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庭の畑でとれたサニーレタスにカルビを巻いて食べたときに、思い出した話の一部。

昨日、家族で焼き肉をした。
うちの庭の畑には、ほぼ焼き肉用にサニーレタスとサンチュがこれでもかと育っている。肉を焼きながら、目の前のサニーレタスをちぎって、水洗いすればすぐに美味しい焼肉をくるくると巻いて食べる。私にとっては至極当たり前のような食べ方なのだが、いわゆる都会派(笑)のうちの子どもたちにとってはそこまで当たり前でもないみたいだ。昨日はあまりにも私が美味しそうに食べているように見えたのか、自分からやると言い出し、おぉ!うめぇ!なんて叫びながら肉を頬張っていた。

で、そんな自分の子の様子をみながらふと思い出したことがある。

それはマエのガッコで、みんなで立てた農業用?のビニールハウスだ。
マエのガッコは、いわゆるリゾート地の近く、まぁ、標高も高く、冷涼な気候で、人もガヤガヤといないところだった。いま思っても贅沢なところに住んでいたなと思うことがある地だ。
ただ、この地は、上のような土地柄、夏が短い。そして気温もそれほど高くはなく、ガッコの畑でとれる野菜の種類が限られていた。ガッコというのは、ある意味本当にわがままなところで、自然の流れに逆らって、自分たちの都合のよい時に野菜を植えたり、都合のよい時に野菜を収穫したりしたいのである。生活科や理科、時には総合で、野菜を育て、観察し、収穫するのだが、「秋の収穫祭」に向けて都合よい野菜が取れなければならない。冷涼な気候のため、種植えが遅くなったり、収穫が遅くなったりすると「教科書」の流れにも乗れなくなるので都合がどうやらわるいらしい。そうは言っても早く植えたところで生育は難しかったりするものだ。そんな時に登場したのが、「ビニールハウス」プラン。事務の先生に聞くと、どうやら予算オーバーらしいけれど…、自分たちで建てれば予算内でできるかも?という、けっこう無茶な計画だったはずだが、それでも一瞬で「建てる」という決定がなされ、すぐにみんなで「建てた」ビニールハウス。ガッコに念願のビニールハウスがきたのである。これによりガッコのわがままナイズされた学習計画にも耐えうる畑が誕生したのである。


その年はとにかく試行錯誤にいろいろなものを植えた記憶がある。特に今頃の時期だったと記憶しているが「水菜大量発生事件」。低学年を担当していたので、あまり手間ひまかけずにできるもの、として水菜を植えたりが、これがスゴい…。スゴいというかヤバい…。収穫しても収穫しても次から次へと育ってくる…。少人数だったクラスの子たちは毎日毎日収穫して家庭へ持って帰ってくれるが…ある日、ご家庭の方が、ついに敗北宣言を出した。

「先生、もう水菜は食べられません」

毎日押し寄せる水菜の大群に完敗したのだ。
私は各ご家庭へ申し訳ない気持ちを抱いたのは確かだが、目の前にはまだ水菜がある…。この時の絶望感は未だに忘れることがないし、昨日、サニーレタスを食べたときに強烈に脳裏に浮かんできたことはもはや伝えるまでもないだろう。

このビニールハウスでは、トマトが赤々と数珠つなぎでなったり、きゅうりは毎日食べることができるほどなったり、夏の草取りは文字通り灼熱地獄となり、先生方のダイエット効果につながったかは定かではないが、私にとってはかなり面白い記憶でしかない。

いまはどうなっているのか。

そんなとりとめのないことをサニーレタスを食べながら思い出した、というお話。

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