだが、そうもいかなくなってきた。このままゴロゴロしていても貯金が減るばかりだし、さすがにそろそろ働こうかと思ったのだ。 働きたくないけど、働くのなら楽な仕事がいいなと思った。それで見つけたのが、近所にある高級低層マンションの管理人の募集だ。週四の日勤で、17万くらいの給料だ。週休三日だ。 履歴書をメールで送ったら、翌日の夕方に採用担当者から電話があった。明日の昼に面接に来いと言われた。 翌日

          noteの文章

          今更こんなことを書くのも変だが、最近、noteにはまっている。はまっていると言っても、自分でも文章を書いてアップしているけど、読む方だ。色んな人の文章が面白くて仕方がないのだ。 note には実に色んな人が参加している。文章のプロらしい人もいれば、普通の人も大勢いる。アーチストもいれば、オタクのような人もいる。海外に住んでいたり、海外旅行の経験が豊富な人もおり、私などが体験しそうもないことを教えてくれる。 文章の内容もまちまちだ。単に日記のように毎日書き続けている人もいる

          noteの文章

          読書日記 山本 俊輔 /佐藤 洋笑・共著『永遠なる「傷だらけの天使」』

          ショーケン絡みの本が出た。山本 俊輔 /佐藤 洋笑・共著『永遠なる「傷だらけの天使」』集英社新書という本だ。私はショーケン・ファンだから、すぐに買って読んだ。 この本は、ショーケンの代表作「傷だらけの天使」というテレビドラマについて書かれた本だ。「傷だらけの天使」は、1974年10月から1975年3月までの半年間に放送された。全部で26話ある。 もう50年も前のドラマだ。私の世代の一部で以上に評価が高いが、未だに人気があるらしく、若い人達にもファンがいるらしい。 本書の

          読書日記 山本 俊輔 /佐藤 洋笑・共著『永遠なる「傷だらけの天使」』

          映画日記  白石和彌/監督『孤狼の血 LEVEL2』

          『孤狼の血 LEVEL2』をネットフリックスで見た。 前作と別人になったような松坂桃李が主人公だ。いつまでたっても役所広司が出てこないなと思って見ている自分がいて、途中でそれに気がついて、笑った。 前作で死んでいたことをすっかり忘れていたのだ。前作を見て、まだ1週間も経っていないのに、この有様だ。私はボケたのだろうか……。最初は笑ったけど、すぐに笑えなくなった。 本当は役所広司主演の『すばらしき世界』が見たいのだ。しかし、ネットフリックにはないのだ。 映画『孤狼の血

          映画日記  白石和彌/監督『孤狼の血 LEVEL2』

          クマとかサルとかのこと

          私の田舎に動物園がある。平成以降に出来た施設だ。恐らくもう30年以上の歴史がある。私は昭和の末に東京に出て来てしまったから、よく知らないのだ。 帰省した時に、一度、友人に連れられて行ったことがあるが、サイがいたことくらいしか憶えていない。今は、ゾウやキリンもいるらしい。いや、ゾウやキリンは最初からいたのかもしれない。 去年の夏、その動物園に、野生のクマが侵入・出没したために、休園になったというニュースが何度か伝えられた。動物園にクマが侵入って、笑えるような変な状況だが、深

          クマとかサルとかのこと

          革靴

          先日、久しぶりに革靴を履いた。私には革靴を履く習慣がない。履くときは冠婚葬祭に限られる。 前回履いたのは、義姉の葬儀の時だから、数年前だ。今回は義母の葬儀だ。 前回以降、革靴は靴箱の中にあった。何代か前の革靴は、靴箱にしまっているうちにカビが生えたり、反ったりして、履けなかったり、あるいは履く際には手入れが必要になったりした。 だから、一応、吸湿剤と防カビ剤を入れておいた。今回は、そのまま履ける感じだった。といっても、安物の合成皮革の靴だ。 その日はあいにくの大雨だっ

          葬儀屋のホームページ

          葬儀屋のホームページを二つ見た。 一つは、単なる看板みたいなサイトで、連絡先以外、具体的な中身がなにもなかった。社長の挨拶があるだけで、実際の葬儀では、どんな形式が選べて、それらがいくらくらいかかるのか、といった知りたいことが、まったくわからなかった。 もう一つのサイトは、詳細な情報にあふれていた。選択肢がいくつもあり、見積もりの方法が示してあり、具体的な金額が明示してあった。葬儀会場や火葬場での費用、待機時の飲食代、どこの火葬場でやると最低いくら必要なのか等、返礼品につ

          葬儀屋のホームページ

          映画挫折日記 CGとアニメに違いがあるのだろうか?

          ネットフリックスで色んな映画を摘まみ食いしている。最初は、終わりまで見るつもりで見始めるのだが、大抵、途中でやめてしまう。私はかなり飽きっぽいのだ。 先日は、キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』という映画を3本見た。どれも、アクションシーンがメインの映画だった。そもそも、映画館の大画面で見ないと意味のない映画かもしれない。だから、私は、出発から間違っているのかもしれない。 最初は、ほーう、すごい、なんて見ていたけど、アクションシーンばっかりだと、どんなに派手でも飽き

          映画挫折日記 CGとアニメに違いがあるのだろうか?

          映画日記  白石和彌/監督『孤狼の血』ヤクザの顔と昭和

          ネットフリックスで『孤狼の血』を見た。 2018年公開の映画だ。 舞台は昭和の末の広島の街だ。対立するヤクザの組があって、それが全面戦争に発展してしまわないように、マル暴の刑事が奮闘するというハナシだ。 暴対法が施行される少し前だから、ヤクザを自由に描けるギリギリの時代設定だ。 ヤクザの親分役に、石橋蓮司、伊吹吾郎などが出てくる。その他の組員も、古典的なイメージそのものと言う配役と演技だ。 主人公のマル暴の刑事は、役所広司と松坂桃李だ。役所は、目的のためなら手段を択ば

          映画日記  白石和彌/監督『孤狼の血』ヤクザの顔と昭和

          映画日記 紀里谷和明/監督『世界の終わりから』アニメみたいな実写映画

          ネットフリックスで『世界の終わりから』という映画を見た。 紀里谷和明監督の最新作にして最後の作品『世界の終わりから』予告編 公団のような建物の居室にベッドがある。老婆が寝ている。病人のようだ。孫らしい女子高生と、医師と看護婦がいる。 医師が「ご臨終です」みたいなことを言う。看護婦が、女子高生に慰みのコトバをかけて、医師と看護婦はいなくなってしまう。ベッドの遺体と女子高生が残される。 そんなファーストシーンだったと思う。 両親はしばらく前に交通事故で亡くなっている。祖

          映画日記 紀里谷和明/監督『世界の終わりから』アニメみたいな実写映画

          映画日記 和田秀樹・監督「私は絶対許さない」 老人向け新書と実験的な映画

          ※多分、一年くらい前に書いて、下書きに入れておいて、忘れていた文章だ。せっかくだから、公開してみる。 1 老人向け新書を量産する流行作家 本屋に行くと、新書本のコーナーには、何歳になったらどうたらこうたら、といったタイトルの本が大量に並んでいる。心と体に関する老人向けの本だ。 少し前まで、「60歳」を過ぎたらだったのが、今は「70歳」に年齢が延長されている。今時、紙の本を買うのは老人ばかりなのだ。その老人も、ちょっと前は60代が中心だったのだが、きっと今は、スライドして

          映画日記 和田秀樹・監督「私は絶対許さない」 老人向け新書と実験的な映画

          読書日記 松村雄策・著『ハウリングの音が聴こえる』

          松村雄策・著『ハウリングの音が聴こえる』河出書房新社を読んだ。この本は、松村雄策が「小説すばる」に連載していた文章を一冊にまとめたものだ。 途中、著者が脳梗塞になったために、4か月間の中断がある。連載は復活したのだが、すぐに終了してしまう。これは著者の健康状態が影響したというよりも、編集部の意向だ。「小説すばる」は、元々、著者と相性がいいとはいえない。 連載が終わった著者は、その後、だんだん体調を崩していって、2022年の3月に70歳で亡くなってしまった。死因は、脳梗塞で

          読書日記 松村雄策・著『ハウリングの音が聴こえる』