中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの…

中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの調理師であり介護食士です。介護職員初任者研修終了しています。近隣のカルチャーセンターなどで介護食(ユニバーサルレシピ)を教える講座を開いています。 https://tabegoro.club

マガジン

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.2

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。特典として各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.1

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

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特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも「粗刻み」や「極刻み」など色々ありますし、刻んだうえでトロミを付ける「刻みトロミ食」なんかもあります。これはその施設によって色々に設定されていて、一律に決まっているわけではありません。私の経験したちょっと変わったオーダーは、主食のご飯は「おもゆ」の指定なのにおかずは全部普通食というのもありました。 施設の場合はこんな

    • 業務委託の功罪

      老人向けの介護施設の多くは、食事づくりを外部の専門業者に委託しています。 理由は様々ありますが、一番は経営面での数字のコントロールが容易になるからです。 介護施設の専門分野はあくまで「介護」であって「調理」ではありませんから、予算取りだけして後は専門の外部業者に委託してしまえば、本来業務である介護に集中することが出来る理屈です。 施設の側から見ればそれで良いのですが、施設を利用するお年寄りの側から見た時に、これは必ずしも良い結果に結びつかない事があるのですが、理由は簡単

      • 介護食レシピ「ジャガイモとミンチのカレー風味煮」

        ミンチ肉とジャガイモを和風のカレー出汁で煮るレシピです。少ない材料でもカレーの風味を効かせることでご飯にもビールにも合うおかずになります。今回は鶏のミンチ肉を使いましたが、豚や合い挽きでもいいですし、ミンチではなく細切れ肉などで同じ様に作っても美味しく出来ます。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:25分 材料:2〜3人前 ジャガイモ…4個(350~400g) 鶏ももミンチ…150g 刻みネギ…適量 煮汁 水…200

        • 閑話休題「この世とあの世のはざま」

          ネットで見かけた記事にこんな事が書いてありました。 一部抜粋してご紹介します。 普通に考えて医学的にはありえない事だと思いますが、これは実話だそうです。 これによく似た話として、認知症の方が亡くなる前に急に認知能力が回復するといった話しを耳にすることがあります。 認知症が進んで会話も出来なくなっていたのに、突然普通に話しをし始めて昔話などしたと思ったら、その数日後に亡くなったという感じの話です。 これなども医学的には恐らくあり得ない部類の話しなのだろうと思いますが、実

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        特別ではない介護食

        マガジン

        • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.2
          10本
          ¥550
        • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.1
          10本
          ¥550

        記事

          介護食レシピ「ラタトゥイユ」

          お馴染みのラタトゥイユですが、茄子が美味しくなる季節には作りたくなる方も多いのではないでしょうか。夏野菜だけを蒸し煮にする南フランスの家庭料理ですが、特に決まった作り方があるわけではありません。野菜それぞれの食感や個性を楽しみたいなら短い時間で仕上げればいいですし、水分を飛ばしてパンに挟んだりして食べたいなら30分くらいじっくり煮込んで仕上げます。野菜と一緒にローリエやオレガノ、バジルなどお好みのハーブを使うとグッと本格的な味わいになります。 ★写真付きの詳しいレシピは「食

          介護食レシピ「ラタトゥイユ」

          閑話休題「医者から身を守る?」

          私の両親は昭和一桁生まれの戦中派でしたが、この年代の人は医者や学者といった学歴エリートの言うことは100%信じて疑わない人が多かったと思います。 これは当時まだ大学に行く事が珍しかったからで、こうした傾向は現在の高齢者にも当てはまる気がします。 その傾向が如実に表れたのが先般のコロナ対策における社会一般の反応でしたね。 専門家と言われる人達がテレビや新聞で発信する事を誰も疑うこと無く守った結果、感染症から身を守ることが出来たかというと、結果は惨憺たる物でした。 ところ

          閑話休題「医者から身を守る?」

          介護食レシピ「くずし豆腐の中華風卵丼」

          粉末の鶏がらスープの素を使って中華風の丼物を作ります。ご紹介するレシピでは使う材料を豆腐と玉子だけにしていますが、冷蔵庫の残り物何でも使ってアレンジして下さい。忙しい毎日に10分もあれば出来てしまう時短レシピです。子供もお年寄りも無理なく食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1人前 豆腐(絹、木綿どちらでも)…150g(1/2丁) 卵…1個 刻みネギ…適量 A 水…10

          介護食レシピ「くずし豆腐の中華風卵丼」

          特別ではない介護食-その2

          自分のご家族を施設に預けている方は、施設が提供する食事は全てお年寄りの体を考慮したうえで献立が作られているとお考えかもしれません。 ちょっと高級な有料老人ホームのWebサイトなど見ましても、食事についてはアピールポイントにしている施設がほとんどです。 しかし現実には、現場で献立を考えている栄養士のほとんどは20代から30代の若い人で占められていて、よほど介護や介護食について興味を持っている人でもなければお年寄りの体について学ぶこともしませんから、あまり深く考えずに今までの

          特別ではない介護食-その2

          介護食レシピ「オクラの梅オカカ和え」

          定番のオクラの和え物ですが、オクラは茹でる時間で歯ごたえを残すことも柔らかくする事も出来ますので、食べさせる人の状態に合わせて仕上がりを調整出来るのが良いところです。介護施設でも良く使う野菜で、刻んで和え物の場合もありますし、斜め半分に切ったモノを付け合わせに使う事もあります。 刻んで和え物にした時などは、嚥下障害のある方でもトロミ調整剤を使わずに提供出来ますので、在宅介護中のご家庭でも積極的に使っていただきたい野菜です。 今回は梅オカカ和えをご紹介しますが、味つけは使う

          介護食レシピ「オクラの梅オカカ和え」

          閑話休題「一人分のお味噌汁」

          今日の記事は特に介護とは関係ないのですが、味噌汁の話しです。 私は現在独り暮らしで、食事も自宅で摂ることが多いのですが、一人で暮らしている方は味噌汁をどうしていらっしゃるのでしょうか…。 料理をする方ならお分かりと思いますが、味噌汁を丁度汁椀一杯分作るというのは中々作りづらい面があり、即席のお湯を注ぐだけの味噌汁を利用している方も多いのではないでしょうか。 実は私もつい最近まで生味噌タイプの即席味噌汁をずっと利用していました。 ただ、毎日の事ですから同じ内容のものだと

          閑話休題「一人分のお味噌汁」

          介護食レシピ「納豆とトマトのみぞれ和え」

          以前にも納豆とトマトを使った和え物をご紹介したことがありますが、納豆とトマトはそれぞれの持つ旨味が上手に溶け合うとても相性の良い組合せです。今回はここに大根おろしと刻みネギを加えた和え物にします。お年寄りの場合、納豆の粘りが食べにくさに繋がる事があるのですが、大根おろしとトマトの水分が粘り気を緩和するのでお年寄りにも食べやすくなります。簡単で手早く出来る一品です。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:5分 材料:1人前 納豆

          介護食レシピ「納豆とトマトのみぞれ和え」

          閑話休題「兄の梅酒」

          私には四歳年上の兄が居たのですが、もう七年前に亡くなりました。自死でした。 詳しくは一度記事にしていますので書きませんが、お酒が原因のひとつでした。 その兄が大学時代から恐らくは死ぬまでずっと作り続けていた「梅酒」があります。 義姉によると、毎年青梅が店頭に並ぶ時期になるといそいそとスーパーに出かけていき、大量に梅を買い込んできては嬉しそうに仕込んでいたそうです。 兄夫婦は二人とも酒のみでしたので、夫婦でその梅酒を毎年楽しんでいたのだろうなと思いますし、兄が梅酒を仕込

          閑話休題「兄の梅酒」

          介護食レシピ「鶏胸肉のフリッター オーロラソース」

          鶏胸肉のフリッターをご紹介します。今回は肉には味つけせずに別で作るソースを付けていただくレシピです。肉を包丁でしっかり叩いてから揚げますので、歯の悪いお年寄りにも食べやすく仕上がります。更にマヨネーズベースのソースを掛けることで嚥下の悪いお年寄りにも食べやすいしっとりとした食感になります。子供からお年寄りまで一緒に食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:30分 材料:4人前 鶏胸肉…400g

          介護食レシピ「鶏胸肉のフリッター オーロラソース」

          死ぬこと生きること食べること

          一般のニュースではあまり流れないのですが、老人向けの施設で食べ物を喉に詰めて亡くなる事故は全国でそれなりに発生していると思います。 そうした事故で亡くなった方の遺族が施設を訴えるケースが時々ありまして、その判決は私の知る限りでは全て施設側に責任があるといった判決ばかりです。 民事訴訟ですので、施設の誰かが逮捕されるといった話しではありませんが、お年寄りを預かる施設が、食事中の喉詰め事故に過剰に神経質になるのはこうした背景があるからです。 つい先日もそういった訴訟の判決を

          死ぬこと生きること食べること

          介護食レシピ「タラのフレッシュトマト煮」

          タラや鯛などの白身の魚は加熱しても身が硬くならないので歯の悪いお年寄りにも食べやすい魚です。今回はタラをフレッシュのトマトと一緒に軽い煮込みにします。そのまま食べてもいいですし、細目のパスタと一緒に食べても美味しいです。少ない材料で出来るちょっとオシャレなユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:20分 材料:2人前 タラ切り身…2切れ(約200g) トマト(大)…1個 ニンニク…1かけ 大葉…5枚

          介護食レシピ「タラのフレッシュトマト煮」

          冷蔵庫での食材の保存について

          これから季節はどんどん高温多湿に向かっていくわけですが、食材を冷蔵庫で保存する際に知っておくと良い知識を少しまとめてみました。 野菜室やチルド室が付いた家族向けの冷蔵庫を想定してお話しします。 通常冷蔵庫のドアを開けるとサイズにもよりますが、上段・中段・下段と三段階程度には別れていると思います。 この場合、上段がやや高めの温度になるのに対して、冷気の吹き出し口がある中段から下がそれより低めの温度になります。 これは上段と中段に手を入れて感じてみても分かると思います。

          冷蔵庫での食材の保存について