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TBS元報道記者に聞く「ニュース番組におけるスタートアップ取材の実態」とは?【PRコミュニティレポート/講師:TBS 西川さん】

こんにちは!グローバル・ブレインで投資先のPR支援をしている松井です。

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今回は、TBSで以前報道番組の記者を務められていた西川直樹さんをお呼びし、「ニュース番組におけるスタートアップ取材の実態」について講義いただきました。

スタートアップがニュース番組に取り上げられることは非常に難しい一方、番組で取り上げられればサービスにとって大きな影響を与える可能性があります。報道記者としての経験を持つ西川さんから、ニュース番組での特集企画の考え方、記者の動き方や情報発信、そして特集企画の立案におけるポイントについて伺いました。

西川直樹さん
新卒でヤフー株式会社に入社し、M&Aやグループ会社の経営管理の業務に従事。 2015年4月にTBSイノベーション・パートナーズに参画し、主にメディア・エンターテインメント領域のスタートアップへの投資を担当。2020年から1年間TBSテレビ報道局経済部でベンチャー企業のニュース企画を担当したのち、2021年7月にパートナーに就任。2023年4月より代表パートナー。

ニュース番組における特集の種類

ニュース番組における特集は主に「まとめ」と「企画」の2種類があるとする西川さん。「まとめ」とはその日に起こった大きな出来事をまとめた特集で、「企画」とは事前リサーチ期間を経て作る、話題を追いかける特集のこと。

「まとめ」の取材は突発的に発生し、特に突発的な事件や事故は広報活動との結びつきが難しいものの、ある程度予測可能な事象に関しては、事前に情報を用意しておくことで取材される可能性があると語ります。

一方で「企画」の場合、通常は1週間前から3日前に準備が始まるそうです。ある程度の事前リサーチを経て、話題を追いかける特集を作成。記者やディレクターが事前に行った取材に基づいて特集を組む必要があるため、日々の広報活動が影響を与えます。特に「最近のトレンド・話題」に関連する情報発信が重要とのこと。

独自ネタを扱う場合を除き、「企画」を検討する際の記者の情報収集の基盤は世間で話題になっている出来事であり、公開されている情報を参照すると話す西川さん。記者やディレクターの注目を引くためには、公開情報の量と多様性が重要になってくるとし、情報発信のポイントについても教えていただきました。

ニュース番組に取り上げられやすくなる情報発信のポイント

1. SNSは当然、積極活用する

記者はメディア・SNSを見て世の中で話題になっていることを把握しているため、公式SNSの発信が多い会社は、やはり問い合わせに繋がりやすいです。

2. 社会課題に関連させた発信を心がける

企画検討の際は、「世の中の課題」を軸に面白いサービスがないか探しています。リリース文に、どのような課題を解決するのか明確に記述する。これにより、検索結果に引っかかりやすくなります。また、リリースのタイトルに、取り組む課題がキーワードとして盛り込まれているのが理想的です。

3. Webに取材実績を掲載する

他のメディアで取材実績があると、取材イメージが湧きやすくなるため、Webに取材実績を掲載しておくことは大事です。

4. 電話での問い合わせに対応する

メールでの問い合わせだと時間がかかるため、できるだけ電話で広報に問い合わせたいと考える記者は多いです。可能であれば公式サイト、リリース、Google Mapなどどこかに電話番号を正確に記載するのが望ましいと思います。

5. FAXリリースのタイトルにもこだわる

FAXで届くリリースは可能な限り目を通していますが、大量に捌くとなると1枚あたり2〜3秒程度で確認せざるを得ないため、タイトルの引きが大事です。

以上のポイントごとに、実際に取材に至った事例についても詳しく教えていただき、テレビ取材に繋がりやすいリリース/情報発信についてしっかりと勉強することができました。

以下、勉強会に出席したみなさんのコメントです。

株式会社BALLAS 広報 笹川優来さん
ニュース番組の記者・ディレクターの方が、どんな視点でどんな方法で情報を探しているのか具体的に知ることができました。
またすぐに実践できるTipsも多く、早速取り入れています。

JX通信社 広報 和泉静香さん
実際に取材を行っていたご経験があり、スタートアップ界隈にもお詳しい西川さんの話は本当にリアルで、非常に勉強になりました。
「企画が生まれる経緯」や、「実際に取材に至るまでどのようなプロセスを経ているか」、そして広報担当者として望ましい情報発信のポイント、どのような準備をしていると目にとまりやすいかなど、今すぐにでも実践したい、貴重なお話ばかりでした。(講義後も、何度もメモを読み返しています!)
メディアの皆様にJX通信社の魅力や、強みをより良い形で届けられるよう、日々の業務に活かしていきたいです。

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