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冒険がこわいワシ

美食倶楽部のみんな!
ワシだ!遊山だ😸

ワシは今日、市役所とハローワークに行ってきた。
めんどくさいのに、頑張ったよ🥰
誰かほめて🥺

それでだ。
今日ワシ頑張ったから、ご褒美としてスシローに行ってきたのだ🍣

なんだと?
「またか!」だと?!

そうなのだ。
またなのだ。


チェーン店は安心する。
はじめてのお店は緊張する。
ワシは緊張しとうない。
緊張しておかしなことをやらかして、店員や客に笑われとうない。
だからワシはいつも、知っている店とかチェーン店に行くのだ。

そして今日、ワシが注文したものは!!
じゃ~ん!!

またですか……

スシローのオリジナルメニュー、
店内仕込みの海鮮ポテサラなのだぁ~✨✨✨
どれどれ、お味は…と。

ムウッ!!

これはワシが魚津で食べた、高校生のバイトが作ったものと、同じ味だ…😨
じゃがいもがでかい。そして味が薄い。
さらに今日のこれは、なんか水っぽい。

もしかすると、これが本来のスシローの海鮮ポテサラであり、
ワシが魚津で食べて絶賛していたものは、
お料理上手のマダムが作っていたのかもしれない……

誰だおまえはっ?!
ワシのアイデンティティがなくなるようなことを言うな💢

まぁポテサラの件は水に流そう。忘れよう。
所詮チェーン店にワシの舌を満足させるものなど作れないのだ。

ワシは海鮮ポテサラ以外に、店内切りサーモンとあぶりバジルサーモンを食べた。そこでワシはハッと気づいたのだ。

ワシ、いつも同じものしか注文してない!!


魚津でも全く同じものを注文していた。
サーモンはおいしさが安定している。
いつ食べてもウマイ。
だからわしは、いつもサーモンばかり注文している。

貝だの、白子だの、コハダだの、うにだの、
そういう(ワシにとって)珍しいものを注文することがない。

ワシはワンパターンなのだ。

いつも同じものばかり注文している。
いつも同じところばかり行っている。
いつも同じ服ばかり着ている。
いつも同じことで怒ってる。
いつも同じような職場で働いている。

ああっ、気づいてしまった。
ワシは破天荒に見えて、実はけっこう安定志向なのだ…

冒険しない。
冒険したくない。
こわいのやだ。
知らない人やだ。
知らない場所やだ。
知らないお料理やだ。
いつものがいい。
ほかのものは食べたくない。
争いはやだ。
平和がいい。
ケンカしたくない。
ずっとこのままでいたい。
がんばりたくない。
なにもしたくない。
家にひきこもっていたい。
ずっとこのままでいい。
このままおとなしく、何事もなく死んでいきたい。

本当にそんなふうに思うから、
ワシはいつも寿司屋で同じものばかり食べておる。

寿司屋以外のところでも、
同じような場所に行き、
同じようなことをしている。

そんなワシを見かねた神様が、
いろいろな事件を起こしてるんじゃなかろうか。


会社でのトラブル。
会社での人間関係。
家庭でのトラブル。
離婚したり、家を貸したり、家を追い出したり。

ワシがあまりにも動かないから、
ワシがあまりにも変わらないから、
「それじゃあ話にならんぞ」と、
神様が各種トラブルを起こしてくれているのかもしれない。

だってそうじゃろう。

もしも映画を観に行って、
主人公が冒険しない、
なにもしない、
ずっと同じことを繰り返してるだけで、
事件がなにも起こらないまま、
その映画が終わってしまったら。

そんなつまらない映画を観た客は、
「金返せ!」と文句を言うだろう。

物語には冒険が絶対に必要だ。


何も変わらない。
なにも起こらない。
誰も何も冒険しない。

それじゃあ物語にならないのだ。

海原遊山物語を、誰も観に来てくれない。
誰も観に来てくれない映画など、作ってもしょうがないのだ。
大赤字になって、立ち行かなくなるだけだ。

神様はそんな事態を避けるために、
ワシを突っついてくる🤤

👼「ボケっとするな」
👼「新しいことをしろ」
👼「サボるな」
👼「離婚しろ」
👼「ブチ切れろ」
👼「会社やめちまえ」
👼「パチンコで13万負けろ」
👼「ひとりぼっちになれ」
👼「騙されてしまえ」
👼「裏切られてしまえ」
👼「フラれてしまえ」

ひっでぇ神様だ。
でも確かに、そっちのほうが物語としては面白くなる。

観てる観客だけじゃなくて、
ワシ自身も心のどこかで、そんな変化を求めているのかもしれぬ。

120分同じ映像を垂れ流すような退屈な映画よりも、
いろんな事件が、いろんな変化が、いろんな人物が登場する映画のほうが、絶対に面白い。

ああそうか、
だからワシの人生はいろいろあるんだな。

士郎、おいしいからといって、
同じものばかり食べていてはいけないのだ。

たまには一緒にコウモリ🦇でも食べに行こうか。


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