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いつもじゃないけど、看護は自分との闘いⅠ〜積年の恨みに行き当たる
看護は自分と向き合う機会でもある
看護は患者さんあってこその看護であり、常に患者さんが中心であってほしいと思います。なかなか理想通りには行きませんが、この基本は忘れたくないものです。
一方で、看護は自分自身の感情や信念、こだわりを再発見する、自分と向き合う機会でもあります。そして、その感情や信念が、目の前にいる患者さんを受け入れがたくしてしまう。そんな困難に直面することがあります。
自分をなだめす
4. 病気は運。そう考えることにしたⅡ〜病気はバツやバチではない
父は運のいい糖尿病オオタさんの死は、予想以上に大きな衝撃だったと言えます。「あんなに努力をしても報われないなんて……」。そう思うと、自分の努力まで否定されるような気持ちになりました。
その後も内科病棟には、糖尿病の患者さんが入院しましたが、その経過は、オオタさんよりはるかにましに見えました。
40代以降に発症し、多少食事に気をつければ、70代以降もそこそこ元気に暮らせる。そんな経過の人も、たく
3. 病気は運。そう考えることにしたⅠ〜オオタさんの完璧だった食事療法
1日4回の血糖測定内科病棟で働き出したのは、24歳になる年です。当時はなんでも慣れて覚えろ、の時代。注射や採血などの、侵襲的な(平たくいえば、人の体を傷つけて行う)医療処置についても、一度は見学、次から実施が当たり前でした。
不器用だった私は、1つの技術を身につけるにも、かなりの時間を要しました。だから、採血が難しかった人や、回数が多かった人については、うまくできなかった申し訳なさと主に、記憶に
腎不全の猫と長く生きるために(6)
10年皮下補液をしていても、まだ腎機能は維持できているぐう吉。それでも、18歳のぐう吉は人間の年齢にすれば90歳近く、最晩年になっているのは確かです。
この連載の最後は、いつか来るその日に、日々備えている。そんな私たち夫婦の覚悟を書いて締める予定でした。
ところが……….。
▲2019年7月20日12時09分。
大好きなベッドで撮った、この世での最後の写真になりました
突然のお別れ穏やかに過ご
腎不全の猫と長く生きるために(4)
今回は私が家で行っている皮下補液の実際について、詳しくお話します。
点滴方式+加圧バッグ私がぐう吉の在宅皮下補液を始めたのは2009年の8月からでした。皮下補液は、静脈に針を刺す静脈注射とは違い、皮下に刺すので、慣れれば誰にでもできます。
皮下補液にはいくつかの方法があり、私が使っているのは、ソルラクトという水分補給を目的にした薬液500ccに、輸液チューブと翼状針(21G)を繋ぎ(写真1)、点