一緒に居るのにさみしいね
「二人だけの秘密だよ」に参加すると最後まで読めます
言葉に詰まってあの子は眠るただそれだけの日常が、もう無い。
『Eve / Worlds end girlfriend, Smany』
眠る。
春が来る。
薄目を開ける、幾つもの皮膜を押し寄せて、思ったよりもずうっと遠くへ歩いていたことを思い返す。
夕立が降っていた真夏の午後だった。
湿り気、照り返し、夏の声が部屋を包む、玉みたいな汗、きらきらと涙みたいにかがやいた、宝石。
祖母のしわくちゃの手でかがやいた緑色の指輪の艶。
丁寧にカットされた光の粒がちらちらと、夕日のさみ