【車選びの雑談】似たものに関してはコンプレックスを抱きやすい

車選びに関するオタクな趣味の話

自分の車の好みの原点は、2代目ソアラにある。シャコタン・ブギという漫画に出ていたこの車は、主人公の1人であるハジメが、親戚のお兄さんが乗る2代目ソアラの屋根を切ってしまって廃車にしてしまうという話で出てくるのだが、そこでの絵がすごい刺さったのがきっかけだ。

この頃から、箱型セダンっぽいデザインのスポーティな車が好きだった。スポーツカーデザインではなく、普通の車なんだけど、ちょっとカッコいい車。そしてちょっと悪い系の車。多分、これが基準になると思う。国内メーカーのクーペは死滅してるし、さすがに2ドアは不便なので、今考えるとなるとスペシャリティセダンとなる。

大学生の頃に、ソアラ(GZ20)という車を中古車で買ったのだが、僕が買えたのは6万キロ、8年落ちの前期型であった。既に世の中には、それと似たような形で後期型というものがあって、ちょっとだけデザインが微修正されていた。そのような微修正のことをファインチューンと言うそうなのだが、この似たような見た目の微妙な違いに心引きずられていた。

前期型と後期型の違いはすごく微妙な差である。その中でも一番気になっていたのが、リアスポイラーとテールランプ。より大人っぽく見えるのが後期型である。それがめっちゃかっこよく見えた。

今でも街中で当時のソアラを見かけると、必ずテールのデザインを見て前期か後期かを確認してしまう。

その後、ソアラはフルモデルチェンジで全く違うデザインになってしまい、それがあまりかっこよくなかったこともあり、完全にソアラからの興味が失せた。

デザインが全然違うものになってしまうと、古い方がいいと正当化し始めたり、言い訳ができてしまうので、なんとも思わなくなってしまうものだ。

今乗っている新型プリウスについても、僕が乗っているハイブリッドと全く同じボディでのPHEV版が気になってしまう。別に他のPHEVの車には全く興味はない。

それなのにプリウスのPHEVが気になってしまうのは、同じ形なのにハイブリッド版よりも性能が高いとされているからだ。

故に今では画面のメーター画面はエネルギーモニターではなくて、唯一のアドバンテージである、E-Fourの画面をデフォルト表示にして、あぁ4駆がいいよねぇとして自己正当化を図っている。フルタイム4WDだったらよかったのに!(後輪は電動モーターなのでEVじゃないと無理)

プリウスを買う前には、メルセデスベンツの購入をずっと検討していた。もちろん、今でもずっと情報は見ている。プリウスを見る前の認識では、ソアラのようなスペシャリティさを持ったセダンは外車勢一択になっていた。BMWかメルセデス、アウディあたりが気になる選択肢。その中でも、個人的にはメルセデスが好きだった。昔はBMWが好きだったけど、もうちょっと落ち着いた車がいいなと。

メルセデスの一般的なセダンのラインナップには、Cクラス、Eクラス、Sクラスとランクがあって、Sクラスがもっとも高級かつ高額となる。また、最近のメルセデスは、比較的統一されたデザインとして、CクラスがミニSクラスのようにデザインされている。

今のメルセデスのデザインは、最初にSクラスがリファレンス・デザインとして発表されて、その後にCクラスが追従し、最近Eクラスが新しく発表された。バタバタっと出たのが、ここ2年ぐらいの話だったので、注目して見ていた。

しかし、メルセデスのこの製品戦略には、僕の「似たようなものはヤバい」と警戒するセンサーが反応する。ただでさえ内装が似ていて、みんな似たようなステアリングだし、液晶やメーター、エアコンの吹き出し口などが大体同じようなデザインになっていて、こうなると、価格的には一番安価なCクラスを購入してしまうと、C -> E -> Sと連続的にSクラスに向けたコンプレックスを抱きそうで、近寄りがたいと思ってしまう自分がいた。

港区にいるおっさん、おばちゃんが、ただただお金持ちだという理由でSクラスに乗ってる人たちを見かけたら気になってしまいそうな自分がいる。そんなことを考えると、段々面倒くさくなってきて、一旦、諦めた。

もちろんSクラスはバカでかいので、それを置く駐車場も選ぶのでカジュアルに買えるものではない。一方で、Cクラスが小さいSクラスだというのを割り切るほど、別にCクラスが小さいわけではない。何より小さいことが別にSクラスに対するアドバンテージになっているわけではない。仕方ないから選ぶのではないかと思うところがある。

かと言って、1000万円以上も出して車を買いたいわけではないので、プロダクトとして一番バランスの良さげなCクラスが良いのは頭ではわかっているのだが、そうは言っても、日本だと700-900万ぐらい出す高額な車の割に、どこか車に対する妥協感が否めないというあたりで、そもそも買うことそのものが面倒くさくなってくるわけだ。

全然違う話だが時計の選択においても、Apple Watchが一番いいなと思っているのは、Apple Watchは、時計に興味がないユーザにとって宿命とされがちな金額的な序列に乗っていない。Apple Watchはたかだか4万円で買える時計であるが、他の時計と比較されることはない。強いていうと、エルメスモデルとは比較されるかもしれないが、それぐらいだ。

プリウスを選んだのは、その商品性が優れているのはもちろんであるが、何やら独特なブランドを持っているというのもあった。別にカローラと比較されようが、クラウンと比較されようが、それとは違うポジションを持っているような気がしていて独自性と時代性を選んだ。僕がテスラを気になっているのは、Apple Watchと同じ理由で、比較されない価値を持っているからだとは思っているが、さすがに駐車場問題を解決してまで乗ろうと思ってないので、現時点で最善の選択をしたと思っている。

だから、今の唯一の敵はPHEV版プリウスだ 笑

ちなみに、そもそもは50プリウスが気になっていて、後から気がついたのですが、あれもかなりヤン車ですね 汗

さて、それはともかく、新しく出たメルセデスのEクラスが、EVであるEQクラスの先進性を取り入れ、CともSとも違う進化を遂げていて、それはそれで非常によろしいのだが、いかんせん、デザインが若干、ぶっ飛んでいて、別に車にヴィトンのバッグみたいなものは求めてないんだけどなぁという感じなのだが、、一応、興味は留保しておく
(が、この話を書いていてボディサイズを調べたら、横幅が今の駐車場に置けない…オワタ)

ということで、長々とメルセデスを買えない、BMWも謎デザインになってしまって買えないと悩んでいたら、プリウスが出てきて、カタログも見ずに注文してしまった。さすがに面倒臭い性格だなという自覚はあって、Cクラスなら、ほいっと買ってしまえば満足するんじゃないの?と思っている自分はいたのだが、そもそものコンプレックスの抱きやすさというのは、同質性の中にあるんじゃないかというのは真理だと思うので、CとSがそう見えてしまってる以上は仕方ないんだろうなとは思います。

ちなみにこれを解決する方法が一個だけあって、中古で買うってことですね。中古の段階で価格が個別化されているので、「お買い得」って価値観が加わるからですね。とはいえ、時代はテスラに引っ張られ、絶賛タッチパネルへの変化中だったので、それ以前の古い車種を買いたいわけじゃないので今じゃないのですが。

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