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グローバル拠点のエンゲージメントを高める「多国籍リーダーシップセッション」のススメ

2023年3月24日、第319回グローバル人材育成研究会のテーマは「多国籍リーダーシップセッション」。経営戦略にグローバル強化を掲げつつも、実際のところ「社内の組織体制のグローバル化が追い付いていない」というお悩みの声も、よくご相談いただきます。

・国内の外国籍社員、海外のローカルスタッフをエンゲージできず、良い人材が辞めてしまう
・本社と現地拠点同士での方向性、戦略、優先順位等の合意形成(アラインメント)に苦労している。いまいち意思疎通や連携・協働がうまくいっていい。
・海外を含めた全拠点のタレントマネジメントを強化していきたい

今回は、当社パートナー講師であり、圧倒的なファシリテーションスキルを持つ石坂聡氏をお招きし、いま当社でも事例が飛躍的に増えている「多国籍リーダーシップセッション」における、よくある課題や導入のメリット、そして成功の秘訣をご紹介しました。

世界で展開する”日本”企業?
日本に本社を置く”グローバル”企業?

当社パートナー講師:石坂聡氏

御社は、世界で展開する日本企業ですか? 
それとも、日本に本社を置くグローバル企業ですか?”

石坂講師コメント

「これにどう答えるかにより、企業の在り方が根本的に変わってきます。
かつての高度経済成長期であれば、日本企業が世界に支社を出す感覚で、日本のやり方を展開する形で問題はないでしょう。しかしこれからの時代に、
グローバルな競争相手と勝負し、グローバルの顧客を獲得していかねばならない状況ならば、日本企業の在り方は、相当、変わる必要があります。」

冒頭より、課題提起をパワフルかつ率直に投げかけていた当社パートナー講師・石坂氏。ご自身も、旧コカ・コーライーストジャパンにおいて30社の大統合及び企業の文化大改革を率いてきた、まさに「変革のスペシャリスト」です。

「日本人 対 外国人」、「本社 対 海外支社」。
こうしたマインドセット
がある限り真の「グローバルアイデンティティ」は醸成されません。
「わかっているけど、現実は・・。」という声もしばしば。

だからこそ、そんな時向き合っていかねばならないのは、
「日本」「海外」という垣根をいかに超えていくのか?
そのために何ができるのか?
です。

そしてそれを、日本本社が一方的に考えて展開していくのではなく、
グローバルな環境で、”共に”考える場を設けていく。
そうした機会こそが、重要なのではないでしょうか。

「多国籍リーダーシップセッション」とは

当社代表 福田聡子 より
多国籍セッションとは?について解説いたしました。


そこで今回のテーマとしてご紹介したのが、「多国籍セッション」です。

「多国籍セッション」とは、グローバル拠点のリーダーを集めたリーダーシップワークショップ
です。

目的は企業によりさまざまですが
グローバルレベルでのタレント発掘、海外リーダー人材のリテンション、日本人リーダー人材のさらなる強化、PMIの一環、海外リーダー育成の一環
などなど。

主に、日本人・グローバル拠点のトップタレントを同時に集めて、
グローバルリーダーとしてのリーダーシップ醸成
・グローバルリーダーとして成果を上げるためのスキル獲得
・アクションラーニング形式での戦略提言 
などを組みあわせ
グローバル人材候補経営候補としての視座を高めるものです。
(※企業に応じて目的や状況、目指す成果はさまざま。目的に応じた設計を行うことが大前提であり、上記は主な例です。)

特に昨今は「ただ日本本社に来て文化を理解する」以上の価値、つまり、いかに自社らしさ(ミッション・ビジョン・バリュー)を理解した上でグローバルシナジーを創出できるか?まで踏み込んでいくことが、特に求められています。

これまでも多国籍セッションで、数々の企業のグローバルタレントと議論をリードしてきた石坂講師。
「日本と海外のパイプを強くするためには、どのような議論が必要なのか」「日本人がよりグローバルになっていくためには、どのようなトレーニングが有効なのか」、目的や状況別に丁寧に分類しながら、その詳細をたっぷりとお話いただきました。

「本音が聞こえない」を越える:ダイバーシティが機能すると、イノベーションが生まれる

第三部では、ご参加の方からご質問やコメントをいただきながら対談を行いました 

多国籍リーダーシップセッションを実施することで得られるメリットとは、どのようなものでしょうか?たとえば以下のような点が挙げられます。

今後の組織運営を担うリーダー候補の成長を加速化させることができる
「どこにどんなタレントをもった人がいるのか?」可視化できる
◆ 個社・リージョンへの帰属意識ではなく、組織全体としての一体感を醸成できる

普段、それぞれの現場で活躍するグローバルのトップタレントたち。
その「顔が見え、声が聞こえること」。それは当たり前のことですが、重要なことです。
同じ会社に属しながら、身を置くマーケットも違い、「当たり前」も違う。多様なバックグラウンドをもった、世界の会社の未来を背負う「要」となる人たちが、それぞれの視点で、それぞれの意見を出し合う。

すると、視点の違いに気づかされることはもちろん、たとえば「日本本社は意思決定が遅い」等々、時には、率直な声が聞こえてくることもあります。そして、衝突することもあります。

それでも、さまざまな視点からの意見を多様な一意見として尊重し、集約し、「『われわれ』はこれから、どうするのか」を議論する。最大公約数にして納得ある議論に深めていく。

まさに多国籍リーダーシップセッションは、「正解を教える」のではなく、「学びを最大化していく」講師ファシリテータの手腕が問われる場面の連続です。しかし、国や文化の違いを超えてより良い協働の在り方を模索し、衝突をも乗り越えて、対話が成り立ったときにこそ、初めて本当の意味で、
理解し合えるのです。

多国籍リーダーシップセッションは、「やればよい」というものではありません。垣根を越えていく「対話」をいかに実現していくか?目的に即したプログラムデザインと、多様な意見をハンドルしていくファシリテーションがかけあわさって、初めて対話が生まれます。

そうしてダイバーシティが機能すると、大胆で面白いイノベーションが生まれます。当社は多国籍リーダーシップセッションを20年以上各企業様でお手伝いさせていただいますが、アクションラーニング形式での戦略提言なども、画一的な考えからは決して生まれない、着眼点豊かで、よりダイナミックな提言が生まれる、というシーンもよく目にしてきました。まさに、グローバルでリーダーシップセッションを行う意義を、実感できる瞬間です。

さまざまな施策をしていても、社員が抱える「本音」を聞くのは難しいもの。しかしそれを乗り越えていくことで、新しい組織文化が生まれていく。そのプロセスに挑戦していくお手伝いをしております。

ご参加いただいた方からは、
これまで言葉にできなかった「もどかしさ」を表現してくださり、納得感を得ました。」といったお言葉もいただきました。
お忙しい中ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

◆効果を高めるために…
多国籍リーダーシップセッションの効果を高めるには、企業に応じて目的を明確にした上で、対応策を柔軟にカスタマイズしていくことが重要です。企業の現時点でのグローバル度や、日本本社と海外拠点との関係の様相も、それぞれ事情が異なるためです。事例等ご興味のある方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。
   お問い合わせはこちらから:https://www.globaledu-j.com/


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