パフォーマンスを最大化するための「休み方」とは
世間はGW真っ只中。本日は平日ですがお休みを取られている方もいらっしゃるのではないでしょうか。連休はいつもよりゆったり向き合えるタイミング。ということで今回は「休み方」についてnoteを書きたいと思います。
「休む」と聞くと、マイナスなイメージを想起される方も中にはいらっしゃると思います。
私もどちらかというと活動的なタイプなので、休むよりもつい頑張りたいという気持ちになり「休むこと」についてはこれまであまり目を向けずにおりました。
ただ、こちらの動画を見て、頑張りたい人こそ「適切な休み方」を知っておくべきだと感じたので、私なりの学びをシェアさせていただきたいと思います。
書籍もじっくり読ませていただいたのですが、非常に学びが多かったです・・・!(付箋がたくさん)
現役心療内科医の鈴木裕介さんが書かれた本、「心療内科医が教える本当の休み方」。
単なるハウツー本ではなく、心療内科医ならではの視点から、脳の仕組みの話を元にわかりやすく解説してくださっています。
そして何より、優しいメッセージが心に響きました。
頑張りすぎて疲れてしまった方にも、自身のパフォーマンスを最大化するための対策をしておきたい方も、組織のマネジメントに関わる方にも知っておくべき要素が詰まっています。
適度なストレスはパフォーマンスを高める
本書では「ストレス」というワードが頻繁に出てくるのですが、人は適度なストレスがあるときに最もパフォーマンスを発揮できるそうです。
とはいえ、過剰なストレスは悪影響。
適度なストレスを保つためには、自律神経のバランスを良好に保つことが必要だといいます。
交感神経と副交感神経
自律神経は、意思とは関係なく働いている神経のこと。両者がバランスをとることによって私たちの生命が維持されています。
車に例えると、交感神経がアクセルで、副交感神経がブレーキの役割にあたります。
交感神経が優位になると「バトルモード」になり、副交感神経が優位になると「休息モード」になります。
人間は環境に合わせてこの2つのモードを自律的に調整していると言われていますが、このバランスを意識しながら健全なゆらぎを維持していく必要があります。
副交感神経にも2つの種類がある
副交感神経の8割を占める迷走神経(※)には「背側迷走神経」と「腹側迷走神経」があり、腹側迷走神経を中心とした神経のグループ(腹側系)が優位になると、心身が安全・安心を感じリラックス状態になると考えられています。
※脳幹から出ている脳神経の一種
背側迷走神経は、凍りつき(フリーズ)の状態です。
闘うか逃げるかのいずれもできない場合の防御反応であると言われていますが、現代のストレッサーは長期的で逃げられないものがほとんどであり、特に若い人ほどこの傾向が出ていると言われています。
後述する「氷のモード」と言われるものですが、このモードはまだあまり知られておらず、「気合いの問題」と考えられがちです。
「メンタルが弱いから」という理由で自分はダメだと思い込んでしまうと氷のモードから抜け出せずに悪循環に陥ってしまうため、「背側系による防御反応」であることを認識し、適切な対応をしていくことが重要です。
3つのモードを把握する
これらの交感神経と副交感神経、また背側迷走神経と腹側迷走神経の組み合わせから、本書では3つのモードについて説明されています。
炎のモード
・アッパー系
・交感神経優位な状態
・過覚醒
・危機に対し、闘う/逃げるで反応
リラックスモード
・腹側迷走神経優位な状態
・最適覚醒
・癒やしとつながりを確保
氷のモード
・ダウナー系
・背側迷走神経優位な状態
・低覚醒
・省エネで自分を守る
頑張りすぎたときのモードの変化に注意
人はストレスに気付きづらいと言われています。
自分で「休みが必要だ」と思うまでが、気付きづらいのです。
だからこそこれらのモードを意識して、適度な状態を保っておく必要があります。
頑張りすぎると「ドーピングモード」になる
ストレスがかかっている環境にいると、人間の身体はその負荷に抵抗するために「抗ストレスホルモン」と呼ばれる物質を放出させ、身体を「戦闘モード」にします。
身体にダメージは蓄積されているのに、勝手にドーピングされちゃうんですね。このドーピングモードは3ヶ月ほど続くと言われています。
そのおかげで調子が良いと勘違いして頑張り続けると、一気に疲労感やさまざまな身体症状が襲ってきます。
なんだか疲れているけど、調子が良い!というときは注意が必要です。
「デイリーハッスル」の積み重ねが大きなダメージにもなり得る
デイリーハッスルとは、一つひとつは大きなダメージにはならないものの、日常で出会う小さなストレッサーのことを指します。
「小さなことは気にしない」という気持ちでいても、細かなダメージを慢性的に受けてしまうことで気がついたら瀕死状態ということにもなりかねません。
「特別な理由があるわけではないけど、気分が落ちてしまう」という場合はデイリーハッスルの積み重ねが原因となっている可能性があります。
自分自身ではなかなか気付きづらいものなので、特にオンボーディングの際など周りの人から小さな変化に気づけることが必要だと感じました。
自分のモードを把握して適切な休み方を取ろう
本書では、自分を助けて回復に導こうとするための行動を「コーピング」と呼んでいます。
そんなコーピングの様々な方法が鈴木先生の優しいメッセージとともに書かれているのでぜひ詳細は直接書籍で見ていただきたいところなのですが、特に印象的だったのは、安心を得るために「つながり」が大事であるということ。
ここでいう「つながり」は人に限ったことではなく、自然や世界とのつながりも意味しています。
その指標として紹介されている「BASIC Ph」を元に得意なチャンネルを把握しておくことで、自分らしい回復のパターンをつかむことができます。
例えば、Sが強い方は人や組織・コミュニティとつながること、Iが強い方は「ドラマや映画などを鑑賞する」「絵や物語を書く」など想像力を使うこと、Phが強い方は「運動をする」「お酒を飲む」「外に出かける」など身体にアプローチをすることなど、それぞれに合う方法でストレスに対処し、自分を回復させようとします。
これらのチャンネルは組み合わせて使ってみたり、新たなチャンネルを開拓して自分の回復方法に見合うものを見つけることも効果的だと言えます。
休むこと=ただダラダラしたり寝ることではない、ということがおわかりいただけたかと思います。(状況によってはダラダラしたりぼーっとすることが効果的なこともあります)
仕事ができる人はリフレッシュの仕方も上手だと感じたことはありませんか?
頑張りすぎて氷のモードに入る前に適切な休みを入れること、また自分らしいリフレッシュの方法を見つけてパフォーマンスを最大化していきましょう!
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