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耳鳴り潰し30

 30回目となる。30日目となる。書き始めた当初と比べて耳鳴りがマシになっているなんてことはない。相変わらず気を抜けば爆音で響いていることに気付かされてしまう。ふと新種の耳鳴り音が響くことがある。これが新たに一生加わるのか、という恐怖に襲われるが、幸い一時的なものである。

 所用があって妻とともに京橋を訪ねる。大阪の街のあちこちは、かつて訪ねた記憶があるものだが、京橋はたまたま抜け落ちているらしく、懐かしさは感じない。
 大阪駅にあった看板「関西空港」の下に「関西機場」とあり、何のことかと妻に聞かれた。あれは中国語で関西空港のことで、同じ漢字を使っていても、使い方が違っていて、同じ言葉を使うわけではない、といった、読んだばかりの本からの知識を披露する。巨大な飛行機が駅から見えた。

 かつては見知らぬ土地に降り立てば、周辺の古本屋を歩いて巡ったものだが、そんな元気はない。あの頃にあった古本屋のほとんども今はない。帰りの電車で夢と現実を行き来する。

 学校から帰宅した息子は「公園行くで! カナちゃんと『公園集合!』て約束したで!」と興奮気味にまくしたてた。雨模様で二日間公園に行けなかったせいでいろいろたまっているようだ。宿題の算数プリントをスムーズにこなす。音読ではふざける。

 おやつも食べずに慌てて出たものだから、カナちゃんはまだ到着しておらず。いないと分かった瞬間に落ち込む息子。合流後に家から持ってきたお菓子を二人で分け合って食べる。二人のいるベンチの後ろ側のベンチに私は座り、木漏れ日の中で永遠の黄金時代を過ごしそうな二人を眺める。この贅沢な景色を写真に収めたいが、人様の子どもであるので我慢する。

 その後クラスメイトの男の子とその妹さん、ママさん、カナちゃんの弟さんとママさんも加わり、最大7名での鬼ごっこが始まる。私は走ると頭に響くので座っていた。後から来た娘にパインアメを供給する。

 鬼ごっこで疲れ果てた子どもたちは虫を探し始め、小さなカマキリなどを発見する。


 結局小説を読みたくなり、今村昌弘「でぃすぺる」を読み始める。


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