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Re:逃走癖女神 連載恋愛小説 完結済み

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厭世家詩人&野心家声優のビタースウィートな物語
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Re:逃走癖女神 ⒈眠れる少女 連載恋愛小説 目次 リンク有 全24話 完結済み

世界はべつに、キラキラしてなくていい。 ひらがなを覚えた5歳のころから、都は大学ノートに…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒉彼女の弱点 連載恋愛小説

約束に遅れる男って、どうなんだろう。その時点で、ナイ気がする。 「ほら。コーヒーでも飲ん…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒊ギラギラの新人 連載恋愛小説

午前の仕事が長引いただとか、彼は言い訳を口にしなかった。 都よりよほど地位の高い重忠に対…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒋パラダイス接待 連載恋愛小説 

近くのカフェにでも行くのかと思っていると、園田朔久は小さな洋菓子店に都をいざなった。 黒…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒌甘いアリ地獄 連載恋愛小説 

「来月は栗づくしだそうで」 「行く」 食いぎみに反応してしまったのは、致しかたあるまい。 …

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒍人たらし発動 連載恋愛小説

小説を脚本形式に書き換えればいいだけか、という都の予測は甘すぎた。 まるで使えないとのこ…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒎最強夫婦 連載恋愛小説

紗英は、朔久と面識があるという。 「目上の人間のツボを心得てるっていうか、あれはのし上がるタイプだな」 プロデューサーの自宅に出入りするくらいだから、筋金入りだ。 声優にしておくにはもったいないと、制作側に推す人間もいるそうだ。 「てゆーか、気いつけなさいよ。都」 「ん?なにを?」 「あんたみたいな世間知らず、カモにされて終わりだから。しっかり距離保こと」 疲れた笑いを返してしまった。 高額接待を受け、なおかつ次の約束まで取りつけられている。 知らないほうが、紗英の美容にい

Re:逃走癖女神 ⒏静と動の朗読 連載恋愛小説

最終稿に無事OKが出て、やりきった充足感に都は浸っていた。 それに水をぶっかけたのは、園田…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒐有言実行 連載恋愛小説

「じゃ、今度はもっと呼吸合わせて。テイクツー」 気迫で空気がビリビリ震えることなんて、あ…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒑臨戦態勢 連載恋愛小説

そして、めぐってきた、第2回甘い接待デイ。 間食を控えたり散歩の距離を延ばしたりと、この…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒒恋愛実験 連載恋愛小説

都は高2のとき、詩壇の芥川賞と呼ばれる賞を史上最年少で獲得した。 紗英と作った詩集だ。 詩…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒓恋のリハビリ 連載恋愛小説

お泊まりセットが必要だと言って都はコンビニに寄り、店員に裏口を教えてもらう。 あやしい男…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒔苦くて甘い夜 連載恋愛小説

しばらく恋愛活動からは遠ざかっていたし、悪女呼ばわりされた高校時代もたいした経験はしてい…

藤家 秋
2か月前
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Re:逃走癖女神 ⒕女神の掟 連載恋愛小説

恋多き詩人という都のレッテルを、朔久はどうも信じこんでいる節がある。 ひとたび肌を合わせれば、そんなメッキは簡単にはがれ落ちると思っていたのに。 もうひとつ誤算がある。 耳もとでしゃべらないよう、掟に入れるべきだった。 日常生活ではリラックス効果のあるその声が、ベッドでは真逆の威力を発揮する。理性がコントロールできなくなり、誤作動を起こすのだ。 それでも、勝負に負けることは絶対にないと、都は余裕しゃくしゃくだった。なにせ、好きな人がいたことがないからだ。 *** 「我ら