ふじ〜ぴっく(fujipik)

コンサート、美術館、イベントへ行ったこと、本を読んだ感想などを書いてます。 名前はf…

ふじ〜ぴっく(fujipik)

コンサート、美術館、イベントへ行ったこと、本を読んだ感想などを書いてます。 名前はfreepikユーザーのフジモトなのでfujipik。北海道富良野出身、東京都在住の60代男性、音楽を聴いたり、演奏したり、水泳することが趣味。

最近の記事

辻井伸行さんのピアノ・リサイタルを聴きにみなとみらいホールへ

私、心の中で「ピアノの神様」を決めました。 * 先日、辻井伸行さんのピアノ・リサイタルを聴きに横浜みなとみらいホールへ行ってきました。 みなとみらいホールは客席数約2千席の大ホール、開演5分前の合図がドラの音ということが独特で「グゥワーン、バシャーン」とヨコハマっぽくていい感じです。 プログラムはバッハ「フランス組曲第5番」から始まり、ショパン「即興曲第1〜3番」ときて、前半のラストが「即興曲第4番(幻想即興曲)」、 休憩をはさんでラフマニノフの「ヴォカリーズ」と「

    • N響の現代音楽「MUSIC TOMORROW 2024」を聴いてきました

      ウクライナの画家マレーヴィチ(1879-1935)が1916年に描いたこの絵「シュプレマティスト コンポジション」という作品が2018年にオークションで落札されたそうです。 おいくらだと思います? * 先日、東京オペラシティコンサートホールでN響のコンサート「MUSIC TOMORROW 2024」を聴いてきました。 「MUSIC TOMORROW」は「演奏と創作」の「創作」側に焦点をあて、演奏機会の少ない同時代作品(つまり、近年作曲された現代音楽)を演奏しオーケスト

      • ヒラリー・ハーンのヴァイオリンでブラームスを聴いてきました

        先日、ミューザ川崎シンフォニーホールでヒラリー・ハーンのヴァイオリンを聴いてきました。 プログラムはブラームス作曲のヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」から始まり、ヴァイオリン・ソナタ第2番、休憩、ヴァイオリン・ソナタ第3番という内容、 あらかじめ、譜面台にはiPadとフットスイッチが備えられ、ヒラリーハーンは青のドレスでメガネを手に持っての登場、挨拶の後、メガネをかけて演奏開始です。 静かな始まりから、しっとり聴かせて、中盤、後半にかけて力強い演奏へ向かう構成。譜面を

        • 東京都美術館の企画展「デ・キリコ展」について

          長生きするコツってあるのかなー? * 東京上野の東京都美術館の企画展「デ・キリコ展」へ行ってきました。 ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)はイタリア人両親の元ギリシャで生まれ、17歳で父が亡くなったのを機にギリシャを離れ、ミュンヘンの美術学校へ進学、 1910年頃から遠近法をゆがめてみたり、幻想的な絵画を描き「形而上絵画」といわれるようになり、1919年以降は古典へ回帰したり、新形而上絵画という新たな作風を模索したり、独自の路線を歩みます。 一時期シュルレ

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          N響定期公演「ブルックナー 交響曲 第7番」を聴いてきました

          少し前の話となりますが「N響定期」を聴いてきました。 公演:第2008回 N響定期公演 Cプログラム 日時:2024年4月19日(金)19時半 場所:NHKホール 指揮:クリストフ・エッシェンバッハ 演奏:NHK交響楽団 曲目:ブルックナー(1824-1896)作曲    交響曲第7番 ホ長調    (ブルックナー59才の作品) ブルックナーは12才で父を亡くし、それからは修道院で寄宿舎生活しながら協会で音楽を学び、教師を経て音楽家となりますが、作曲した交響曲が演奏される

          N響定期公演「ブルックナー 交響曲 第7番」を聴いてきました

          日比谷公園の花壇と山種美術館の西洋画

          「ムーヴマン」って誰? 私のようにたくさん歩く人のこと? * 2024年5月1日(水)、最初に「日比谷公園で花を見て」次に「山種美術館で絵を見る」という計画で出かけたら、 あいにくの雨。 それでも、地下鉄を竹橋駅で降り、皇居周辺を傘をさしながら歩いて、 日比谷公園では「Playground Becomes Dark Slowly」(花と光のムーブメント)というアートイベントが行われていました。 アートイベントは、 という「光と花のムーブメント」でした。天気が良

          日比谷公園の花壇と山種美術館の西洋画

          日本画家「池上秀畝・菱田春草」と「上村松園」について

          先日、練馬区美術館と日本橋高島屋S.C.で日本画を見てきました。 練馬区美術館は「生誕150年 池上秀畝 高精細画人」展、日本橋高島屋S.C.は「文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之」展です。 練馬区美術館は長野県出身の日本画家2人を比較した内容で、 メインは池上秀畝 (1874-1944) 、昔ながらに絵師へ付いて絵を習った「旧派」、風景や花鳥の絵が細かくてリアル。例えば秀畝が描いた「オーストラリア大使館の杉戸絵(広い部屋を仕切るための戸に描かれた絵)」の画像が

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          サントリーホール、トリフォノフのピアノ・リサイタル

          2024年4月11日(木)19時、 東京・サントリーホールでダニール・トリフォノフ ピアノ・リサイタルを聴いてきました。 プログラム前半は、ラモーの曲からはじまり、モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第12番K.332」 、メンデルスゾーンの「厳格なる変奏曲作品54」、後半は、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第29番作品106ハンマークラヴィーア」というように、バロックから古典派、ロマン派へと時代を追った内容、 アンコールはジャズのスタンダード、スクリャービンのピアノ・ソナタ

          サントリーホール、トリフォノフのピアノ・リサイタル

          国立新美術館の企画展「マティス 自由なフォルム」について

          先日、六本木の国立新美術館で、企画展「マティス 自由なフォルム」を見てきました。 けれど、私にはあの強烈な色使いが理解できなくて、マティスは苦手です。 「助けてー、アン、パン、マーン!」 * アンリ・マティス(1869-1954)はフランス生まれ、20才の頃虫垂炎療養中に母親から絵具箱を贈られ絵を描き始め、絵に目覚め、画家を志してパリへ行き、そのままパリで活動します。 マティスの作風は光重視、色彩は伝統的な陰影よりもボリューム感を表現し、さらには、単純化も追求、フォ

          国立新美術館の企画展「マティス 自由なフォルム」について

          国立西洋美術館の企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」について

          つい最近、上野の国立西洋美術館へ行き、企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」を見てきました。 国立西洋美術館としては、開館以来、初の現代美術展となります。 * これまで国立西洋美術館は20世紀前半までの西洋の美術品を扱ってきたそうで、 それは、開館当初、先人たちが、これからのアーティストへ刺激を与えるため、「ヨーロッパの油絵の本物を集めて」、「日本に送って見せてやろう」、という想いを持っていたから。 しかし、時がたち、国立西洋美術館は「過

          国立西洋美術館の企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」について

          上野公園のハト

          タイトル写真のように「東京・春・音楽祭」開催中の上野公園、そこに生息している鳩が以前に比べて減ったようです。 * 私の知り合いの、そのまた知り合いが個展を開くことになり、よかったら寄ってみてください、と、控えめなおすすめを受けて、せっかく声をかけていただいたのだからとコバヤシチエコさんの「平行ダンス(Parallel dance)」という個展へ行ってみました。 個展が開かれる「納戸&ギャラリー」は、東京で一番沖縄料理の店が多い杉並区の通称「沖縄タウン」にあります。ギャラ

          「東京・春・音楽祭」ルドルフ・ブッフビンダーが弾くベートーヴェンの「月光」を聴いてきました

          2024年3月15日(金)から4月21日(日)まで、東京の上野では「東京・春・音楽祭」が開催され、連日、上野の東京文化会館、藝大、博物館、美術館、および、街角において、趣向を凝らした様々な音楽イベントが行われています。 その初日、東京文化会館小ホールで、ルドルフ・ブッフビンダーのピアノ・リサイタルを聴いてきました。 ブッフビンダーは1946年生まれの77歳、オーストリアのピアニスト、「東京・春・音楽祭」でベートーヴェンのピアノソナタ全32曲を演奏します。 この32曲をピ

          「東京・春・音楽祭」ルドルフ・ブッフビンダーが弾くベートーヴェンの「月光」を聴いてきました

          田部京子さんのピアノ演奏と町田康さんの著書「入門山頭火」について

          思い起こせば、ポピュラー音楽ばかり聴いてきた私が、クラシック音楽に興味を持ち始め、初めてサントリーホールでピアノ・リサイタルを聴き、その感動を何かに残しておこう、と思いつきnoteへ初投稿したのが2年前の春のこと、 それ以来、クラシック音楽に精通した方々、ピアニストの方々、または、ご子息がピアノを弾く方々にフォローしていただき、それにつれ、私のほうもさらにピアノへの関心を抱き、 いろいろと感想を書いてはみるものの、そこは素人でも鍵盤をたたけば音が出るという合理的な仕組みの

          田部京子さんのピアノ演奏と町田康さんの著書「入門山頭火」について

          東京芸術劇場で読響と福間洸太朗さんの演奏を聴いてきました

          2024年3月5日(火)19時、 東京の気温は10℃前後で夕方からはあいにくの雨、 行ってきたのは、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで催された読響の演奏会。 曲は、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番」と、ブラームスの「交響曲第1番 」、ピアニストは福間洸太朗さんです。 * 演奏が始まる前に、ちょうどピアノに関する記事をふたつ読みまして、そのひとつが「ピアノ上達、講師はAI・ロボット」という日経の記事。 一般の人には「人さし指と薬指、中指と小指の2本ずつの指を交

          東京芸術劇場で読響と福間洸太朗さんの演奏を聴いてきました

          東京芸術劇場で日本フィルの演奏を聴いたこと、映画3本見たことなど

          私は、ちょうど1年前、東京藝術大学や桐朋学園大学に在籍、または、卒業していた若手ピアニスト7人の演奏をまとめて聴く機会がありまして、場所は、確か銀座のヤマハホール。 藝大、桐朋など入学すら難関なのに、その上、修士だったり留学だったりという研鑽を重ね続けている方々の演奏を次々と聴いたわけで、いや、もう、7人の演奏はどれも見事すぎて、私が聴いた限りでは、優劣などつけられず、ただただ、7人の演奏は素晴らしかった、という思い出です。 そして、7人の演奏を聴きながら、この中には後に

          東京芸術劇場で日本フィルの演奏を聴いたこと、映画3本見たことなど

          東京都美術館「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展へ行ってきました

          冒頭から、お尋ねします。 ウスターソースは常備していらっしゃいますか? * JAS(日本農林規格)によりますと「ウスターソース類」とは「野菜・果実・香辛料などを原材料として調製した液体調味料」で、粘度により「ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソース」に分類され、地方によって嗜好に差があり西日本ではウスターソース、東日本では中濃ソースが主流なのだそうです。 それで、粘度が高いのが「濃厚ソース」、中くらいが「中濃ソース」、粘度が低いとくれば「薄いからウスターソース」と考えて

          東京都美術館「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」展へ行ってきました