栗林元

名古屋市出身。 広告会社で、営業、WEBディレクターとして勤務。 体験を生かした小説「…

栗林元

名古屋市出身。 広告会社で、営業、WEBディレクターとして勤務。 体験を生かした小説「神様の立候補」で、平成3年に第二回ビジネスストーリー大賞(テレビ東京/日本経済新聞)佳作入選。 現在は会社を退職し、マイペースで作品を発表しています。 近著は「不死の宴 第一部・第二部」

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  • 小説創作に憑かれた人よ!

    小説やシナリオなど、言葉で物語を描くことに関しての気づきや技に関する記事です。 「小説指南抄」は過去記事を、「創作エッセイ」は新しい記事をアップしています。

  • 映画レビュー

    記憶に残った映画の記録として。

  • ブックガイドや書評など、

    自分のアンテナにかかった作品をご案内

  • デジタル文芸

    栗林元の小説作品集。1997年から初めたWEBサイト「デジタル文芸」から名前を取りました。サイトは休眠中ですが、創作活動は継続中。

最近の記事

創作エッセイ(73)チャットAIに聞いてみた

今話題のAI。以前、自作の表紙を生成してみてその完成度に驚いたのだが(過去記事「インディペンデント作家は表紙に泣く」)、今回はその自作シリーズの内容と評価を聞いてみた。無名なインディペンデント作家にとっては気になることだもんな。 利用したのはCiciというAIで、どうやら女性キャラ。随所に私のツッコミを入れてある 小説「不死の宴」シリーズの内容と評価を教えてください。 「不死の宴」シリーズは、栗林元氏によるエンターテイメント小説で、不老不死のヴァンパイアたちの視点から描か

    • 創作エッセイ(72)小説指南サービス

      小説指南サービスについて サイタというコーチマッチングサービスでやっていた「小説指南」の後継サービスがこのPARKによる「小説指南オンライン」である。まあ、開店休業状態だけど(苦笑) 以下内容-------- WEB投稿サイト等で小説を書いている方たちに、作品執筆のためのアドバイスや助言を提供いたします。 ・小説を書いてみたけど、読者に通じるだろうか? ・これから書く作品のプロットに自信がない。 ・公募で一次予選は通るけど上に行けない。何が足りないのか? ・必ず途中で筆が止

      • 映画レビュー(107)「恐怖と戦慄の美女」(1975年)

        ホラー・オムニバス。テレビドラマであろう。三篇ともカレン・ブラックが主演している。 女教師と男子高校生、謎の姉妹、呪いの人形、という今ではおなじみの題材だが、ほぼこの作品ぐらいがルーツとみて間違いない。特に人形ネタの恐怖としては、あのチャッキーより古い「パペットマスター」という作品ですら 1989年。この作品はその15年前だ。 マシスンが直接映像にかかわったのは、この三作目だけらしい。 「恐怖と戦慄の美女」 (追記) 作品内の70年代半ばの時代色が、私自身の中学高校時代の記

        • 映画レビュー(106)「アウターレンジ 領域外」

          映画というよりアマゾン・オリジナルの連続ドラマシリーズ。 複雑な物語で、群像劇。メインとなる人物は、牧場荷主のロイヤル・アボット。彼の農場には謎のエリアがあり、奇妙な鉱石を算出する。その石を狙う隣人の牧場主のウェイン・ティラーソン。アボット家とティラーソン家の確執にさらに追い打ちをかけるのは謎の失踪事件である。 アボットの農場には時々黒い大きな穴が開き、どうやらその穴に落ちると時の川を越えて過去や未来に行ってしまうらしい。 優れているのは、「あの時、こうしていれば」「あの一言

        創作エッセイ(73)チャットAIに聞いてみた

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          ブックガイド(123)「領怪神犯」(1~3)木古おうみ

          民俗学に敏感な読書脳のおかげで手に取ったこの作品、夢中で読んだ。 新世代の民俗学ストーリー  日本中に残る様々な「神さま」を調査する領怪神犯特別調査課。第一巻では、その調査の様子が各エピソードで描かれる。登場する神や祭りが考え抜かれている。その集落で、人は何故「祀る」のか。  祭りの元をたどる伝承や民話において、それが諦めの受容を欺瞞する「美化」であったり「恐れ」の転じた神格化であったりと解き明かされていく。だが、解き明かされるだけで、それと戦ったり滅ぼしたりはしないしで

          ブックガイド(123)「領怪神犯」(1~3)木古おうみ

          創作エッセイ(71)ご近所トワイライトゾーン

           今回は私の仕事場の近くにある「聖域」を歩いてみた。といっても普通の散歩なんだが。実は、最近、木古おうみさんの「領怪神犯」シリーズに嵌っていて、祠とか観ると心にアンテナが立つようになってしまったのだ(苦笑) 山神社  住宅街のど真ん中なのだが、実はもともとこのあたりは畑や田んぼ。農地を転用した住宅街なのだ。この祠の隣は唯一残された畑である。山神とはもともと農業民とっては山から下りてくる豊穣の神様である。水源などに関係するわけで神様の性別としては女性。  この佇まいに魅了さ

          創作エッセイ(71)ご近所トワイライトゾーン

          映画レビュー(105)「トレジャーハンター・クミコ」(2014年)

           東京で働く29歳OL・クミコ(菊地凛子)は仕事にやる気がなく恋人もおらず鬱屈とした生活を送っている。ある時、海辺の洞窟から映画『ファーゴ』のVHSを見つける。クミコは実話だと信じる。やがて同僚や上司に疎まれるようになった彼女は、飼っていたウサギに別れを告げアメリカにわたる。  この物語は、実際にあったタカコ・コニシ事件をモチーフに描くドラマである。コーエン兄弟の「ファーゴ」の内容を信じて一人の日本人女性がはるばる米国の田舎町まで来た末、凍死体で発見されたという都市伝説だ。

          映画レビュー(105)「トレジャーハンター・クミコ」(2014年)

          映画レビュー(104)「ノウイング」(2009年)

          予備知識なしで見始めたので、最初はホラームービーかと思った。 小学校の創立記念日、50年前に埋められたタイムカプセルから出てきた謎めいた数字の羅列、そしてそれを残した謎めいた少女の秘密は? 50年の時を経て、その謎が明らかになるにつれ、それが未来の悲劇の予言とわかる。後半、ディザスタームービーに転じたとたん、ラストのオチまで判ってしまった俺。SFファンとは因果なものである。 「ノウイング」 (追記) 2009年の映画だが、実はニコラス・ケイジは、2007年2008年と多額の

          映画レビュー(104)「ノウイング」(2009年)

          映画レビュー(103)「ヒューマン・キャッチャー」(2003年)

           前作の数日後という設定だそうだ。23年に一度、23日間人を食い続ける化け物。姿は悪魔を思わせる。  冒頭は、末の息子を化け物に奪われるジャック・ダガートが復讐を誓うシーン。そしてすぐに、試合から帰還途上の高校運動部の男子とチアリーダーたちという、もう典型的な犠牲者キャラたちの登場シーンへ。スピーディやなあ(苦笑)  前半は姿の見えない怪物に一人また一人と殺されるホラー展開。そして後半は、特別な銛を自作した復讐に燃えるジャックのバトルものへ転向する。  最後の最後まで引っ張る

          映画レビュー(103)「ヒューマン・キャッチャー」(2003年)

          ブックガイド(122)「私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったかーロジャー・コーマン自伝」

          映画界の伝説亡くなる  先日5月9日に、ロジャー・コーマン氏が亡くなった。  低予算映画を多数製作した事で知られ、日本語では「低予算映画の王者」「B級映画の帝王」、英語では"King of the Bs"、"The Pope of Pop Cinema"などと呼ばれた映画監督、映画プロデューサーである。  コーマンは300を超える映画をプロデュースし、そのうち50は自分で監督した。それらの映画は、サミュエル・Z・アーコフとジェームズ・ニコルソン(en:James H. Ni

          ブックガイド(122)「私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったかーロジャー・コーマン自伝」

          映画レビュー(102)「ハロウィン THE END」

           殺人鬼ブギーマンことマイク・マイヤーズが再びハドンフィールドを恐怖に陥れた事件から4年、マイケルの凶刃から生き延びたローリー・ストロードは孫娘のアリソンと暮らしながら回顧録を執筆し、40年以上にわたりマイケルに囚われ続けた人生を解放しようとしていた。  しかし、子どもを死なせてしまった暗い過去をもつ青年コーリーが、4年間、忽然と姿を消していたマイケルと遭遇したことをきっかけに、新たな恐怖が連鎖し始める。  今回の話は、嫌な奴ばかりが死んでいく「いい気味だ」的な快感があり、少

          映画レビュー(102)「ハロウィン THE END」

          映画レビュー(101)「ノック 終末の訪問者」

           ストーリーは、ある一家(同性夫婦と養子)が森のキャビンで休暇を楽しんでいるところに、武器を持った4人組が突如押し入ってくるところから始まる。  抵抗空しく人質に取られた一家に対し、リーダー格のレナードは「世界の終末を回避できるか否かは貴方たちの選択にかかっている」と告げる。 世界の終末を防ぐために、家族から一人、犠牲を出せというのだ。  それができない時は、四人から順番に一人を殺していくという謎の儀式。 カルトなのか、それとも本当に彼らはビジョンを観ているのか、という揺らぎ

          映画レビュー(101)「ノック 終末の訪問者」

          映画レビュー(100)「コカイン・ベア」(2023年)

           事実に基づくストーリー(based on true story)て、本当かよと思ったら、実際に1985年にアメリカ合衆国ジョージア州でアメリカクロクマが麻薬密売業者が投棄した大量のコカインを摂取し、薬物の過剰摂取により死亡した事件をモチーフにしているという。  舞台は1985年、麻薬密輸人のアンドリュー・C・ソーントン2世は、自身の飛行機からコカインの入ったダッフルバッグを持ってパラシュートで飛び降りようとするが、ドアフレームに頭をぶつけて意識を失いそのまま落下死する。この

          映画レビュー(100)「コカイン・ベア」(2023年)

          映画レビュー(99)「リバーズ・エッジ」(2018年)

           原作は岡崎京子の同名マンガ作品で1993年から1994年にかけて宝島社のファッション雑誌に連載された。  若草ハルナは、自分の彼氏である観音崎にいじめられている同級生・山田一郎を助けたことから、彼と秘密を共有するようになる。その秘密とは、瓦の藪の中の誰とも知れぬ死体であった。  登場人物の十代の若者たちは、だれもがどこかを欠いている。彼らが他者との関係の中で、「自分とは」「他者とは」という自問に向き合う話とでも言えようか。  互いが意図せずに誰かを傷つけている。生きている人

          映画レビュー(99)「リバーズ・エッジ」(2018年)

          映画レビュー(98)「桐島、部活やめるってよ」(2012年)

          朝井リョウのデビュー作を原作とした青春映画である。 群像劇のスタイルで描かれている。原作との違いは、人物を章立てにせず、時系列である曜日を章立てに使い、複数の視点で何度も描く手法を使っている。 それが、お互いの心の内が判らずにすれ違う若者同士の孤独感や焦燥感や自責の念などに繋がっていることを描き出している。巧いと思った。 学校のバレー部のスター選手・桐島が突然部活を止め学校にも来なくなる。 何故? と驚く学生たち。 それを横目に、運動部の連中からバカにされながらも映画を作り始

          映画レビュー(98)「桐島、部活やめるってよ」(2012年)

          ブックガイド(121)「東京都同情塔」(九段理江)

          第170回令和五年下期芥川賞受賞作である。  ザハ・ハディドによる新国立競技場が中止にならずに建設された東京を舞台とする物語。(実際には建設費が高額すぎるために、隈研吾による新設計で作られた)  女流建築家・牧名沙羅が挑むのはシンパシータワーと呼ばれるタワマン型の刑務所である。シンパシータワー?  これは幸福研究家マサキ・セトが提唱する「ホモ・ミゼラビリス 同情されるべき人々」という受刑者に対する新しい認識に由来する。  牧名沙羅と彼女に侍るホスト・拓人の二人の目線で綴られる

          ブックガイド(121)「東京都同情塔」(九段理江)