眠り猫

映画のレビューを書きたいと思って、noteを始めました。学生時代は文学を専攻していたの…

眠り猫

映画のレビューを書きたいと思って、noteを始めました。学生時代は文学を専攻していたので、文学についても書いていければと思っています。野の花を見ること、旅すること、猫と遊ぶことも好きです。私の記事で、ひとりでも多くの方が楽しんでくださいますように。

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  • 今日のお花たち

  • ビクトル・エリセの映画たち

  • 猫がますます好きになる

  • 旅は映画のように―タイ北部編

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東京・天使の詩―ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』

Ⅰ ベルリンから東京へ 『ベルリン・天使の詩』(1987)から35年、役所広司が天使になって東京の街に舞い降りた。といっても、彼には初めから翼はない。『ベルリン』の天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)は当初、ランドマークの戦勝記念塔からベルリンの街を見下ろしていた。役所広司演じる「平山」―ヴェンダースが敬愛する小津安二郎『東京物語』(1953)の平山周吉(笠智衆)と同じ苗字だ―は、一貫してランドマークのスカイツリーを見上げるのだ。  本稿は、『ベルリン・天使の詩』を補助線とし

    • 青を楽しむ―今日のお花たち その15

       2年前から、毎年時期になると行くしょうぶの名所。電話したらほぼ満開だというので、時間を捻出して行ってみる。花しょうぶの系統は、江戸系、伊勢系、肥後系、長井古種、野生種とあるそう。私は花びらが細めで、すっきりしたいで立ちの長井古種が好きだ。花びらが大きくて、ぼってりと咲くものは、女性の局部を思い起こさせる気がして、ちょっと苦手。写真家のアラーキーこと荒木経惟は、花を女性の局部に見立てて、写真を撮っていたりするけれど。  日が射す中、駅からしょうぶ園まで1キロちょっとの道のり

      •  今日は、滅多に行かない東京の東へ。好きな劇団のお芝居を観に、プチ遠征だ。普段はお天気がよければ見える、この方がドドンと前にそびえている。お芝居、楽しめるといいな。

        • アンネ・フランクに倣って―日々の習慣にしたいこと

           これまで、日々の習慣にしていることと、捨てたい習慣について書いた。最後は、これから日々の習慣にしたいことについて、書きたい。  日々の習慣にしたいことは、リクライニングチェアで寝落ちしたりせず、清潔な体で、ベッドで寝ることを筆頭に、あげるときりがない。けれど、あと一つに絞るなら、毎日、文章を書くことだ。   noteを始めたきっかけは、映画のレビューを書いても発表できる場所がない、ということが割と大きかった。noteに映画のレビューを書けたらいいな、と思った。しかし、映

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        東京・天使の詩―ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』

        • 青を楽しむ―今日のお花たち その15

        •  今日は、滅多に行かない東京の東へ。好きな劇団のお芝居を観に、プチ遠征だ。普段はお天気がよければ見える、この方がドドンと前にそびえている。お芝居、楽しめるといいな。

        • アンネ・フランクに倣って―日々の習慣にしたいこと

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        記事

          捨てたい習慣

           「日々の大切な習慣」について、朝にヨガをやり、花を楽しむことで、からだとこころを整えている、そう書いた。  これだけ聞くと、毎日よい習慣がルーティンになっていると思われるかもしれないが、決してそんなことはない。捨てたくても捨てられないでいる習慣もある。  5年ほど前から、リクライニングチェアに座ったまま、寝落ちしてしまうことがよくある。当然、電気はつけっぱなしである。夜中に目を覚まし、ベッドに移動することもあれば、そのまま朝まで眠りこけてしまうこともある。  寝落ちし

          捨てたい習慣

          チェンマイのイエス

          Ⅰ 出会い 2024年3月下旬、タイにひとり旅に出た。まずスコータイに行き、3日かけて遺跡を見た後、30日にチェンマイにバスで移動することにしていた。  30日、スコータイのバスターミナルに着くと、ヨーロッパ系の男女が2人、私と同じバスを待っている。遅れては大変、と急いで来たのに、待てど暮らせどバスは来ない。  予定の時間を過ぎたあたりで、同じくチェンマイ行きを待っているヨーロッパ系の女性に話しかけられる。キリスト教の三大巡礼地の一つである、スペインのサンティアゴ・デ・コ

          チェンマイのイエス

          こころとからだを整える―日々の大切な習慣

          Ⅰ 朝のヨガ―からだを整える 「日々の大切な習慣」といわれて真っ先に思い浮かぶのは、朝起きてすぐに、ユーチューブを見ながらヨガをやることだ。時間のないときはわずか5分だったり、時間のあるときは30分以上やったりする。海外旅行に行った際にも、欠かさずやるようにしている。お気に入りは、B-life改めB-Flowのヨガだ。  2020年11月からに4ヶ月ほど対面でやるヨガに通ったのだけれど、甲状腺に異常が見つかり、体力が落ちて、通うことができなくなった。そこで、職場の同僚の方に

          こころとからだを整える―日々の大切な習慣

          また会ったね

           仕事帰りにてくてく二駅先まで歩いていると、先週金曜日に会った、白地に茶色の猫ちゃんにまた出会った。ニャーと挨拶してくれるけれど、一定の距離を置こうとするのは、前に会ったときと一緒。  今日は、もっと年季が入り、堂々たる面構えの猫ちゃんも近くにいた。こちらは、私をチラリと見るだけで、丸くなったまま、動こうともしない。茶色い猫ちゃんも顔つきから中年のオスかなぁ、と思ったけれど、今回初めましての猫ちゃんは、もっとふてぶてしい感じだ。なあんて、おばさんの私にいわれたくないだろうけ

          また会ったね

          野の花を見てごらん―今日のお花たち その14

           先週見に行った、職場近くの林に咲くイチヤクソウはそろそろ見頃かしらと思い、自転車を走らせる。1週間前には、つぼみだらけで咲いている株を探す方がたいへんだったけれど、今日はどの株も開いて、満開である。ひっそりした、おそらくほとんど訪れる人もいないだろう林の中で、一株一株が精一杯咲いて、私の目を楽しませてくれる。  彼らを見ていると、「野の花の育つのを、よく見てごらん」という、マタイ福音書の6章の一節が思い出される。  野の花は苦労をせず、紡ぐこともしない。そんな野の花を、

          野の花を見てごらん―今日のお花たち その14

          満員御礼のバンタイで、タイ気分を味わう―東京すみっこランチ その3

           出かける用事があり、お昼に新宿のバンタイというタイ料理屋でランチすることに。一人でもよかったけれど、新宿に出やすい場所に住んでいる山友を誘う。    多分、来るのは4回目だと思うのだが、今回が一番混んでいて、30分弱待たされる。入口のドアや彫像を見ているだけでも、タイ気分に浸れる。  注文はスマホでQRコードを読み込んでする形に変わっていて、びっくり。相方はビーフンがいいというので、パッタイを注文することにして、私は太い米麺にあんかけをかけた、クエッティオラーナーというの

          満員御礼のバンタイで、タイ気分を味わう―東京すみっこランチ その3

          喜びを与える人に―太宰治『正義と微笑』に学ぶ

          Ⅰ 太宰治『正義と微笑』と出会う  「なりたい自分」は、一生かけて目指し続けるもの、私はそんなふうに思っている。私が目指すのは、人を喜ばせることができるようになることだ。  そう思うようになったきっかけは、今から25年以上前の大学時代に遡る。文学を専攻していた私は、卒業論文で何を取り上げるか、さんざん迷った末に、太宰治の『正義と微笑』(1942)という中編小説を取り上げることにした。  小説の主人公は、ブルジョワ家庭の少年である。小説は彼が16歳から18歳まで記した日記と

          喜びを与える人に―太宰治『正義と微笑』に学ぶ

          置かれた場所で咲く―今日のお花たち その13

           昨日の夜、図書館で雑誌記事をコピーして来た。記事を読んでから寝るつもりが、座ったまま寝落ちしてしまう。5時頃に目覚めるが、さすがに休みなので布団で寝たくて二度寝した。再度起きたのは、11時近く。最近、平日はなかなか眠れず、週末に寝溜めしてしまうパターンが多い。  自宅でダラダラして、日暮れにちょっとだけ近くの公園や植物園を自転車で散歩した。マンションの敷地には、咲きはじめのアジサイや、満開のビヨウヤナギ。植物園では、名前がわからないのだけれど、黄色いランみたいなお花が咲い

          置かれた場所で咲く―今日のお花たち その13

          我思う、ゆえに我あり?

           仕事帰り、最寄り駅から二駅先まで歩いていたら、白地に茶色が混ざった猫に出会う。首輪のようなものをしていて、毛並みもキレイ。  話しかけるとニャーと答えてくれたけれど、見かけない人間だからか、一定の距離を保とうとする。座っている風情は哲学者のようで、「我思う、ゆえに我あり」と言わんばかり。中年のオスかなあ、と勝手に推測。  家猫かと思ったけれど、それならこんなところにいない気がするし、首につけているのもよく見るとリボンのようで、首輪とは違うみたい。思索にふけっているように見

          我思う、ゆえに我あり?

          雨上がりのアジサイ―今日のお花たち その12

           同僚の方から職場の敷地内にアジサイが咲いていると聞いて、探しに行く。時間内に仕事を終わらせるのに必死で、敷地内なのに咲いていることにも気づかないでいた。葉っぱに水滴を乗せたアジサイは、晴れのときよりも生き生きして、うれしそうに見えた。  見ているようで見ていないことってあるものだし、雨の日は憂鬱になるけれど、雨の日なりの楽しみ方がある。そのことに気づかされる。  これから鬱陶しい梅雨の時期になる。かつて梅雨の時期に突発性難聴になって何日か寝込んだので、この時期は鬼門なの

          雨上がりのアジサイ―今日のお花たち その12

          高山気分をあなたに―今日のお花たち その11

           しばらくお天気が悪そうで、お花を見に行けないかもしれない、と思い、定点観測している場所へ。  2週間ほど前に来たときとは、お花の顔ぶれがほとんど変わっている。まずは高山植物の女王といってもよい、エーデルワイス。長野の入笠山でも咲くはずだけれど、こちらは平地に咲いているのだから、すごい。  イワタバコは、高尾の蛇滝に7月下旬に咲くけれど、こちらではもう咲いている。  白いイワタバコは、ここで初めて目にして、感動した。  ショウマさんたちも、線香花火に似た花を咲かせてい

          高山気分をあなたに―今日のお花たち その11

          梶井基次郎の『檸檬』を15年ぶりぐらいに読み直す。最初に読んだのは高校の教科書でだった。年月が経って読み返してみると、セザンヌのような西洋の絵描きや、映画監督のような眼差しで事物を描写しているところが面白い。若くして亡くなってしまった梶井さん、お主もやるなあ。

          梶井基次郎の『檸檬』を15年ぶりぐらいに読み直す。最初に読んだのは高校の教科書でだった。年月が経って読み返してみると、セザンヌのような西洋の絵描きや、映画監督のような眼差しで事物を描写しているところが面白い。若くして亡くなってしまった梶井さん、お主もやるなあ。