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【学級通信】自分だったら、どうする?

予測が困難な時代において、「自分で考え」「自分で決めて」「自分から行動し」「成長のために自身の在り方を問い続ける」自律・自立した人が増える社会づくりに貢献する

ことを活動理念として、大人の学び合う機会を創るために教員を19年で終えました、内藤正臣です。
退職し、多くのお母さんの話を見聞きする事で、本当に皆さんが一生懸命子どもと向き合っていること、でもそれがなかなかうまくいかず悩んでいることが分かりました。
そんな親御さんにとって、少しでも有益な情報を提供できたらと思っています。

さて、学級通信シリーズです。
今回は、「置かれた環境で、自分だったらどうする?」をテーマにした内容です。
日本社会の中で、自分の身を置く環境を自由に選べて大満足している人はほとんどいないのではないでしょうか。
つまり、より良い環境を選んでいくことが大切なのと同時に、今の自身の環境で何ができるかを考える事もまた、大切なのではないかと思うのです。

今回はそんなことを、ある日の宿題の算数プリントの出来事とつなげて書きました。 
では、以下学級通信です。どうぞ!!


~「見えない力」こそ、「生きる力」だ!!~


以前、これからは「正解がない社会で、試行錯誤しながらどう解決方法を導いていけるか」が大切ではないかという話を書きました。

先日、クラスでも「正解のない問題」に直面した2人の女の子がいました。

その2人は、不運にも学校で宿題の算数プリントを受け取ることができませんでした。家で算プリが手元にないことに気がついた2人は、考えてそれぞれ別の対応をしてきました。

Aさん:友達に算プリの写真を送ってもらい、問題を自主勉ノートにきれいに写して、問題を解いた。

Bさん:自主勉ノートに自分で「正多角形」の問題を考えたり、苦手な計算問題を解いたりした。

提出されたこの2人のノートを見て、感心せずにはいられませんでした。

私は、クラスの子どもたちに聞きました。「A、B以外の他の方法ってある?」子どもたちは、

「放課後、学校に算プリがあるか確認に来る。」等々答えました。

私はさらに、「どの方法が一番良いと思う?」と聞くと、その答えは子どもによってバラバラでした。

それでいいと思います。答えは一つではありません。
どの方法にも、良さがあります。大切なのは、「困った場面に遭遇したときに、自分なりの答えを出して解決を試みる」ことです。

算プリが手に入らなかった2人にはきっと、算プリをやること以上の学びがあったことと思います。

最後に一言子どもたちに聞きました。「今回のような場面で、一番悲しい選択は何?」と聞くと、子どもたちは口をそろえて「何もやってこないこと!!」と答えました。

子どもたちは、十分分かっているようです。
心なしか、算プリをやってきた子どもたちの何人かの顔は「チクショー!!私(ぼく)も算プリが無ければ良かったー!!」という悔しそうな顔をしていたように感じたのは気のせいでしょうか(笑)
 
直面する状況というのは、なかなか変えようがありません。変えられるのは、その「状況の受け止め方」です。目の前で起こることに対して、どう考えていくか。

その「考え方」を柔らかく柔らか~くしていくことで、物事の取り組み方、向き合い方はずいぶんと違ったものになるのだと思います。

この度、残念ながら冬の自然教室の中止が決定しました。子どもたちや保護者の皆様の気持ちを知っているからこそ、この決断は苦しいものでしたが、クラスの子どもたちなら、この状況を柔らかく受け止め、たくましく進んでいけると私は信じています。



以上、学級通信でした。
子どもですから、考えが及ばないことも多々あると思います。
ですから「何でも自分で考えろ!」と突き放してしまうのは教育的ではありません。
考えても分からず子どもが困っているときには、私たち周りの大人がそっとサポートしてあげるのも大切な役目かと思います。

こういう小さな試行錯誤の積み重ねが、子どもにも私たちにも必要ではないでしょうか。

今回も、お読みいただいた皆様に感謝します!!

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