第Ⅲ収容所(旧戦争映画中央評議会)

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3rdkz.net(旧戦争映画中央評議会) 映画や本、サブカルの批評 エッセイ、ネタ•歴史小話、コラムなど たまに小説も書く(予選は通過するレベル)

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【映画批評】ちいさな独裁者

信じ難く酷い実話 ※過去記事の復旧です 陰鬱度 100 お先真っ暗度 100 ヤケクソ度 100 総合得点 99 いやはや、、、 これ実話なんか…監督のインタビュー読んでると史実ベースに忠実に描きつつ、観る人それぞれが色々感じて欲しいみたいですな。声高な主張は特にない。 よって時代解説とか親切なアレコレは全部排除されている。よほどこの時代に詳しくないとポカーンとするのは間違いない。非常に玄人向けの戦争映画。 ドイツは戦後戦争映画の黎明期から陰鬱で全く希望のないドシンと

    • 【映画批評】関心領域

      「関心領域」観た。 英国資本の強い映画のようだけど、実際にオフィシエンチム(=アウシュビッツのポーランド名)の博物館隣に4ヶ月もかけてヘスの自宅セットを作って撮影したようである。 言葉はドイツ語、ヘブライ語、ポーランド語と使い分けられているので安心。主演もドイツの有名俳優が並んでいるので演技面も申し分なし。 アウシュビッツ所長ルドルフ・ヘスSS中佐と、その家族が絶滅収容所のすぐ隣の自宅で優雅に幸せにのんびり暮らす様子を観るだけの映画である。設定だの前情報に関しては他サイト参

      • 【映画批評】プライベートソルジャー

        大谷翔平はデカくなることに夢を与えましたなあ。 大谷見てるとデカくて早くて文字通りパワフルで、が成立してるんだから大したもんである。盗塁までイチローばりに走るのでハンパない。これまでの筋肉男のイメージを覆す偉業。ヤバい。 が、最近ジョン・アーヴィン監督(ハンバーガーヒルのヒトといったほうが良いだろうか)ロン・エルダード主演の「プライベートソルジャー」を久々にDVD引っ張り出して観たんだが、戦場では体デカいのは良くないなってことです。前線で命のやり取りするなら体は小さいほうが

        • 【映画批評】鬼が来た!

          インテリジェンス?映画の「無名」を観ていると、抗日映画って昔からなーんも変わってないんだなというガッカリ感は否めなかった。こう考えると「鬼が来た!」はすごい映画だったなと考えを新たにしたのでレビューを書き直したい。 「鬼が来た!」は中国共産党当局から発禁処分を受けた映画だが、これをカンヌに応募する際に当局の審査が終わるのを待つ必要があったのだが、それを待たずしてカンヌに持ち出したため中国国内での上映が禁じられたとの噂である。 とはいえ、「鬼が来た!」というタイトルは中国題

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        【映画批評】ちいさな独裁者

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          【映画批評】無名

          ふと立ち寄った場所でたまたま時間が噛み合ったので観ました。 前情報では1937年以降の日中の諜報戦が主舞台のようです。それ以外何も知らずに観たが、結論から申し上げればイマミッツぐらいの映画。色々期待しすぎたみたい。日本軍の特務機関に興味ありすぎて早まってしまった。 汪兆銘政権(日中戦争下で作られた日本の傀儡政府)の治安組織と国民党スパイと共産党スパイと日本の特務機関がインテリジェンス戦を繰り広げるって話なんで、まあついつい期待してしまった訳だが…個性豊かな様々なスパイや工

          【映画批評】DAU.退行

          ※過去記事の復旧です これの前作?の扱いである「DAU.ナターシャ」の批評は先日あげた通りです。 前回も書いたように、ハリコフに架空のソ連研究所を建設し、そこで実際に万に及ぶ人々を送り込み、2年間そこで生活させ、撮れた映像を映画にした、との触れ込み。真偽は謎だが、出演者の演技はほぼすべてアドリブだとのことである。 この映画、、、、、というか映画?映画は映画だと思うのですが、とにかくこの「退行」は長い。6時間9分です。半端ねえ。劇場でも家でのDVDでも、6時間を超える映画

          【小話】村上春樹とイレイザーヘッド【エッセイ】

          ※過去記事にいくらかネタを書き足したものです 村上春樹の去年出た新作、街と不確かな壁‥いや、壁と不確かな街‥だったっけ?とりあえず最後までタイトルを覚えられませんでしたがようやく読み終えた。ちょうど一年もかかった。なんてこったろう。読むの遅すぎ。 スマホ依存症は本を読みませんからね。。一年もの時間かけてようやく一冊読む。人によってはこのクソ長い小説を1日で読んだと言う人もいるんで、いかに人生無駄に生きてるかってことで反省させられましたね。 前作、騎士団長殺しは1ヶ月ぐら

          【小話】村上春樹とイレイザーヘッド【エッセイ】

          【映画批評】DAU.ナターシャ

          こいつはたまげた。 こいつはすげえぜ。 ※過去記事の復旧です。表現修正版 何が凄いって、ウクライナのハリコフに仮想のソ連研究所を建設し、そこに400人の主要キャストと1マンのエキストラを約2年にわたって生活させ、そこで撮れた映像を映画にしたことではない。 なんとびっくりなことに、これの続編?というか関連作があと16個もあるということである! 凄すぎ。なぜそこまでする笑 とんでもない予算をかけてソ連の巨大研究所(というか一つの街)を建設し、万に及ぶ製作スタッフを実際

          【映画批評】DAU.ナターシャ

          【映画批評】チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー

          ※2022年に書いた過去記事です 2022年現在、もっぱら世界をお騒がせしているおそロシアだが、この映画が製作されたのは2020年なので、今回のウクライナ侵攻とは直接的には無関係である。 とはいえ、おそロシアのおそろしさを遺憾無く堪能できるおそろしドキュメンタリーとしてお勧めできる。いやはや本当におそろしい。。おそロシアがこんなにおそろしいとは、、、 アメリカのジャーナリストが編集しているが、登場するのはロシア国内で活動するLGBTQ支援活動家と、チェチェンで迫害される

          【映画批評】チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー

          コーマック・マッカーシー好きなかた、お友達になりませんか😁

          コーマック・マッカーシー好きなかた、お友達になりませんか😁

          【映画批評】戦争と女の顔

          ごめん。これは駄作です。駄作ってなんや? もちろんその定義は様々です。これを良いと感じた人もいるでしょう。様々なことを感じ、学び、今後の人生に教訓として活かせる人もおられるでしょう。 でも人間は映画を観た際に「あ〜これ駄作。。。」って断言する権利は皆が持っていると、自分は信じています。なのでこれは駄作。駄作と言っちゃう。つまり、超個人的な意味での駄作ってことです。 なにをごちゃごちゃとみみっちいことを言っているんだろうね。これがいつもの戦争映画レビューなら「眠っちまう度10

          【映画批評】怪物

          ※去年書いた日記です 「怪物」を観てきました。是枝監督で脚本は今回違う人だったようですが、これまでのマンネリズム打破に繋がっており断然良かったと思います。「ベイビーブローカー」でさえまたこんな話かよって思ったからね。 村上春樹が新作のあの、なんだか長いタイトルの壁がどーのこうの覚えられない小説の後書きで「作家は同じテーマを何度でも表現を少し変えて繰り返すものだ」みたいなことを書いていた。村上春樹もいつもザ・またこんな話かよを量産する作家であるが、深く納得した。 是枝監督

          【映画批評】福田村事件【虐殺】

          俺が今の仕事でまだ新人(15年ぐらい前である)だったころ、100歳近い老婆を担当した。その女性は関東大震災の日のことをよく記憶していた。もっとも子供としての目線のみではあるが。 「朝鮮人を殺すんだ」と竹やり等で武装した男達が集合する一コマを覚えていた。 また別の老婆は、こちらも90超えた寝たきりの婆さんだったが、病の縁で俺に色々なことを語って聞かせてくれたものだが、北海道で終戦当時にやはり武装した大人達が集まって、朝鮮人を寄ってたかって殺していたというのだ。その時の朝鮮人

          【映画批評】福田村事件【虐殺】

          【小話】ふと頭に流れたメロディの考察【laputa】

          ※2023年9月頃に書いた日記です こないだの日曜日、仕事だったのだが、更衣室でぼけーっと着替えていたらふっと懐かしいメロディが頭をよぎった。 なんでその曲がいきなり浮かんできたのかわからない。「ラピュータ」というビジュアル系バンドの曲で、90年代に名古屋耽美系なんて言われていた頃の古い曲だ。30年ぐらい前の曲かな笑。高校生の頃に好きでよく聞いていたんですが。当時はその曲の入った「眩暈(めまい)」というタイトルのアルバムを名盤認定していて、本当によくヘビロテしていた。今で

          【小話】ふと頭に流れたメロディの考察【laputa】

          【映画批評】キリング・オブ・ケネス・チェンバレン

          凄い映画を観た。2023年ベストかも。「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」という映画だ。ブラックライブズマター運動と連動した映画かな~ぐらいのイメージで観に行った。 客はわずかに10人弱。金曜の夜のゴールデンタイムとは思えぬ関心の乏しさ。日本人は黒人差別にあまり関心がないということである(「オオカミの家」が大盛況だったのとは対照的だ) ユダヤ人迫害もの同様、黒人差別系、同性愛差別系の映画は定期的に作られる。これに一番近い映画はキャスリン・ビグローの「デトロイト」だろう

          【映画批評】キリング・オブ・ケネス・チェンバレン

          【映画批評】オオカミの家

          去年の夏頃、「オオカミの家」を観ました。自分の悪い癖で、観る予定組んでも直前になるとトレーニングを優先して延期し、公開中止になるパターンが多いんすけど、これはヒットしているらしく気まぐれな自分を待っていてくれました。ありがたい チリのカルトコミューン、「コロニア・ディグニダ」を表現したものらしいですね。観たあと知ったんですが笑 ここがめちゃ詳しいので読んでみてください。俺は全然知らなかった。↓ https://www.esquire.com/jp/culture/col